リア充殺戮兵器『助手くん』 続報
これは『なろうラジオ大賞3』応募用の作品です。
ジャンルは『空想科学〔SF〕』にしました。
前回投稿した『リア充殺戮兵器『助手くん』』の続き的な話しになりますが、これ単体でも充分楽しめると思います。
「うー……む? 一体、何がいけなかったのかのぉ?」
そう語るのは、爆発により崩壊し、跡形も無くなったラボに住んでいた女博士『ドク=シンキ=ゾーク』。29歳。
彼女は、ラボの中心に山の様に積み上がった瓦礫のてっぺんで胡座をかき、アフロになった頭を悩む様に右に傾けながら腕を組む。
目の前には、下半身だけで直立不動する『リア充殺戮兵器『助手くん』』……。その足元には、助手くんの胸から上が転がっている。
「もしかして、あれかのぉ? 『リア充』の意味が広すぎたのが原因かのぉ?」
ドクは、よく分からない発言をしながら、ああでも無い、こうでもない、と身体をやじろべえみたいに揺り動かす。そんな可愛い後ろ姿に声をかける、1人の男性がいた。
「……ねぇ、ドク。ロボット三原則って知ってる?」
それは、ドクの夫『トシ=ウエガ=イー』24歳、だった。
「なんじゃ、イー。ソレは、昭和の流行語大賞かなんかかの?」
「全然違うんだけど……」
ドクの予想外の質問返しに、思わず頭をかきながら、愛想笑いを浮かべてしまうイー。
「じゃあさ、もうひとつ聞くけど、ドクは何でこんなものを作ろうと思ったの?」
「そ……ソレはじゃな……」
途端に俯いてしまうドク。
「さ、寂しかったんじゃ! 最近は忙しくて1人っきりでラボにこもる事も多いし……」
「うんうん」
「たまに外に出ると、旅行やら趣味を楽しむ話しやらが耳に入ってくるから……つい……」
「そうだったんだ……(つい、で作っちゃ駄目だけど……)」
「大体、お主も出張から2ヶ月も早くこられるなら、連絡ぐらいせんか! 儂がどれだけ淋しい思いをしたか……」
「ごめんね……」
イーは、隣で猫のように丸くなっているドクの頭を優しく撫でると、耳元でこう囁いた。
「じゃあさ、今から僕とリア充みたいな事、しよっか?」
瞬間、瓦礫と化した地面に押し倒されるドク。
「お、お主! いきなり何をする!!」
「何って……全部言わなきゃならないほど、ドクも子供じゃないでしょ?」
イーの言葉に、みるみる顔を赤らめるドク。その両腕は、胸をよせるように縮こまり、ぷるぷると震える。
「ひゃあ……なの……じゃあぁ……」
見つめ合うこと数秒……ドクは観念したかのように、こう口を開いた。
「や、優しくするのじゃぞ……」
「ん……」
ドクの着衣を脱がそうと、胸元に近づくイーの右手……。
それに釣られるように、赤白く輝き始める『助手くん』……
そして……
ラボが吹き飛びましたとさ。
……お終いなのじゃ。
ドク「お主たちよ。前作は、どうやらこの後書きをスクロールすると現れる、星評価、広告のさらにその下にある、ランキングタグというところから飛べるらしいぞい」
イー「ドク、誰と話してるの?(ぞいって……)」
ドク「さらに、この世界とは全く無関係な連載版も書かれたようじゃ」
イー「え?」