秋分の日
「そっか、今日は秋分の日だったね」
高校2年で、双子の姉である井野嶽桜が、双子の弟の幌に、テレビを見ながらつぶやいた。
「今年は土曜日だから、あまり祝日って感じはしないけどな」
「でも、祝日なんだよね~」
そういって、テレビを適当にザッピングを桜は始めた。
「そういえば、今年は珍しい年だって知ってた?」
幌が桜に聞く。
「そうなの?」
「そうさ、なにせ、秋分の日が116年ぶりに22日になるんだからな」
「へぇ~」
それがどうかしたのかと言った感じで、テレビをじっと見つめる桜。
その視線の先には、有名パティシエが作ったというケーキの話をしていた。
「…明日にでも作ってやるよ」
「わーい」
ため息をついて、幌が言うと、桜は大喜びをしていた。