第四話「新木新」
「さあ、本気でオルトン・クレイスチャーナーが欲しければその子達を殺してみろ」
僕の名前は新木新
突然だった。
僕の目の前に神が現れたのは。
そして神は僕にこう告げた。
”私を殺そうとしているものがいる。その者たちを止めて欲しい”と。
僕には力が与えられた。
僕は知りたい相手のあらゆる情報を知り得る力を手に入れた。
その力は相手の細かいところ全てを知り得る力だった。
「どういうつもりだ? 新木!? これでは人質は!?」
「安心してください。彼にあの子たちは殺せません」
僕には分かるんだよ高根勝。
君の全てがね。
フフフ。
くっ。
正気か警察どもは。
俺にできるはずがない。
純粋な子供たちを殺すことなど。
ここは一旦手を引くしかない。
<ニュースです。人質が解放されました。しかし、犯人の行方は一体どこへ行ったのでしょう? 保育士たちに話を聞くところによると犯人は突然現れては突然姿を消したようです>
「どういうことだ!? アルファート」
「どう? というと?」
「なぜ俺の名前を知っている者がいる!?」
「言ってなかったか?」
「何をだ」
「私たちの敵は創造神だ」
「ああ」
「その創造神が黙って私たちの行動を見過ごすとでも思うのか?」
「それは……」
「創造神を倒すにはそれらの敵も乗り越えなければならない」
……。
浅はかだった。
これだけの力があれば創造神なんて余裕で倒せると思った。
これからどうしたらいいだろう?
創造神のことだ。
敵は一人だけってことはないだろう。
もしかしたら俺を消すために、また新たな敵がやってくるのかもしれない。
邪神の力ですらこれだけ強いのだ。
創造神の力ともなると……。
「なあアルファート」
「なんだ?」
「俺たち本当に創造神を倒せるのか?」
「難しいだろうな」
「それじゃあ諦めるのか」
「馬鹿を言え。私がお前に力を授けたということは、お前に期待しているからなのだよ」
「俺に?」
「ああ」
期待していると言われてもな。
だがここまで来た以上、俺は進むしかない。
幸福な……世界のために……。
「…………見つけた」