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『崖っぷちギャル、赤子に転生! 〜鑑定スキルで家族を最強プロデュースして、自分は魔法で天下取る〜』  作者: 沼口ちるの


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第11話:序列1位の放課後プロデュース

 エドワード王子を壁の装飾に変えてから一夜。  教室に入ると、空気がマジで一変してた。  私と目が合うだけで全員が「ひっ」て顔をして道をあける。……うん、これはこれでやりづらいんだけど。


 私は一番後ろの席にどっしり座り、マカロンを齧りながら、目の前でモジモジしてる二人を見上げた。  重力使いのカイトと、毒使いのミーナだ。


「……あの、レナ様」 「なーに? 昨日の続き、やりたい感じ?」


「い、いえ! 昨日の……あの魔力の密度を見て、確信しました。貴女なら、僕たちの『詰まり』が分かるんじゃないかって……」


 カイトが必死な顔で訴えてくる。  ……ふーん。こいつら、意外と察しがいいじゃん。  私は【鑑定眼】を全開にして、二人をスキャンした。


「カイト、あんた。重力魔法を『押さえつける力』だと思ってない? 魔力の流れが下向きに固定されすぎて、足元の地面ばっかり固めてんじゃん。マジでコスパ悪いよ」


「え……? でも、重力とはそういうもので……」


「逆っしょ。重力は『引き寄せる力』。あんたの中に中心点センターを作って、周りの魔力を全部自分に抱き込ませるイメージでやってみな。ほら、指先一点に集中」


 カイトが半信半疑で、私の指示通りに魔力を一点に集める。  すると、今までの「地面が割れるだけの無駄な重力」が消え、彼の指先に漆黒の極小球体が現れた。  その瞬間、教室中のプリントやペンが、ブラックホールみたいに吸い込まれていく。


「……っ!? 魔力の消費が、さっきまでの10分の1……なのに、強度は数倍……!」


「次、ミーナ。あんたの毒、ただの『汚い霧』になってる。精霊の力を混ぜすぎて、毒の成分が薄まってんだよね。いっそ精霊に頼るの、やめたら?」


「えっ……精霊魔法の家系なのに、それを捨てるの……?」


「あんたの魔力自体がもう、毒そのものなの。混ぜ物は不純物。純粋な魔力を『浸透』させるイメージ。霧じゃなくて、針みたいに細く、鋭くして飛ばすの」


 ミーナがおそるおそる、私の言った通りに紫の魔力を針のように練り上げた。  それを練習用のダミーに向かって放つと――ボフンッ! という音すらなく、ダミーが瞬時にドロドロの液体に溶け落ちた。


「…………。私、今まで何を……」


 二人は自分の手を見つめて震えている。    ……よし、開花完了。  お兄ちゃんたちの時もそうだけど、天才ってのは「思い込み」を外してやるだけで、勝手に爆発するんだよね。


 その様子を、壁際で悔しそうに見ていたのは……包帯ぐるぐる巻きで復活したエドワード王子だ。


「レナ・アークライト……! 貴様、僕の取り巻きまで手なずける気か!」


「あ、王子。起きたんだ。あんたの光魔法も、実は『熱』じゃなくて『屈折』に全振りすれば、レーザーみたいに何でも切れるようになるんだけど……。まあ、プライド高い王子様には、私の教えなんて必要ないよね?」


「なっ……!? ……ま、待て。……詳しく教えろ。屈折とはどういうことだ!」


 ……結局、食いつくんかい。    気がつけば、小等部の「問題児クラス」が、私の周りに集まって「レナ様、次は私を!」って列を作ってる状態。    あれ? これ、序列1位っていうか、完全に「裏の番長プロデューサー」になってない?  隠居ライフへの道のり、もはや宇宙の彼方まで飛んでった気がするんだけど!

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