はじめの挨拶
[なかなかに香ばしいことをしてますね。ザイラ本土の王家は。]
このジャンル方面を愛読されている方には初めまして。作者のようにこのジャンル方面と、国家転移とか、架空戦記物が好きな方にはまたお目にかかりましたねと言わせていただきます。
あちらでは彼の国と描写される国の一応元首を務めております、ハルナと申します。以後お見知りおきを。
「たかだか大公家だという名ばかりでザイラ北西部を任せているだけなのに、おもしろいことしてるねえ。
ハル、どうする。」
ここは、私の執務室。数ある界外領土(誤字ではなく、異世界にある領土という意味です。)から上がってくる報告書に従姉と一緒に目を通しています。
そんな中で見つけたのは、数ある界外領土を統べる、本土と称する国家。あ、我が国の界外領土は全てザイラ王国という名前になっています。
その本土に関しておもしろい報告が上がってきました。
かつて、ザイラが本土しかなかったときに起きた騒動と同じ流れが起き始めています。
自分で言うのも何ですが、普段から暇をもてあましている私を筆頭とした我が国の最高権力者7人は、喜び勇んで、この流れに首を突っ込むことにしました。
それでは、一連の香ばしい騒動の結果をお楽しみいただければと思います。
ザイラ王国
それは、この世界で最も強大な国家だった。
王家と国主家という二つの大公家の下に多くの貴族が国家運営を支えていた。
ザイラ王国は巨大な大陸を丸々一つ治めてて居るが、その国土の6割は、国主家と呼ばれる、ランゲルハンス大公家が、残る北西4割を王家と呼ばれる、ゼリオス大公家が治めていた。
それぞれの都は字こそ違えどちらも「おうと」と呼ばれている。一般的に首都と見なされる王都ザイロンは、大陸西部に位置している。
正式なザイラ王国の首都、央都ラウサは大陸中央部に位置しておりその規模はザイロンが田舎に思えるほどだった。文明もおそらく数千年レベルでラウサの方が進んでいる。
そんなラウサはハルナ達から見た基準で十分現代都市と呼ぶにふさわしいレベルだ。
因みに彼女たちの基準で見た場合、我々の現代は超がいくつ付いてもおかしくないほどの古代に当たる。
話がそれた。
「お待ちしておりました。ハルナお嬢様。」
ランゲルハンス大公家はすなわち、彼の国と呼称するハルナの治める国における王家である。
その当主はもちろん彼の国の国王たるハルナなのだが、彼の国においてもハルナはお嬢様と呼ばれる。
まあ、また話を戻して、
[エリシア、状態は?]
「はい。なかなかに香ばしいことを考えている様子です。伝え聞いた話では、お嬢様が、王太子の婚約者となったとか。」
[あら、なかなかおもしろい話ではないですか。格上に話もなく勝手に婚約者に据えるなんて。良い度胸してやがりますね。どう遊んであげましょうか。ところで、ザイラスの状態は?]
「それに関しては内容が内容なので、蒼天宮に送らせていただきました」
ザイラスは大陸の6割を占める、いわばランゲルハンス文明圏とも言うべきランゲルハンス大公家の勢力圏である。
そして蒼天宮は彼の国の王宮である。
[それでは屋敷で一服したらザイロンの屋敷に向かい…たくありませんねえ。]
ザイラスの境界線を越えると一気に景観が変わる。
ザイラ王国 王立学園
ザイラ王国内の全貴族と優秀な平民が通うことを義務づけられたという建前の全寮制教育機関である。
建前というのは大陸の6割を占めるザイラス貴族は皆、この学園よりも高度な教育を受けられる央都の教育機関に通う上、ザイラスを出たがらないので。
まあ話を戻して、
[多少の暇つぶしになれば良いですねぇ。」
「何も無いですからねえ。文明はやっと鉄道が単線運行始めた程度。科学なんてかの字もないし、かといって魔法も、初歩的な、複合遠距離が開発できて喜んでいるレベル。ザイラスの歴史学者に教えたら研究旅行に来そうですもんね。ひとまず、寮に行きましょう。」
いや、ね、読んでたら書きたくなるじゃないですか。
それでもって、書き始めたけど、この手の話っておもしろい物は短くなるでしょ。
というわけで、あらすじにも書いたけど短めで終わらせる予定です。
その分、1話ごとは長くするのでお楽しみください。
誤字など見つけたら教えてくださると嬉しいです。
随時修正かけてますが見逃すこともありますので




