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【結論】俺は冒険者になれない。  作者: 阿野根の作者
第二章☆児童は今日もお試し中
11/14

【考察】竜騎士

竜騎士は燃えるよなー。

上のヒル兄上がいっててつてがあるから一度

聖竜騎士団行こうかな。


オダーウエ聖竜騎士団は皇宮の広大な敷地の一角に本部をおいている。


聖竜騎士と呼ばれる竜に乗れる騎士と竜騎士だけど竜に選ばれなかった騎士で構成されている。


皇帝陛下直属の騎士団だ。


最近帰ってこなくなったヒルナス兄上に差し入れを持っていく名目で入り込むことにした。


兄上とミドリお姉ちゃんは竜に選ばれているので子育て中でなかなか帰れないんだってさ。


当たり前のようにセシーがついてきた。

ファリシアおばさんが医務室に看護師として勤めてるので勝手知ったる他人の家状態みたいだ。


ヤイリさんもいつもの定位置についてる。


「ヒルナス・オルス・ジェアサーナの家族……」

「いやーん可愛い〜本当にヒル君の妹ちゃん? 」

詰め所に行くと緑の短髪のスラリとした女性騎士が言葉をさえぎった。

「最後まで言わせてやれ……本当に美少女だなぁ」

がたいのいい男性騎士も出てきた。


妹……美少女……兄上、俺のことどうに話してるんだろう?


確かに今日もポニーテールですが……


「ヒル〜妹ちゃん来たわよー」

「タエナ先輩、俺に妹はいませんよ」

俺が訂正する前に女性騎士が叫んで聞き慣れた声がして聖竜騎士の制服をきたヒル兄上がなんか入ってるらしい白い布袋を斜めに背負ってやってきた。


「ヒル兄上」

「先輩、弟です」

ヒル兄上が俺を見てちょっと笑った。


え~弟ちゃん〜見えないー

嘘だろー

とヒル兄上の先輩騎士たちが騒いだ。

ひどいなぁとおもいながらヒル兄上を見ると布袋がモゾモゾ動いて中からちっちゃい竜が顔を出した。


「キュ」

「可愛い〜」

「うん」

ちっちゃい竜がモゾモゾ動いてる。

「今まで良い子だったのにどうしたんだ」

「キューキュー」

ちっちゃいドッチボールくらいの子竜をヒル兄上が袋から出した。

モゾモゾモゾモゾと子竜がこっちに手足とちっちゃいしっぽをうごかした。


「その子、ヒル兄上の? 」

俺とセシーが近づくと子竜がひときわキューキュー鳴いて俺に手を伸ばした。

おい危ないぞと言うヒル兄上の声を聞いた気がしたけど思わず手を握った。


ちっちゃい口をあけて……子竜がペロペロと俺の手を舐めだした。

かわいいなぁ……


「ヒルの竜が……」

「弟ちゃんに」

先輩騎士さん二人が驚いてる?


「弟ちゃん……あらセリカさんとこのセシリアちゃんもいるのね、とりあえず護衛さんも一緒に入ってね」

タエナ騎士さんがて招いた。

赤ちゃん竜が俺の指を両手でつかんで吸い出したのでちょっと歩きづらいけど中に入れてもらった。


詰め所の中には数人の騎士さんと事務員らしき人が机で仕事をしている。


「俺、ちょっと団長探してくるわ」

男性騎士さんが奥の扉を覗いて頭をふって出てきた。

そのまま詰め所を出ていった。

「団長……いつの間に……」

「ついさっきかしら? あらあら可愛い子がそろってるわね〜」

おばちゃん事務員さんが笑った。

「こんにちは、ジェアサーナがいつもお世話になっております」

「こんにちは」

「あら、いいこね、こんにちは、お茶菓子あったかしら〜」

おばちゃんが楽しそうに俺とセシーを撫でて給湯室の方へ歩いていった。

「とりあえずそこに座って」

タエナさんがついたての影の応接セットを示したので俺たちはゾロゾロとついていった。


ソファーに俺とセシーが座ってヤイリさんが後ろに立ついつもの体制で席についた。

向かいの席にタエナさんが腰掛けてヒル兄上は赤ちゃん竜をなだめながら立っている。


「ヒルも護衛さんもうっとうしいから座って」

「は、はい」

「俺はここで」

タエナさんの迫力に動揺して座るヒル兄上と冷静に対応するヤイリさんに経験のちがいをみたぜ。


「それで弟ちゃんはどうしてきたのかしら? 」

「あ、はい差し入れを持ってきました」

タエナさんの迫力にたじろぎながらヤイリさんを見上げるとヤイリさんが背負っていたリュックから箱を二つ出した。


一つには美味しい保存食、お手軽バージョンと通常バージョンを入れてある。


ホワイトシチューとトマトシチューキューブは通常通りデンプン粉で作ったオブラート状のモンでつつんである。

肉は後入れように鶏肉と豚肉と牛肉の干し肉を入れてみた。


飯キューブも多めに入れたし。

朝用にミルクスープとコンソメスープの素の美味しい保存食も作ってみた。


お手軽バージョンはステック状の醤油焼きおにぎりと味噌焼きおにぎりにしてみた。


こっちはワックス紙みたいな紙に紋章魔法を描いたので確実に紙を剥かないといけない。


「こちらは皆さんでどうぞ」

もう一つにはステックマフィンみたいな焼き菓子を皆さんでどうぞとおにぎりと同じ保存紋章魔法紙に包んで沢山作ってきた。


ちなみにヤイリさんのリュックも紋章魔法で空間拡張の刺繍を施してあってけっこう入る。


ちなみに美味しい保存食とか材料は今んとこお菓子とか食べ物系はうちの厨房から確保していいとお母様から許可もらってる。


その他のもんもお役立ちグッズのみうちの私兵軍から開発費出てるんだよね。


最初の試作品はお小遣いからだけど、下級貴族だけど裕福だし俺がそういうことしてるのお母様知ってるから領収書さえ出せばきちんとかえってくるんだ。


それに最近、ゴエルティノ大神殿からも開発費出るようになったしね。


むしろきちんと自分で使ってるか心配される。


「あら美味しそう、ありがとうね」

「かなり持つと思うのですが紙をむいてお召し上がりください」

俺はお菓子をすすめた。

紙を剥いて一口食べて美味しいわね〜……もつ? と小首をかしげたタエナさんは妙に可愛く笑えた。

「これがあれか『美味しい保存食』」

ヒル兄上が興味ぶかそうにつまみあげたので食べ方を説明した。

「あら、そっちも面白そうね」

タエナさんが興味深そうに見たところでヒル兄上の袋から子竜が転がり出た。


「キューキューキューキュー」

必死でこちらにはってきているのをヒル兄上が抱き上げた。

手足をジタバタしている。

「ヒル、弟ちゃんに渡してあげて」

「噛まれたら」

「平気よ、次席再生巫女がいるわ」

タエナさんがちらっとセシーをみた。

「俺のお姫様を傷つけるな」

セシーがタエナさんをにらんだ。

あら、怖いわねとタエナさんは笑ってる。

二人が睨み合ってる間にもチビ子竜はこっちに来ようと手足としっぽをジタバタしている、ヒル兄上がため息をついて俺に子竜を渡した。


噛まれる?


チビ子竜は俺の腕の中でピスピスと甘えるように鼻を鳴らしてすり寄ってきた。


「……やっぱりね、ねぇ大っきい竜見たくない? 」

「あら、竜舎にいくの? 」

絶妙なタイミングでおばちゃんがお茶とお菓子を持ってきた。

「大っきい竜〜みたいぜ、行こうラナ」

セシーが俺の腕を引いた。

ピスピス鼻を鳴らしてる子竜が口を大きく開いてセシーを威嚇した。

でも乗れるほど大きい竜……見たいぜ。

「見たいです」

「じゃ、早速いきましょう」

ヒルは子竜を受け取ってちょうだいとタナエさんが立ち上がった。


はいとヒル兄上が手を出したので子竜を引き渡すとしがみつかれた。

でもなんとか引き渡すと子竜はすねて袋の奥底に潜り込んだ。


その様子をタナエさんが興味深そうに見てる。

何なんだろう?



詰め所からでてすぐのところに竜舎がある。

その向こうに修練場があって訓練着の騎士たちが走り込んでるのが見えた。


竜も数匹出ていてパートナーと訓練をしているのを見ながら広大な竜舎の中に入った。


「タナエ小隊長」

竜舎の飼育員が敬礼した。

「お疲れ様、子供たちと見学に来たわ」

「ああ、セシリアちゃんと……こっちの美少女は本当にタナエ小隊長の子供ですか? 」

飼育員さんの言葉にどういうことよ〜とタナエさんが叫んだ。

「ポルラさん、俺の弟です」

ヒル兄上が俺の頭を下げさせた。

「ヒル君の妹……弟さんかぁ」

「騎竜を見せてあげてちょうだい」

それにこんなおっきい子いないわよ〜とタナエさんが抗議した。

「へーへー、君たち注意事項がひとつあるよ……竜に手を出さないこと」

喰われるよ〜とポルラさんが指を振った。


喰われるんだ。


竜舎は高い天井と適温を保たれていて檻の中には敷き藁がしきつめられている。


大きな竜がつまらなそうに寝てたり後ろ足で掻いたりしてるのが見えた。


あれに乗って戦うのか〜

燃えるぜー竜騎士ー。


俺が見てると竜たちがぴくっと耳を立てた。

起き上がってこちらによってきた。


「キューキュー」

「がぅぅぅーん」

「ぴすぴすぴす」

「くぅーん」

「キュルルル」

恐ろしい勢いで檻に鼻面をつっこんでる。


「……こりゃ……いったい……」

竜の愛子(りゅうのいとしご)だと思うわ」

タナエさんが腕組みをした。

ありゃりゃ……こりゃりゃ、檻が壊れるわ〜

ポルラさんが慌ててふわふわのついた棒を持ち出した。

「でかいのー落ち着け〜」

棒の先のふわふわを振るとキラキラした粉が振りまかれる。


「きぃー」

「キュワー」

「ぴすぴすぴすぴすぴす」

「キュ」

ちょっと落ち着いてきた竜たちがやっぱり俺を見てる。


「手を出してみなさい」

「お、おいタナエ小隊長」

とがめだてるポルラさんきにせずにタナエさんが指差した先に巨大な竜がうるうるした目で俺をみている。


なんかかわいいと思って手を差し出すと大きいベロで手一面をなめられた。


「クルルルー」

隣の子も鳴きながらガシガシと前足で檻を掻いた。

おもわずそちらに頭をやると額をなめられた。


「さすが、俺のお姫様だな」

「ちい坊っちゃん……あんまり危ないことすると大将が……」

セシーとヤイリさんの言葉に息を殺して見守っていた竜騎士たちと飼育員が動きを取り戻した。

「ん、思ったとおりよね、弟ちゃん、お名前は? 」

「ラナテス・アゴラ・ジェアサーナ、10歳です」

タナエさんの迫力ある問いかけにおもわず歳までこたえちまった。

「ラナテス君、将来竜関係のお仕事につくつもりはないかしら、例えば竜騎士とか」

「先輩、ラナは」

「いいですねぇ」

竜騎士になってセシーを乗せて大空を飛ぶ俺……


あれ……なんか忘れてるような。


小首をかしげたところで外が騒がしくなった。


わ~ちょっと落ちるわよ〜こらー

ま、まて早すぎるぞ。

暴動か? おい。

修練場の方からなんか声と音がする。


軽やかにドタドタと速やかになにかが近づいてくる。


「がぅ~」

「キュルルル〜」

「ピイー」

タナエさんとヒル兄上、飼育員さんが固まってる。

背後の巨大な何かがいる。


「ラナ、なんかすごいことになってるぞ」

先に振り返ったセシーが俺の肩を叩いた。

ヤイリさんが警戒してるのがわかった。


恐る恐る後ろを見ると驚きの光景が広がっていた。


修練場に沢山の竜がいた。


どの竜も俺の方を見ている。


「どういうことなの? 」

俺は思わずヤイリさんの後ろに隠れた。

竜舎と違って放し飼い? だし少し怖い。


横から羽音がしてなんかぶつかってきた。


「ミーアだめだよ〜」

俺の頭になんか重いもんがしがみついた。

な、何なんだ?


それにあの声聞き覚えが……


「ミドリの子竜までか……初めて見た竜の愛し子」

送りから出てきた右手を革の防具で覆った男性が頬をかいた。

ミドリお姉ちゃんが息切れしてその横に立っている。


首元になんかパタパタ振ってるのがあたった。


「また赤ちゃん竜だぁ」

「ミーア、かじっちゃダメだからね〜」

セシーが手を出したのとミドリお姉ちゃんが声をかけたのと同時に重いのが前に回ってバシっとセシーのてをしっぽで叩いた。


水色の綺麗な子竜がしっぽでバシバシしながら俺を見てのどを鳴らしている。

セシーは痛いと涙目だ。


「何事だ」

中年のがたいのいい美丈夫が皇宮の方から足早にやって来た。

「団長、竜の愛し子です」

タナエさんがびしっと敬礼して報告した。

「竜の暴走でなくか? 」

「お確かめください、皆甘えています」

キューキューと泣く多数の竜に騎士のお姉さんが目線を向けた。

団長さんがあたりを見回した。


「誰がだ? 君か? 」

団長さんが頭にしがみつく赤ちゃん竜を見た。

俺は小首をかしげた。

「団長〜そこにいたんですねー竜がぁ〜」

騎士のお兄さんが竜を避けながら修練場をかけてくる。

その間もバサバサという羽音と共に次々と竜が降りてきてこちらに近づいてきようとしている。

「ラーナス、どうしたんだ」

ヒル兄上が慌てた声がしてみると赤ちゃん竜が袋の縁に立って飛ぼうとしてぽてっと落ちた。

そのままにじにじと這ってこっちに来ようとしてヒル兄上に捕まってジタバタしてる。


「……まさに竜の愛子……竜騎士となるべく生まれた娘さんだなぁ」

団長が腕組みして首をひねった。


ついに俺にもチートがぁ〜

待ってろよ〜ハーレム〜……いやそれはいいんだが。


竜騎士って燃えるよなぁ。


とりあえず乗ってみるか? と団長に言われた俺は思いっきりうなづいた。


団長はすぐに準備するように飼育員さんに伝えた。



大きい青緑の鱗の竜にハーネスがつけられる。

団長が自分と俺にもハーネスをつけてキュルルルキュルルルと甘えて伏せした竜に固定した。


竜の翼が風をはらみ空にと飛び立った。


「うわーん、怖いのー」

「お、おい」

数分後俺は大泣きしていた。

忘れてた〜俺、高所恐怖症だったー。


外界がくるくる回る……こわい、怖いのー。


嫌なのーとなき果ては気が遠くなってきた。


気がつくと地上で俺は聖騎士団の医務室で赤ちゃん竜によりそわれて心配そうなヒル兄上とセシーとヤイリさんとタナエさんと団長さんに付き添われてた。


「なるほど……高所恐怖症なのね、残念だわ」

「まあ、また遊びに来なさい」

空は気持ちいいのにとタナエさんと団長さんに同情された。


【結論】俺は竜騎士に向かない。


せっかく、竜に好かれるチートがあるのにー。

竜騎士燃えるのに〜残念すぎる〜。


高所恐怖症って前世からなんだよな。

なんとかなんないのかな〜

読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

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