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【結論】俺は冒険者になれない。  作者: 阿野根の作者
第一章☆幼児は今日も考察中
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【幕間】ダンジョンに行きたいけど……置いていかれたは街にでて大ピンチ?

お父様とお兄様は軍学校が長期休みの時に領地に幾つかある枯れた迷宮(ダンジョン)に修行に行くらしい。

俺も~俺も行きたーい。


ダンジョンったら冒険者が入る定番じゃねぇか。


枯れたってことはろくなもんがないだろうけど一度くらい行ってみたい。


「僕も行きたい」

領地に帰る準備をしているお父様とお兄様たちの周りをぴょんぴょんはねた。


午前中だけどお母様はお仕事に行ってるのでいない。

だからおねだりはチャンスなんだ。


乳母はお父様をみながら立ってるだけだけどピピアノも俺と一緒にわたちも〜わたちもーとはねている。


お父様が困った顔をしたので足にしがみついて見上げてみた。


うーんとお父様がうなった。


「ラナはまだだちっちゃいからダメですよね、父上」

リンお兄様が一緒に行くお父様を見た。


今回は子飼いの兵士も半分連れて行くらしく玄関はそこそこの人で溢れている。


「ああ、うちのお姫様を危ない目にあわせたくない」

「父上……ラナは弟ですよ」

ヒルお兄様が俺の頭を撫でながらため息をついた。


大人数だし装備も運ぶので貸し切り高速バスで行くらしい。


車中泊だしラナには無理だよとヒルお兄様が俺に微笑んだ。


「……わかってる」

お父様が今思い出したと言うように俺の頭を気まずそうになでた。


「ちい坊っちゃんは俺が守りますから大将は気をつけて行ってきてください」

ヤイリさんが俺を抱き上げた。

さあ、ちい坊っちゃん行ってらっしゃいしてくださいとヤイリさんにうながされて手を振った。


おみやげ買ってくるからなとお父様とお兄様たちが手を振って兵士たちにも手を振ってたら振り返された。

お父様がさっさとしろと不機嫌そうに兵士をにらむとみんなは荷物をバスの倉庫に運び込んでのりこんでいった。


領地に帰るとかつて竜騎士だったお祖父様がいて楽しい話も聞けるのに……

それにダンジョン〜。


いつか頼りになる息子になって冒険者になってやる〜と心に誓った。


乳母は最後までお父様をみていた。

なんでなんだ?


【結論? 】迷宮はもうちょっと大きくなってからになるのかな?



お父様とお兄様たちと兵士のみんなが領地に帰ってつまんないとごねると乳母が街に出ましょうと珍しく良いことを言った。


「わーい行きたいの」

「まち〜まち〜」

俺とピピアノはぴょんぴょん飛び跳ねた。


「乳母殿……あ~わかったよ、俺が護衛に付きゃいいんだろう」

ヤイリさんが咎めるような目で乳母をみてから跳びはねる俺達をみて額に手を当ててため息をついた。


わーいいずれ冒険者になった時にチートで新製品とか作って売るためにも現地調査必要だよな。

問題は……好きな所を見せてもらえるかかな?


冒険者ギルドとかも行きたいし。


まさか馬車で街を通るだけとか? 

それじゃ嫌だ。


準備してくるとヤイリさんが出ていった。


じゃま……とかなんとか乳母がブツブツ言ってるの聞こえたような……

ま、まあ良いか。



準備ができたと使用人のサシルさんが呼びに来てくれたのでエントランスに出ると開いた扉から自動車が待っているのが見えた。

そういや科学? とファンタジーの融合みたいな世界だったよ。


運転席にはヤイリさんが乗っていて後ろの席にチャイルドシートが2つ設置してあった。


「ちい坊っちゃんとピピちゃんを乗せたら乳母殿は助手席に乗ってくれ」

ヤイリさんがあごでしゃくった。

「……わかりました」

乳母は少し不機嫌そうに俺とピピアノを乗せて自分も言われたように乗った。


窓から見る帝都は石畳は残ってるけど思ったより近代的だけど時々歴史がありそうな建物があって面白かった。


途中で四角い建物に『冒険者ギルド帝都本部』っていう看板を見た時思わず止めてといいそうになった。


あれから勉強が進んでだいぶ文字が読めるようになってきたんだよな、俺ってチート?


はいはい普通ですよ。


当然、そんなやくさな商売と言われてる所には行かず下町も行かずにデパートかショッピングモールみたいなところへ連れて行かれた。


途中何軒か冒険者ギルド帝都第一支部とか第二支部とか見たけどよれなかったのが悔やまれる。


デパート? は広くてファンタジーぽく剣とか帯びてる人もいるけど緊急事態以外戦闘使用禁止の紋章魔法が入り口の天井から売り場までかかってるので戦闘とかはなさそうだ。


やっぱり紋章魔法買いだな、習うのが楽しみだ。


乳母とピピアノが婦人服売り場で服を見ているのを待ちながら俺はヤイリさんのそばに立った。


「ちい坊っちゃんは……やっぱり服とか興味ないよな」

「うん、それに服は動きやすいヒラヒラしてないのがいいの」

Tシャツとかジーパンとかあるかな?


今日の俺は水色のフリフリのブラウスに紺のレース付きボレロに同じくレース付きキュロットだ。

髪は一本三つ編みに紺のレースのリボン……本当にどこの女の子だよ。


「うーん、それは奥様に頼んだほうがいいからちい坊っちゃんは俺と一緒にここの武器屋に行きますかね」

ヤイリさんニヤっと笑った。

武器屋もあるのかよ、もちろん行くに決まってるよ。


俺はニヤニヤしながらヤイリさんに抱きかかえられて地下一階に降りて行った。


乳母とピピアノはまだみたいとのことで婦人服売り場に残った。


地下は武器屋をはじめ小さい商店街みたいになっていた。


デパ地下じゃないんだな。


武器屋はオシャレなショーウィンドーに色々飾られてた。


あのバスタードソードかっこいい〜。

ファルシオンとかショートソードもあるなぁ。


やっぱり剣に目が行くな俺。

だってあこがれじゃないか。


ヤイリさんが店員さんによっていった。

「いらっしゃいませ」

「剣を研ぎに出してたんだが出来てるか? 」

ヤイリさんが紙を渡すと確認いたしますと店員さんは引っ込んでいった。


ファンタジーマネキンが武具をつけて弓をかまえてるのがかっこいい。


「ちい坊っちゃんも男だな」

キラキラと小太刀を見ているとヤイリさんが手にとってくれた。


かっこいい〜かっこいいけど。


「重いの」

「そうだよな」

ヤイリさんは笑って小太刀をかえした。


ちい坊っちゃんは何がいいのかねぇとヤイリさんが陳列棚を見ていると店員さんが細長いものを抱えてきてレジのあるカウンターにおいた。


「出来上がっておりました」

「そうか」

ヤイリさんがカウンターに近づいた。

使い込まれたロングソードがきれいになっておいてあった。

「ドワーフ研ぎでございますね」

「ああ、確かめさせてもらう」

ヤイリさんが俺を床に下ろして鞘から刀身をぬいた。


照明の光で刀身がきらめいた。

こちらで試してくださいと店員さんが紙を渡した。


ヤイリさんはうなづいて紙に刀身を走らせた。

難なく紙が二枚になった。


すげーな柔らかい紙もあんなに綺麗にきれるなんて……。


「満足だ、精算してくれ」

ヤイリさんがにっと笑った。

かしこまりましたと店員さんがレジを操作して値段を告げるのをみながらやっぱり剣士かっこいいと思った。


乳母殿と連絡とって帰るか? とヤイリさんが聞いたのでうなづいた。


駐車場で待ち合わせだ。

ご飯はここから少し離れたイアルダス料理を出すお店に行く予定とヤイリさんが言ってた。


駐車場に行く途中でゆうしゃさまのぼうけんという子供向けの歴史本を買ってもらってわくわくドキドキ走って行ったら、大人の人にうちの車の前でぶつかった。


ヤイリさんは元気いいなと笑いながら後ろからゆっくり歩いてきている。


「おい、クソガキ俺に鼻くそつける気か!! 」

大人の男に謝る前に怒鳴られてびっくりして涙が出た。

「ごめんにゃさいー」

「ゆ、許さねぇーぞ」

男がたじろいだ。


「許さねぇってうちのちい坊っちゃんに何をするつもりだ」

ヤイリさんの冷ややかな声が駐車場にひびいた。

「このクソガキが俺にぶつかったんだぞ!! 」

「俺にはお前の方から当たりに行ったように見えるが? 」

怒鳴る男にたいして冷静にヤイリさんは言い返した。


そうかな?


「ちっうるせー男だが……お前には用はねぇんだよ」

男が俺に手を伸ばそうとして空振りした。

「汚い手でちい坊っちゃんに触るんじゃねぇ」

ヤイリさんが俺を小脇に抱えた。

「て、テメー……やっちまえ」

男が言った途端車の影から武装した連中が三人現れて武器を片手に襲いかかってきた。


「冒険者崩れが四人だと……俺もなめられたもんだ」

ヤイリさんが不敵に笑うと俺にショッピングモールの出入り口まで走れと背中を押した。


うん、俺は邪魔でしかないもんな。

思いっきり走った。


背後で剣戟が聞こえる。

出入り口に乳母がみえた……ピピアノは居ない。


「警備員をよんでなの〜」

俺は思いっきり叫んだ。

「やっぱりあの男邪魔」

乳母が冷ややかな目で遠くを見て俺の腕を掴んだ。

「ヤイリさんが」

「本当にあの女そっくり……」

乳母が俺を嫌悪感を隠さずににらんだ。

「あの女? 」

「オレイアス様の恋人は私だったのに妻に収まったあの女よ」

乳母は艶やかにすら見えるほほ笑みを浮かべた。

も、妄想か? それともピピアノの親父ってお父様?

あったことねぇよな。

「あの女とそっくりの顔をゆがませてちょうだい」

楽にはいかせないわと乳母は俺の首をもったところで後ろから腕を掴まれた。

「虐待か? 」

赤い短い髪のスラリとしたいい男が乳母の腕をねじりあげた。

エウリール神の聖印が首にかかっている。

「うるさい離せ」

「子供に危害加えることは許さない」

男が乳母を壁に押し付け拘束した。


「ティオラ、やり過ぎ」

緑の短い髪のガッチリした男が呆れたように赤い髪の俺くらいの子供を抱き上げたまま止めた。

「子供に危害を加えるやつはこれで充分」

「……警務官に電話する」

ごつい男が言ったところで剣戟がきえた。


「うちのちい坊っちゃんと乳母(従業員)が迷惑をかけた」

すぐ元従業員ってつくだろうけどなとヤイリさんが爽やかに笑った。


その後ろの死屍累々は……みーんなみねうちか……すげーな。


「ちい坊っちゃん……怖がらせてゴメンな」

「無事で良かったの〜」

俺は走っていってヤイリさんにしがみついた。


警務官が来てお話聞かれて散々の外出となった。

ピピアノの父親はヤクザな冒険者で乳母は元貴族の令嬢だったらしい。


真相をヤイリさんからむりやり聞き出した話によるとだ。


モテモテ? のお父様と元乳母は結婚前に本当に付き合ってた。


お母様とお父様が婚約する前にもっと身分の高い男に見初められてお父様を捨てたらしい。

結局、その男に捨てられてお父様に戻ろうとしたらお母様と結婚していて裏切られたと思ったのが最初。


お母様と乳母が神聖帝立オダーウエ学園の同級生で親友もどきだったのが問題だったみたいでライバルみたいに一方的に思ってたらしい。


お母様がお金の力でお父様を無理に買ったとかなんとか錯乱して話にならないみたいだ。


乳母は実家が不正で没落していて戻るに戻れず

お金を稼ぐためにやもえず入った冒険者ギルドの受付で夫と出会い事実婚したけど

すぐに行方不明になって役に立たず

乳飲み子を抱えて困っていた乳母を雇ってもらっていらい虎視眈々と復讐の機会を狙ってたらしい。


そこにダンジョン攻略訓練旅行……

ついでにあの最初の男は運悪く帰っていた

内縁の夫で冒険者崩れでいつもお金がないので

私がジェアサーナ家の奥方におさまれば金をもっと出せるとはした金で協力させてたらしい。


それで俺を儚くさせてお父様とお母様の間にヒビを入れて別れさせ後釜に座って

ピピアノをお兄様たちどっちかの未来のつまにしてジェアサーナ家完全のっとりを企んでいたというのが真相だ


結局、ヤイリさんとあの時のエウリール神殿の人たちのおかげで

俺は無事で野望をくだかれた乳母と冒険者崩れは警務官につかまっていま取り調べ中とのことだ。


ピピアノは迷子センターに預けられてたらしい。

さすがに乳姉弟が儚くなるのは見せられないよな。

今は児童養護施設に預けられてお祖父様お祖母様が迎えに来るのをまってるとのことだ。



俺はさすがにショックで熱を出して寝込んだ。

起きたらもちろん乳母はいなくてピピアノもいなかった。


「私のせいだ、すまん」

お父様が起きた途端かけつけた。

「お父様のせいじゃないの」

「お母様のせいよね」

俺についてくれてたお母様が水分を持ってやって来た。

「お母様のせいでもないの」

俺が二人を見上げると抱きつかれた。


ラナは本当に良い児だとお父様が泣いた。

私が下手に同情したから悪いのとお母様が顔をゆがませた。


「大丈夫なの、僕強くなるの」

ヤイリさんくらい……あのエウリールの聖印を持ってた人くらい強くなってやるんだ。


そういやあの人たちってどこの誰なんだろう?


「えうりーる」

「ティオラ殿たちの件は聞いた……あの方たちがいて助かった」

今度お礼を一緒に言いに行こうとお父様が俺を抱きしめた。


知り合いらしい。

ティオラ殿はエウリールの巫子戦士なんだってさ。


カッコいい〜。

エウリールの巫子戦士は神様に選ばれないとなれないから検討対象にならないけどね。


……というか今更ふるえてきた。

ああ、俺のなんか乳母苦手が悪い方にあたってなんか嫌だ。


でも生きててよかった。

生きてればきっといつか自分にあった戦術が学べるよね。


【結論】命あっての目指せ冒険者だよね。


安全に冒険者を目指す方法をさがすんだ。

読んでいただきありがとうございますヽ(=´▽`=)ノ


エウリールの巫女、神官たちは『ぽっちゃり巫女は看護師さん。』とすこし(かなり? )リンクしております。

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