食って大事だと思うの
すいません。
今回調子に乗って筆が進みまして、
6千字声になっちゃいました。ちょい長いですがおもしろいと自信がありますのでよろしくお願いします。
間違えた6千字越えだ
まだここに来て一月しか経ってないのに大馬鹿対応をしたハルナです。
ここで軽く自己紹介。名前のハルナ・リールシェル・ランゲルハンスですが、これで本名全部ではありません。ただ、これ話に関係ないので省略。
因みに前話で出てた「僕」ですが、一人称です。自分で言うのもあれですが、いい年こいて、僕っこです。年齢?……いくつだろう。そんなレベルです。
あ、そうそう、今後僕の名前の漢字表記が出てきますが、普段からこっちの表記の方がなれています。
漢字表記の由来は別の場で。
「だいじょうぶか?ラウサとここ2時間の時差があるからな。」
[17以降に授業も無いですし、終わって早々に夕食食べてしまえば19に十分間に合いますよ。あ、あと、昨日で僕基礎カリキュラム終わったので研究室と図書館にこもりますね。]
そうすれば…
「おい、新入生が倒れたぞ。誰か医務室へ。」
「なんね。…あたー。誰も近づかんといてー。マサキー、女子寮のいりぐちまでたのむわー。」
どうもーハルが持病で倒れましたんで今ひとまず代行します、ハルの従姉してますコーウェリアこと神子です。以後よろしゅう。
ハルは、なかなかにやっかいな持病を抱えていましてねえ、「後天性節足動物拒絶症」と、「後天性特定除外形水性動物性タンパク質拒絶生体機能不全」の2つなんです。
ほら良くいるじゃ無いですか、男女問わず、虫がだめな人。あれの症状がひどくて、対象範囲が節足動物全般になっている版が後天性節足動物拒絶症。
後天性特定除外形水性動物性タンパク質拒絶生体機能不全は、簡単に言えば、魚介類アレルギーです。絶対に治らないタイプの。ただ唯一、たこ・いかだけは食べられるので、ハルの大好物になってます。
あのいかを擬人化したキャラクターがインクをぶちまけて陣取り合戦するゲームやってる横でよだれだらだら流してジュルジュル音させてたものだから、プレイヤーは集中できなかったとか何とか。
両方とも、発作が起きると意識を失い、ひどいときには自発呼吸も止まる上、心機能にまでひどい影響があるので急ぎ対処が必要です。まあ、自発呼吸は我々が利き手と反対の手につけている、情報端末に搭載された演算装置が、代行演算という形で腕の神経や脊髄を介して、文字通り代行するので心機能にさえ気を配れば、さして心配は無いんだけどね。
「では俺が運ぼう。」
「あんた女子寮のうちらの部屋最寄りの入り口への道しらんし入れんやろ。ほれマサキ早運ばんかい。」
今日の昼食にはサラダに魚のエキスが使われていたそうな。
ザイラスでは国主の食べ物にはタコイカ除く魚介類は絶対に使わないと定めているわけだけど。
「おい、そんないきなり。」
「エリシア、涼子にこう伝えてくれ、『蒼、魚食らう。碧海の妙薬を乞う。』と。」
なにやら、うっとうしそうな男が絡んできている。
「おい、俺を無視するな。」
「何もんだこいつ。」
[…あのー、あれから何日経ちました?]
「三日。あれ以来なんかうっとうしい馬鹿が絡んできて困る。ひとまずこの部屋とマサキの部屋、ラウサの屋敷をつなぎましたので通せませんな。」
[……神子はあれ食べました?]
ハルが目を覚ましてすぐにこんなことを聞いてくる。ハルが聞きたいのは、当時の昼食のことだろう。
「うんにゃ。でも、魚のエキスをドレッシングに使ったサラダはハル以外にかかってなかったねぇ。」
[あの食堂の連中どう料理してくれましょうか。人が、魚介類を食べると、命に関わるっていっている上に学園にも申告して、王家からも僕に対して魚介類を使った料理を出すなという通達は出ているのに。]
おやおやおやおや。おもしろいことをしてくれるじゃ無いですか。自分の地位をはき違えてヤカラがここにも居ますか。
「聞いたところによると、一般生徒に未だに大きな顔をしているとか。そういや、あのむっつりマサキがなんかやらかそうとおもしろそうな準備をしてたで。」
マサキとうち…おお。失礼わっちゃ一人称が複数使い分けなうえに言葉が結構独特なんで混乱するかもしれんけ堪忍してつかあさい。
まあおいといて、マサキとうちは、ハルとマサキが非公式につきあい始めた中学時代からのつきあいでしてね。今じゃ親友と言っても良いでしょう。まあ、あれとハルが結婚した関係で義理の従姉という関係でもあるんですが。
仲間内ではマサキの扱いは結構ひどいもんですわ。
でも、んなこたどうでも良いんでひっとばして、話戻すと、
ハルが目を覚まして飛び込んできたマサキの首筋に。
あ、ハルが目を覚ましたのは、ハルの個室で、マサキが居るのはハルの部屋に置いた自室との直通転移陣で飛んできたから。
でもって、ハルがマサキの首筋に思いっきりがっつり4つの穴が開くぐらいがっつりかみついたもんで、結界かけたけども女声に変換された、マサキの叫び声が寮中に響き渡ってうちが、謝る羽目になりましたわ。またハルそそのかして、あいつ泡園に放り込んじゃる。あれにとって、ああいうのが一番効くからなあ。
「まーたにやついてるわ。」
[あったまきた。]
ハルは怒ると口調が常体になる。要は、「です・ます調」から「だ・である調」に変わると言うこと。
つまり、今ハルは怒っている。
ということは、またお馬鹿の裁きが近いと言うこと。
「体調は戻ったの?」
白々しく聞きくさってからに。
[僕が魚介類を食べたら命に関わることになるので僕に関しては魚介類を抜くようにという学園側からの通達は受けてないのでしょうかねえ。それとも、食わず嫌いの貴族のわがままと考えて握りつぶしたんでしょうかねえ。通達には国主府の印が入っていたんですけども。]
食堂にいた全員の視線が集まり察しの良いやつは青ざめていくものや、あーあと言う顔をする者も。
「何をおっしゃっているのかしら。好き嫌いしていては立派な貴族にはなれませんよ。」
[こっちがおめえらのわがままにつきあわされてるって言うのを自覚しろよ。
普通にビュッフェスタイルにしとけば、こんなこと言わなくて良いんだよ。
それが、てめえらの都合で献立決められて、ただでさえ、年寄り臭い味のめちゃくちゃ濃い上に柔らかい料理を食べさせられて、その上で配膳受けるときに、婆くせえ、厚塗りの陶器みたいな厚化粧のにおいを空きっ腹の状態でかがされてみろ。絶対何人か食事のあとトイレで吐いてるわ。
おめえらの自己満足なり、好なりにつきあわされる方が、健全な成長が阻害されるわ。ここはおまえらが好き放題できる場じゃねえ。
次世代を育てる場所なんだよ。今の王都貴族みたいな太鼓っ腹の男どもや、鞠みたいな寸胴女を作る場じゃ無いんだ。
今の時代からあんな食事させられたら、そうなるんだ。あと、肉出せ肉。]
「なんて口の利き方を。」
[通達を受け取っているのか受け取ってないのか?まず聞いてるんだよ。あー、このくずどもと私ら以外の生徒はみんな講堂にいきな。ここより味も栄養もましな飯を用意してあるよ。]
ハルが完全に常体口調で話している。あの騙りの時でも一瞬だったのにねぇ。
「通達なんてきてないよ。学園長からこういう子が居るから大丈夫になるように手伝ってって言うお願いは来たけどね。」
[私はどんな治療をしても魚介類を食べられるようにならないんだよ。おまえらの自己満足の材料にしないでもらいたいね。それとお願いというのはこれかい?]
ハルの出した紙には『本年度入学生の中に国主陛下が視察名目で入られる。陛下は魚介類を召し上がると命に関わる。決して彼女の食事に魚介類を入れてはならない。決して。』と書かれ、学園長の名前、国主府行政長官の署名がされていた。
「そうそう、それそれ。でもおかしいわねぇ。食べられないものがあるから、どうにか食べられるように。」
[あいにくとこれが原本なんだよ。
おまえらには複製を送ったわけだ。
複製はザイラス式の印刷だからこちらの技術では偽造できないしな。
それを都合良くねじ曲げて、人一人の命を危険にさらした罪からお花畑な思考で目をそらしていれば幸せだよな。
でも、無視したらいかん相手にいかんことをしちゃったねえ。
残念ながら、あんた方の天下もこれで終わりだよ。
国主の名で国王府、学園最上部に食堂厨房職員全員の首を言いつけたからねぇ。私が倒れた日をもってね。
つまり、あんたらは全く関係ない場所で、関係ない人に自分たちの自慰料理を押しつけてたというわけだよ。
あーどうなるかなあ。]
完全に怒ったハルのねちねち具合は我々7人の中でもトップクラス。
翌日、国主府からの命で、王都王城に勤める宮廷料理人10名が学園に派遣されてきた。
元首である国主からこの北西地域を統べるよう任ぜられた大公が、長く健康に公務を行えるように栄養面で、非常に厳格に、そして味や見た目にもこだわる修行を積んできた彼らは、次代を育む仕事であるこの学園大食堂の厨房を任せられて、非常に厳しく引き締まった顔で仕事に臨んだ。
彼らによって学園大食堂は味、見た目、栄養にこだわった料理をビュッフェスタイルで提供するようになった。もちろん組み合わせは自由だが、あれをとったらそれを、更にこれをとるというように誘導がかかるよう術式がくまれている。
また、本世界最高学府であるザイラ王国立ラウサ大学で栄養学やアレルギーについて学んだ彼らは、生徒職員の体質に合わせて、特別対応も臨機応変に速やかに行われた。
これにより学食はこれまでの厨房のけばけばしい化粧のオバンから、色気も素っ気も無いようなただ単に味の濃い、高血圧の糖尿病肥満者を量産したいとしか思えない偏った献立を無駄にでかい声とともにどっかり置かれる配膳場以外はちんやり、どんよりしていたただ単に腹を膨らませるだけの場所から、
彩りも味も栄養も豊富な健康的な食事を好きなように好きな者を選び取り、仲間と楽しく語り合いながら取り、食後の計画や、相談などをしあう憩いの場に変わった。
因みに飲み物も、あの婆達の場合水垢の付いたような金属製のポットに入ったぬるくなった水しか無かった。
それが、今では専属の飲み物職人が、料理を取り終わった最後にその組み合わせに最高に合う天然素材のジュースを一つ一つ丁寧迅速に生搾りで提供してくれ、夏は氷を入れて、キンキンに冷やした物を。冬は外の陽気で冷やした素材と凍らせた素材を削った物を混ぜた物を作り、過度に体が冷えないように気を遣ってくれる。
それだけでも、生徒職員から王室、そして王室を動かした国主家への感謝と忠誠は高まる。
にしてもこのジュース、のどが渇いたっていったり、汗をかいてたりすると、いつもはコップ一杯200ccぐらいなのを、このときは中ジョッキ500cc出だしてくれる。これを椅子に座るやいなや一気に煽る。最近はこれが気持ちいい。
そうそう首になった料理人10人のうち脳内お花畑で頭の周りをひよこがピーチクパーチクかけずり回ってるような思考回路の陶器化粧な厚塗り婆ども6人は、家でも同じような食事を出してたらしく、学園首になったのを聞いた家族が家を出て行ってしまった。
生活のために飲食店に入るも、濃い味のやっこい料理しか作れないので、速効で首になる。
でも良いこともあった。収入が少なく化粧品も買えなくなって、逆にお肌に張りつやが戻り始め、調味料も無いので味の薄い料理にしたら、息切れ動悸が改善して、健康になった。
まあ、それであたしってばやっぱりすごいと幸せ変換全開でいまは町のお掃除おばさんをして、笑顔の似合うちょっとふっくらしたおばちゃんになってるとか。
いやあ。しょっぱくて、辛くて、甘いなんて料理と厚化粧は健康に良くないよね。空きっ腹にあのファンデーションのにおいと料理のにおいが混ざるとまあ地獄よ。
でもね、おばちゃんは良いのよ。多少なりとも世間になじんだから。
問題はじじいよ。
メインの味付けとかしてたのはじじい4人なんだけど、「所詮がきや、ガキに迎合したやつにゃ俺たちの味やセンスは理解できねえ。」と4人で飲食店を開くもあのぬるい水とか高血圧の糖尿病肥満者量産料理を健康志向の王都市民が好むわけ無いでしょ。
開店して1週間。客なんて来るわけも無く、ひっそりと誰にも惜しまれること無く閉店。
その後は力仕事なんてしたことも無く、家族も居ないので、汚れたどぶ掃除なんかをして日銭を稼ぎ今までと同じく酒場に行く生活。
それでくだを巻き、肝臓を壊し、誰にも惜しまれること無く苦しみにまみれて死ぬ物居れば酒場でごろつきにけんかを売って、素っ裸で王城の城壁から逆さ吊りなんてのもいたっけ。
なんで知ってるかって?
だって、そのごろつきうちの組織の職員だもの。
ご老体に暴力は良くないけど少し現実見えてなさそうだから。ご老体っていっても年齢聞いたらまだ50でたとこなんだってさ。50出たぐらいの小僧が偉そうな口たたくないってことで綺麗にひんむいて服はたたんで、つるした上に置いてあげた。見張りの衛兵には迷惑かけちゃったけど迷惑料で高級酒を5日間ボトル5本飲める額渡して1日経ったら引き上げてもらった。
まあ、まだこれはかわいいもんで、逆恨みで学園やってきて、ハルの胸わしづかみの上で揉みやがった変態スケベくそ馬鹿爺が居たのよ。
ハルは、マサキ以外には完璧な不感症だから大いに揉ませたあと何がしたいのか聞いてたっけ。
次の日そのじじいは王都の一番でかい広場の中心で海老反りにされた上で手足をまとめて縛られた格好でこれまた全裸でつるされて、まあるいてっかてかの術式で細かく振動する木の玉で、ナニを刺激されていた。
あひあひして、動くたびに術式で浮かんだ羽毛で乳首をこちらも刺激されてあひあひして動いて、刺激が増えるのループで痴態を王都中に晒して、また、動きが20代以下の男性陣の笑いの壺にクリティカルヒット。
うちも一緒になって生で見て大笑い。ハルも大笑い。腹筋が痛いのなんのって、あのじじいのせいでふっくら丸みのあった自慢のもちもちボディが見事に6パックだよ。
いやあ。玉が術式で動くからあの蝿みたいな無粋な音がしないのもおもしろさを増幅させてた。
まああれで社会的に抹殺されたね。。ハル曰くおもしろいから国主命令で寿命まであそこに放置だってさ。食事?術式使って、胃に流動食を直接。腹に入れば良いんだから。排泄も術式で人目に触れること無く処理してます。たまあにあひったとき、おならが混じったらもうだめ、腹筋崩壊する。
あ、またかみつかれた叫びが。何件梯子させるかハルと相談だね。
え?なにをかって?そりゃ。男なら一度はいくあの泡園だよ。
え?あんた女だろって?まあ今は生物学的にも見た目も論理的にも女性だけど昔は男だったんよ。結構開けっぴろげな変態の。
まあへんたいなのはいまでもかわらないけどねぇ。ほじゃ、また何かの機会にお目にかかりましょ。さいならー。




