表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『崖っぷちギャル、赤子に転生! 〜鑑定スキルで家族を最強プロデュースして、自分は魔法で天下取る〜』  作者: 沼口ちるの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/26

第4話:お姉ちゃん、プロデュース開始!

 【鑑定の儀】から数日。  アークライト家のお屋敷は、なんだかどんよりした空気に包まれていた。


 無理もない。  パパがあんなに期待してた私が「精霊魔法適性ナシ」の無属性だったんだもん。  パパはあれから、書斎にこもって古い文献を読み漁ってる。たぶん、鑑定の間違いを探そうとしてるんだろうな……。


 でも、その間もお姉ちゃんのフェリスは、一人で庭で練習を続けてた。   「……やっぱり、私じゃダメなのかな。精霊さんの声、あんまり聞こえないや」


 ポツリとこぼれたお姉ちゃんの独り言。  練習用の標的に向けて放たれた火の玉は、パパが放つような鋭い弾丸じゃなくて、ボフッていう頼りない煙を上げて消えちゃった。


 ……あー、もう! マジで見てらんない!  お姉ちゃん、それ「飛ばそう」とするからダメなんだってば。


 私は乳母車の中から、必死に手を伸ばした。   「あぅ! あぅー!」


「レナ? どうしたの、お外に出たいの?」


 お姉ちゃんが私を抱き上げてくれる。……よし、チャンス。  私はお姉ちゃんの腕の中で、彼女の魔力の流れを【鑑定】でじっくり見つめた。


【現状:魔力を無理に『形(弾丸)』に固めようとして、精霊の自由な動きを邪魔している。お姉ちゃんの魔力は、固めるんじゃなくて『広げる』ほうが、本来の力を発揮できる】


 なるほどね。パパたちの「鋭い攻撃」っていう伝統に縛られてるのが、お姉ちゃんには一番合ってないわけだ。    その時、パパが疲れ切った顔で庭に現れた。


「……フェリス、まだやっているのか。根気は認めるが、伝統的な術式がその程度では、やはりアークライトの看板を背負わせるには……」


 パパの言葉に、お姉ちゃんがビクッと肩を揺らす。    今だ! 私はお姉ちゃんの胸元で、精一杯の「あぅー!」を叫んだ。  そして、お姉ちゃんの魔力が溜まっている右手を、私の小さな手でグイッと横になぎ払うように動かした。


「あー! ぱぁー!」


「えっ、レナ? ――あわわっ!?」


 私の動きにつられて、お姉ちゃんが思わず溜めていた魔力を「横」に放出した。  すると――。


 ボフッなんて音じゃない。  庭一帯に、キラキラした光の粉がふわぁぁっと広がったかと思うと、一瞬で辺りの気温が跳ね上がった。  それは弾丸じゃなくて、温かな、でも圧倒的な熱量を持った「光の波」だった。


「…………なんだ、今の魔法は」


 パパが目を見開いて固まった。  お姉ちゃん自身も、自分の手を見つめて固まってる。


「攻撃力は低い……だが、この範囲、そして精霊たちの密度の高さ。……フェリス、お前、今何を意識した?」


「……えっと、レナが手を動かしたから、つい……。固めるんじゃなくて、広げるような……」


 パパは無言で、お姉ちゃんと、その腕の中にいる私を交互に見た。    そうだよ、パパ。  お姉ちゃんはパパと同じ「剣」にはなれないかもしれない。  でも、戦場全体を包み込むような「太陽」にはなれるんだって!


「……私は、自分のやり方を押し付けすぎていたのかもしれないな。フェリス。お前には、私とは違う精霊との向き合い方があるようだ」


 パパの声に、さっきまでのトゲが消えていた。  パパはお姉ちゃんの頭を優しく撫でて、少しだけ笑った。


「明日、新しい家庭教師を呼ぼう。伝統に縛られない、精霊術の研究者を。……レナ、お前の『直感』には、何か教えられることが多いな」


 パパが私の鼻をツンと突く。    あぅ! マジでそれ正解!  お姉ちゃんが覚醒すれば、アークライト家は安泰だし、私はその横でぬくぬく末っ子ライフを満喫できる。


 崖っぷちギャルのプロデュース第1弾、大成功っしょ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ