十三柱と青の鯨
ある地下の会議室。そこにはラヴ・レター局長のメリーは重い空気を醸し。ラッキーセブン・センシズの現在ボスのサガは緊張しつつ眼帯をイジっていた。他にも赤十字軍の院長ビッチ、力の宗教のダビデなど十三柱のうち七名が揃っていた。
「あの、本当にこれだけで大丈夫なんですか?」
サガの質問にナース服を着た褐色金髪の女性ビッチが、
「て言うか何が?」
「いや、こう言う事は初めてですし。状況はかなり最悪かと」
サガの焦りにビッチは返す。
「て言うか。これくらいは予定の範囲内だし」
「まぁまぁ、ビッチさん。サガはまだ代表になってまだ浅い。私から説明しましょう。
現在、火星と地球は冷戦状態にある。それはここ十五年は安定していた。でもね命は狙われる事は多い。朝食には毒が盛られているかも知れないし狙撃だって何時されるかも解らない。でも、それがないのは私たちに力があるからさ。金、資源、医療などそれは我々十三柱が作り築き上げて来た結果だ。私たちは力によって平和を作れた。ただただひとつ。それを砕ける唯一の組織が有る。それが青の鯨だ」
「だからその青の鯨が来たのに何でそれだけ冷静なんですか?」
サガの慌てる声にメリーは、
「それが想定内だからさ。
青の鯨だけはどんなに平和な国でも戦争を起こせる。どれだけ凄惨な国でも平和になるそれが青の鯨だ」
サガは口ごもるがそこへダビデが目を見て、
「いったい青の鯨とはどれだけの組織か? と思ってるな」
するとビッチは答える。
「青の鯨ってのはー。ビビアン・リーを筆頭とした組織だしー。
戦争を起こしては兵器や人材を売りつける死の商人ー。
裏では非人道な実験や危険な兵器をバンバン作ってる悪魔ー」
ダビデがサガの目を見つめ、
「いったいなんでそんな組織が地球側が野放しにしているのか? と思っているな」
ビッチはそれを聞くと、
「ビビアン・リーはー。核無効化システム「ホーリー・グラール」を開発して世界的な英雄と言われているしー。
ビビアンはー。五十年前にホーリー・グラールを開発してから核の脅威を無効化。いくつもの非承認の核所持国の撲滅に荷担。地球では平和のカリスマとも言われているしー」
メリーはビッチの話を切り話す。
「ビビアンは平和のカリスマと死の商人の二面性を持っている。だが、奴の本性は紛れもなく死の商人。十四年前に平和交渉会で対面した時に理解した。奴は時間も平和も人の命までも金としか見てない人種だと。
たまに居るんだ資本主義に捕らわれた人間を。だがビビアンは異常だ。資本主義に呑まれた所か飲み込んだ奴だ。ビビアンなら何をしても不可解じゃない
さぁ、始めよう。現在の驚異、青の鯨の対処法を」
終