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まず手始めに騙りと馬鹿な教師を。

なぜ、この手の話は、冒頭でこういう場面が起きるのですかねえ。

というか、あそこで騒いでるあのぼんくらぼんぼんそうな無駄に照り返して目が痛くなる馬鹿はどこの何奴でしょう?製造者の顔が見てみたいですねえ。

何でも、市井からただ優秀だと言うだけで強制的に入学させられた市民があのぼんくらにぶつかったあげく謝りもしないとか。

どう見ても、端を歩いていた一般学生にあのぼんくらどもがぶつかりに言ったとしか見え無い証言ですが、教員はぼんくらどもを信じますか。

あ。どうも。ハルナです。今、おもしろいと言うよりあきれる事態に遭遇しまして。

「なぜ謝らないのですか。」

そりゃあ、悪くも無く自分に非が無いことを謝れと言われて謝れるほどの小物はそうそう居ませんからねえ。

「あなたたち庶民は、この学園に通えていると言うだけで名誉なのですよ。」

その割には馬鹿高い学費を徴収しているようですねえ。

この学園では一般学生は在籍が2年と定められており、2年経つと自動的に修了となり学園を追い出される。しかも教員は貴族に媚びへつらい、一般学生をないがしろにしています。この国を現在の形に保つため、どうしても一般の方には我慢を強いる形となりますが、そのお詫びとして、できる限り、我がザイラス行政府から修了祝い金という形で徴収された学費を還元しています。

まあ、馬鹿にとられた物を返しているだけだのでばらまきとかそこ、言わないように。事実ザイラスは金余りで困って、ばらまいてるんですが、関係ない話なので無視しましょう。

「これ以上謝らないのならあなた方を[除籍するしか無くなります。とでも言うつもりですか。彼らを除籍できるのは彼らに入学するよう義務づけた国王のみ。ですが、もう一人除籍できる権限を持つ者が居ます。更に言えばその人物は、国王が持たない教員の任免権も持っているとか。]

「何ですかあなたは。」

あまりにもぐだぐだと罪の無い生徒に突っかかっていて、教員をただ傍観して終わった後いろいろとフォローする意味がなさげなうえに面倒なのでなら早々に片付けようとつい首を突っ込んじゃいました。

[さて、こんなだめ教師は放って置いて、あなたたちについて伺いますが、あいにくとこの春領地より出てきたため、社交界には疎く、大変失礼ながらあなた方のことも存じ上げません。よろしければ、あなた方のことをお教えいただけませんか?]

このぼんくらどもに下手に出るのは癪ですが、うまいこと自然な流れで一般性とをこのあほらしい場から逃がすことに成功しました。

「なに?そうか、なら良く聞いて覚えておけ。エルリッド公爵家の長男シュベロンだ。」

[下公の中、エルリッドの長男ですか。あなたは?]

その横で更にふんぞり返っている男の自己紹介を聞いたら、思わず声が出てしまいました。

「おれか?おれはランゲルハンス大公家の嫡男ルーベンスだ。」

[はぁぁああああああ?]

「なんだ文句があるのか?」

[よくもまあ、そんな大それたことがいえたもんですね。当人を前にして。]

当然僕の子供にルーベンスの名を持つ者は居ませんし、まして、金髪も居ません。居て、薄い茶髪です。

「何が言いたい。」

[あなたの両親の名を教えてくださいますこと?」

「なぜ教えなければならない。」

これはこれは自分がいったいどれだけ重い名を騙っているかわからせる必要がありますね。

「ルーベンス様、教えてやれば良いのです、この女かなりの上物です。」

「いいだろう。」

聞こえていますよ。自分で言うのもあれですが顔と体つきには自信がありますので。

「私の父はランゲルハンス大公家当主インダウト。」

ミシッ!

「母の名はリールシェルだ。」

ミシッ!

[ほう。]

思わず握っていた柱からいやな音がしますが、自分でも頭が冷え、声も心なしか低く冷たい物になっていますが、

「どうだ?」

[奇遇ですねえ。僕も、ランゲルハンスの名を有するんですよ。]

「「え?」」

ぼんくらどもが固まっちゃいましたね。

[初めまして。ハルナ・リールシェル・ランゲルハンスです。あれ?おかしいですねえ、大公家の当主は女性ですし、その子供にルーベンスの名を持つ者は居ないはずですが、よろしければ皆様の家について、もう少し静かなところでお話しさせていただけますか。そうそう、監督としてあなた方教員にも付いてきていただきましょう。そちらは男複数。こちらは女一人。何か間違いがあってはいけませんし。]

教員は何か言いたそうでしたが、いとこ曰く絶対零度の睨みとやらで強制します


「それで聞きたいこととは?」

校内の空き教室に移動し、自然な流れで僕が一番上座に座ります。そのまま、話が終わるまで誰も出ることも外に話が漏れることも内容に結界を何十にも張り巡らします。

[その前に、この場で何があろうと、何を聞こうと、互いに他言無用でお願いします。]

「どういう意味だ?」

まあ、あっさり納得されるよりはましですが、

「良いではありませんかルーベンス様。うまくすればあの上玉を味わえます。」

この下卑た言葉にぼんくらの首魁が納得しやがりました。

念のため、他言しようとしたら、社会的地位を失う行為をしながら校内を練り歩くのろいがかかる術式を盛り込んだ誓約書に署名をさせておきます。

[聞きたいことと言うよりも、僕の問いに対して、答えてもらうだけです。]

その後いくつかの問いに対してルーベンスなるあほから満足のいく回答は得られませんでした。

[予想はしていましたがお粗末すぎます。我が大公家の名を名乗るのならもっときっちりとした構えでいてほしい者です。]

「なんだと?!」

[ランゲルハンス大公家当主ハルナ・リールシェル・ランゲルハンスの名において問う。そなたの真の家名と名を。]

「「「な。」」」

[答えられぬか?答えられぬであろう。しかして、国主家の名を騙り、国主の名を偽り、我が子を名乗った罪はそれだけで重いぞ。楽に死ねると思うな。それにしても、そなたの家は金だけはあるようだな。その金で身なりを整え格上を取り巻きとしたそのせこさは褒めてやろう。だが所詮はせこい下級貴族だ。]

端から名を聞いたときの威厳が感じられなかったんですよ。

[ランゲルハンス大公家の名は僕と僕の血族のみが名乗ることができます。あなたたちの処分はひとまず置いておいて、弱者寄りの中立であるべき立場の癖して強者にへつらい弱者を虐げるとは何事ですか。あなた方に人を教える資格など一かけもありません。国主リールシェルの名をもって罷免し、再教育を命じます。]

なにやらぶつぶつ言ってますねえ。

「今年入学の小娘が大公家の当主を騙るな。やれ。」

[あら。知らないのですか?国主率いるザイラ国主府が、王立学園を様々な視点から数年にわたり視察するという通達を。そしてその中に国主は生徒役で今年の入学生に紛れ込んでいるというのを。]

「おいおいハルナよ、これだけ厳重に結界かけておいて、鍵かけないは無いだろう。」

のんきな声で入ってきたのは我が愛しの旦那様。

[マサキさん引き渡し先の手配は?]

「ばっちりだ、ひとまずそこで完結しない魔法式を構成してる馬鹿から片付けようか。」

マサキさんの言葉に従い部屋の隅で僕をにらみながらぶつくさ言ってる教員に向き直り手を二回大きめにたたくと、彼とその周りの教員が驚く。まあ手をたたくだけで何の予備動作無く術式をなしにできるのは僕くらいのものですしね。

その後、教員が一部を除き総入れ替えとなり、元の教員は今まで罷免されなかったためか選民思想的な者にかぶれていたので、肉体労働激しい鉱山に送られたそうです。

ぼんくらどものその後ですが、まず我が家名を騙った首魁は語りが家族ぐるみで悪質であったことから元の爵位を剥奪した上で学園から除籍し、これに手を貸していた王城の文官もろとも、一族郎党王城の城壁に腰に縄をつけられ、最上級の服を着てつるされたそうです。

残りの取り巻きは、約束を破り言いふらそうとしたために、罰を被り、しなを作りながら服を脱ぐと、あれを何しながら集団で校内を練り歩いた上で、体の前後に「私は国主を愚弄したため罰を受けています。」と書かれた板を下げ、また王城経由の国主からの命令で実家からも除名除籍できない状態で一生を過ごす羽目になったそうです。

またこの騒動から一月で一般生徒への待遇が良くなり、2年での修了というばかげた制限が撤廃されました。

更に身分と、保有資産に応じて徴収される学費の再計算が行われ、一般生徒からの馬鹿高い学費徴収が廃止されました。

これによって、直近10年以内に修了扱いとなった一般生徒の「復学」が、認められ貴族に媚びへつらう嫌みな教員の居なくなった学園に多くの一般生徒が戻ってきました。

下手な貴族より一般市民の方が優秀なことは多いですからね。

これで、この北西地域は豊かになればうれしいですね。

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