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TIME0.時間の壊れた世界




とあるところに時間の壊れた世界がありました。



そこの住人はその世界が出来た時からずっとそこにいます。



時間が壊れているので、そこの住人は最初から子供だった者、大人だった者がいます。



時間が壊れているので、そこの住人は成長なんて出来ずにずっと生き続けるのです。



だって、彼らの中の時間だって、壊れているのですから――。





ある日、

時間の壊れた世界に一人の魔女がやって来ました。

魔女は物凄く美女で、逆に住人達は恐れました。


――あんなに美女なのに魔女なんて、恐ろしい、と


魔女は人々にこう言いました。

「貴方たちはこの時間に縛られてない世界に縛られているのね」

住人の一人が反論しました。

「う、うるさい!この世界はこれが正常なんだ!」

「これを正常と言うなんて、やはり貴方たちは他の世界を知らないのね」

魔女は哀れむようにそう言いました。

住人達はその様子に先程までの恐怖も忘れて怒り、それぞれの家へと帰りました。

「なんて可哀相なのかしら。もうすぐこの世界は壊れてしまうのに」

魔女は一人になってそう呟きました。

「あの、」

一人の少女が魔女に話し掛けました。

魔女は少し驚きながらも少女の言葉に返します。

「なあに?お嬢さん」

「さっきの、この世界は壊れてしまうって本当ですか・・?」

少女は先程の魔女の呟きを聞いていたのです。

「そうよ。私はこの世界が壊れる前に一度見ておきたかったの。時間の壊れた世界を。でも――」

「みんな、時間の壊れたこの世界には崩壊なんてないと信じきってます」

「・・・そうなのよ」

だから哀れに思えてくるわ、と付け足す魔女。

「"時間"の存在自体が既にないこの世界じゃ、変化も成長も退化もないんですよ、魔女さん」

だからみんなその考えを新ためることなんて出来ないんです、と付け足す少女。

「――あなたは他の住人とは違うのね」

「生まれた時から既に私はこの考え方でしたから」

「・・・そう。きっと一人でもその考え方をする者が生まれるように仕組まれたのね」

「大体、"時間"が壊れた時点でこの世界は一回壊れてるんです。"時間"のない世界なんてそう長くは持ちませんから。だからこの世界を支える人もいました。生まれた時から。でももう持ちません。この世界は――崩落します。」

「まるで最初から知っていたかのようね」

「知ってましたから。全部」

「そう」

魔女は少女を問いただしはしませんでした。

少女は魔女に話さず、ただこう言いました。

「明日には崩落します。私は他の世界へ逃げるつもりです」

魔女はこう返しました。

「そう。私も今日中に元の世界へ帰るわ」

そして少女は自分の家へ帰りました。

次の日、住人達は魔女と少女を見かけることはありませんでした。



少女の名前はまだ決まってません。

もういっそのことずっと少女、または偽名、または愛称で通そうかなとか思ってます。

魔女の名前は決まってますがそれは真名ではありません。今後、再登場の予定は少しあります。

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