邪魔眼 開眼!
ニャニャーン神聖帝国の第12哨戒艦隊はルーポニャック星系で
大規模宇宙海賊船団と遭遇した。
第12哨戒艦隊は小規模艦隊であるため、敵宇宙海賊団の方が艦隊戦力は勝っているように思われた。
提督ムツキが額を押さえて吼える。
「くっ敵の方が艦隊力は上か!
やや不利だな。こんな時に私の第3の眼、邪鬼眼が閉じてしまっているとは・・・。
この邪気眼さえ開ききればあんな奴ら一隻残らず宇宙の塵にしてやるものを。そうは思わないか?」
敵戦力を分析中で提督の戯言をほとんど聞いていない副官のカンナヅキは、
いつもの提督の口上に対して冷静に返す。
「はーい・・そうですねー宇宙の塵ですー(棒読み)」
情報部門からの敵情報を盤上の宙域図と割り当ててカンナヅキは作戦を練っていた。
「・・・。(確かに少々不利ですね。応援を呼ぶしかなさそうです。)」
そんな中踊るようにムツキが前髪を掻き上げた後、再度叫ぶ。
「むむ・・額がうずく・・。まっまさか!これは邪鬼眼が開眼したか!?」
カンナヅキが冷たい目でちらっとムツキの様子を確認したあと、再び
盤上に視線を落とした。可哀想なので返事をしてあげる。
「はいはい・・邪魔眼は開いてませんよー。
そんなことより邪魔しないでください。
今戦力詳細分析中です。邪魔眼じゃなくて邪魔です。」
真剣な眼差しでムツキはカンナヅキを指さした!
「こら!邪魔眼じゃなくて邪気眼だ!いい加減覚えろ、馬鹿者!」
カンナヅキの眉間の血管がピクピクと震えた。
「お前がなー!だから邪魔だっつーの!」
このやり取りを面白がって、艦橋の誰もが二人を止めようとしない。
また次回繰り返されるだろう。




