御告げ兎
私は今家でゲームの真っ最中。すっごく楽しい!おっとそろそろボス戦か、よしっ!やってやろうじゃん!
その時廊下からお父さんの声がした。
「おいっ、いつ勉強するんだ?ずっとゲームばかりやって目を悪くするぞ。」
いつもそうだ。お父さんは余計な事ばかり口出ししてくる。これから良いところだってのに!
「うるッツさいなぁ!今やるよ。大体たった三時間しかやってないじゃん!」
するとお父さんが厳しい声で続けた。
「なんだその態度は!たった三時間?やりすぎだろうがッツ!」
「はぁ?ゲームやったらちゃんと勉強するんだから関係ないじゃん。このクソシジジイ!」
ついにお父さんがこちらに歩いてくる音がしたので私は部屋の鍵を勢いよくかけた。
「なんなのよ。煩いなぁ黙ってろっての。」
私は一旦ゲームを停止し国語のノートを取り出した。
「えぇっと、筆者の主張したい事は何か書き写し、サイドラインを~って!あぁめんッッどくさ!」
私はノートをベッドに放り出し鉛筆を置いた。
「もうやだ。めんどくさい、こんな事よりさっきの続きしたいのに」
またコントローラーに手を伸ばそうとしたその時ふと白いモノが視界を横切ったと同時に小さな声が聞こえた。
『ダメだよちゃんとやって、未来の君が大変な事になる前に。』
「!?」
私はびっくりして声が出なかった。なぜなら先ほどの白いモノは小さな兎でしかもこちらに向かって喋っていたのだから。
『じゃあ僕の役目は終わったから。』
ピョーンと兎は高くはね本棚の裏へと飛んでいった。
思わず立ち上がり確認したけれどもうなにもない。
「な…なんだったの?あの兎。」
私はベッドに放り出したノートを見た。勉強してという意味かとは思ったけども…やはりやる気はおきない。
「大変な事って先生に叱られるとか?」
それならもうなれてるしと頭を切り換え私は再びコントローラーを手にした。
その後はいつものようにお風呂に入りもしかしたら目が疲れてて変なの見たのかもと思ったので早めに寝ることにした。
翌日ジリリリリーッツっと目覚ましがなり響き乱暴にスイッチを押しながら私は起きた。
朝ごはんを食べノソノソ準備をし昨日出しっぱなしにしていたノートや筆箱をランドセルにつめ玄関に向かう。
勿論宿題はやっていない。
「いってきまぁす」
ドアを開けると同時にすぐそばで声が聞こえた。
『ねぇ、ダメ学校で宿題を集める迄に終わらせてね。そうじゃないと…』
バタンッツ!!
あの兎の声がしたが、ドアが閉まる音で最後何を言ったのか分からなかった。
「…気のせい、気のせい」
言い聞かせるように呟きながら私は学校へと急いだ。
案の定先生には叱られたがその日はいつもと違って追加の罰があった…最悪なことに『居残り』となってしまったのだ。
午後4時15分、居残りさせられ机に向かい
「はぁ、めんどくさ。」
私は大きな溜め息をついた。
「あの兎が言ってたのってこれのことかぁ…。」
いくらなんでも居残りって、多分親にも連絡がいってるだろうし帰ったら怒られるかも…
ムカムカする気持ちをノートにむけ乱暴に書きなぐり日が暮れてきた頃どうにか地獄から解放された。
「…もう4時40分だし!アニメ見逃したじゃん。最ッツ悪すぎる!」
私は足元の石ころを蹴飛ばしながらどんどん進んでいった。
その時だった…
キキッツー!!
凄まじい音のブレーキ音が聞こえたかと思うと物凄い痛みが私の体に走った。
ランドセルから千切れた白い兎のストラップが空を舞っている。
薄れ行く意識の中ストラップの兎から
『もう手遅れか。折角御告げをしたのに…』
悲しげな声が聞こえた気がした。
あの時ちゃんと『御告げ』を聞いていれば…
今私は空の上に居ることは無かったのかもしれない…。
三作目です。
これは学校から帰宅した後家で書きました。
先日お小遣いでガチャポンを回した時に白い兎が出てきたのでそれをモデルにし考えました。




