時代
苦しいだけの時代が終わった。
長くよく耐えたね。と励ましの声がこだまする。
努力での苦しみの美徳は、何だったのかと思うほどに廃れたものに思えた。
彼曰く、頑張るのすら今は楽しいそうだ。
笑顔の青年たちのその細い目に、明日への希望が満ちてくる。
そのアイス、おいしそうだね。なんか私まで元気が出ちゃったよ。
空気が澄んでいて、虫の音が聞こえるし、遠くに子供たちの声が聞こえる。
筆で書かれた、宛名も、ボールペンで書かれた丸文字も、全部がいとおしい。
坂を上って目的地まであと少し。
高台にある公園で、私はベンチに座り弁当を食べていた。
何が何でも幸せなんだ。
海苔の巻かれた梅かつおの、おにぎりが浸みる。遠くのレンガ色の塔をパチリと写真に収めた。
春の心地よい自然に、遠慮のない強い日差し。
梅干しが食べれないのは変わらないけど、梅かつおはオッケーになった。おばあちゃんさすが。
もう本当に、何があっても大丈夫と思える。
10代にカルマをこれでもか、というほどに消化させた私は、澄んだ頭でもう一度彼に手紙を書くことを決めていた。
(タイミングは)まだかまだか、と考えあぐね、今日になってやっとレターセットを買ったのだが、本当にこれでよかったのだろうかとまだ考える余力があるみたい。
都会にも作られていない、綺麗な公園で、鮮やかな感情にときめき、今日は最後の春休みなのです。
いつだって、どんどん自由になっていく。それを不自由に感じてもいいし、ここまでの平和に感謝もできる。
諍いはいつだって。
安寧もいつだって。
君もあいさつで、綺麗な神話を纏めたまえ。
ここは今日も平和です。
嬉しくなって、思考の銀河が弾けました。
元気ですか。みんな力強く立っています。