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ハニーローズ  ~ 『予知夢』から始まった未来変革 ~  作者: 悠月 星花


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80. 納得されない私

「そんな……」

「ありえないだろ……?そのためにアンナが、犠牲になるのか?」



 私の話を聞いたハリーとエリザベスは、驚愕していた。

 私の人生が、予知のために犠牲になると二人とも判断したようだ。

 私の人生は、私だけのものだ。だから、犠牲になんて思わない。

 私が、したいように、生きたいようにするだけ。

 むしろ、その私の選んだ人生に巻き込んでしまうことへの方が申し訳なさがあるくらいだ。



 二人に話した内容は、家族に話したものよりかいつまんで話したのだ。

 それでも、私の話はハリー達にとって考えもしていなかった未来のようだった。

 こんな突拍子もない話を信じてくれて私を気遣ってくれるのが素直に嬉しい。



「ハリー……私が犠牲になるというのは違うわ。私は、私で守りたいものがあるの。

 そして、私は、自分の子供に会いたい!自分の未来を嘆いた日もあるけど……

 ハリーやエリザベス、家族に殿下、その他にもたくさんの人が私に幸せな気持ちをくれた。

 未来だから、今後、変わることもあるかもしれないけど、私が選択する未来が、少しでもみんなが

 幸せになれると思っているから……それに、私も幸せになれるわ!

 私自身の幸せも諦めたりしていないもの!だから、私のわがままを許して……」



 暖炉の前で小さくなる私を抱きしめてくれるのは、ハリーだ。



「アンナ……その未来に、俺は必要か……?……俺は、今、アンナが必要だよ……」

「私は、私のいない未来に、ハリーが必要なの。今じゃない!」



 私は、ハリーの腕の中から這って逃れる。

 居心地のいいハリーの側は、春の太陽に照らされた陽だまりのようだ。

 暖かく、いつまでもまどろんでいたい気持ちになる。

 そんなハリーを守るためには、この方法しかなかった。未来を変えるしか……なかったのだ。



「ハリー、私ね、夢を見るようになって、みんながいなくなるのが、怖かった。

 でも、違う未来があるなら、みんなが幸せになれるなら、その未来を目指したい!

 皆が幸せになれるよう、手伝ってはくれないのかな……?」



 みんなが、いなくなるのはもちろん怖かったというのは本当だ。

 あの光景を思い出す。心臓がスッと冷えるようで寒い。

 私にとって、ハリーがいなくなる、死んでしまうことが1番怖かった。

 血だまりに倒れるハリーの姿を思い浮かべる。みるみるうちに目には涙が溜まっていく。

 


 涙がこぼれないように目をギュっと閉じておさまるの待つ。


 

 私は、ハリーを守りたい!

 家族や、友人を守りたい!

 まだ、あったことのない人たちが幸せに暮らせるようにしたい……

 そして、ハニーローズに皆を守ってもらいたい。


 それは、他力本願で、私が導いた未来とは言えないのかもしれない。

 私の選択なんて、たくさんの選択の中の小さなものだ。

 影響力も小さいし、偽善的である。

 自分の手の届くところの人たちを守りたいためなのだから……



 種をまこう、新芽を育てよう……1輪の薔薇のために。

 その想いは、誰に何を言われても変わらない。

 自分の運命さえ覚悟を決めてしまえば、後は、みなが育ててくれる、慈しんでくれる、そう願って。

 そのためには、協力してくれる人を一人でも多く作りたい。

 私が未来の我が子にあげられるものは、本当に少ない。


 だからこそハリーには、あの子の力になってあげてほしいのだ。



「私は、決して不幸せってわけではないんだよ?

 ハリーもエリザベスも私が犠牲になって不幸だって思ってるかもしれないけど、私は、ジョージア様と

 婚約できることは、不幸じゃない!!」

「それでも……」

「ハリーくどい!」

「アンナ!!」

「私が、ハリーのことが好きだからって、ジョージア様と婚約を破棄すればいいの?

 それなら、ハリーは、満足するの?

 私、ジョージア様のことは、ちゃんと考えているし好きだよ?

 去年、一緒に過ごした時間も、ジョージア様のこともきちんと考えて過ごしてきたんだよ!

 私のその気持ちまで、否定しないで!」



 ぐっと私はハリーを睨む。



「決意は、固いのね……」

「そうよ!私だってちゃんと考えてるわ!」



 エリザベスは難しい顔をしているが、私の気持ちもわかってくれたようだ。

 でも、ハリーは納得してくれない。



 ずっと、平行線だった。



「俺は、アンナに近くにいてほしい。殿下と三人、いつも近くいるんだと思っていたんだ……

 なのに、こんな急に……」

「……ごめん、ハリー。私は、小さい頃から決めていたことだったけど、ハリーにとって急すぎた

 よね……でも、すぐに行くわけでもないし、アンバー領へ行ったとしても、私は私で、殿下とハリーの

 幼馴染だよ?呼んでくれれば、すぐ飛んでくるし……」

「アンナ、さすがに旦那様を持つ身になれば、すぐは無理よ?ましてや……」



 エリザベスは、窘めてくれるけど……わかっている。

 今までのように、ハリーと接することができないことも。

 公爵家の夫人として、せいぜい公爵様となったハリーとご挨拶するくらいしかできない。


 隣国へ嫁ぐとは、そういうことだ。もう会えないことに等しい。



 それでも、私は決めたのだ。



「ハリー……ごめん。もう、決めたことだから……私、心を変えるつもりはないわ!」



 ハリーからの返事はない。

 俯くことしか、今の私には何もできなかった。

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