頭使えなくても異世界で魔王討伐くらいいけるっしょ!
序章 異世界転生 あらゆる人間やモンスターたちが暮らす町、「ルオソム」。
そこに暮らす青年、クラフトは16歳の誕生日を迎えようとしていた。
「もうお主がここに来て3年経つのか」クラフトの家族の1人であり、モンスター族のオルクスが言った
3年前
「ようこそ、死後の世界へ」見知らぬ女がそう言った。
思わず俺は「ここ、どこ?」と言っていた。
女は続けて「あなたは先程、不幸にもなくなったのです。」
ああ、確かにそうだった気がする。
筋トレが唯一の趣味な俺は毎日欠かさず筋トレを死ぬほど行っていた。
そんな中、腕立てのときに死ぬほどキツくて力んでたら何かが切れる感覚とともに、意識が薄くなっていって、気づいたらここに立っていた。
「ここは死後の世界、若くして亡くなった人々を次のステップへ導く場所です」
「…と、言いますと?」「あなたにはこれから異世界へと転生し、そこで魔王討伐のための英雄候補として頑張ってもらいます。」女は言った
おいおい、マジか。そんな面倒そうなことやりたくねえぞ。
まあでも、筋トレをしていたおかげか体は年齢に見合わない体つきにはなっているから、この力を試して見たいし、いっか。
そんなこと思っていると、女は続けた。
「転生するにあたり、ご自身のパラメーターをある程度設定してもらいます。自身の元々の力に加え、レベルが上がるごとに成長していくものを決めてもらいたいと思っております」
なるほど、そんなシステムがあるのか。
空中に照らし出されたモニターには自分の素の能力が映し出されていた。
HP80、ちから200、防御160、素早さ140、魔力0。
0?!
ウソですやん、まあ元々勉強はからっきし出来なくてもっぱら体育会系だったけどこんな事ある?
「………」
女も必死に笑いを堪えている。なんかすんごいムカつく。
「コホン、ではあなたにはこれから能力を振り分けてもらいます。先ほどの5つの項目から好きなものを選んでください。ちなみに、0だったり素質のないものはどれほど割り振っても意味はありません。」
くそが
うーんどうしようか、魔法を使う道は完全に断たれたし、ならいっそのこと自信のあるちからに全振りするか、よくよく考えてみたら、頭使いながら戦闘とか無理だわ、俺
「決ーめた」手にしていたスキルポイント100をすべてちからに割り振った。
「えっ?いいんですか?!普通の人は満遍なく割り振るのに、大丈夫ですか?」
「俺はこれでいい」ちからが高い防御力紙切れみたいなステータスでもいいんだ、ゲームなんかはいつもそうだったし。
女は困惑しながら答えた「は、はあ、まあちからのステータスが上がりやすくなってるので、頑張ってください」
「魔王討伐を果たして、向こうで英雄になった暁には、我々天使協会からありがた〜いおくりものをさずけますので」
うさんくさ。
「えー、では、これからの異世界生活楽しんで!行ってらっしゃーーーい!!!」
女がそういうと俺の足元にあった魔法陣が光出して、淡い光に包まれた。
「俺のこれからの生活、どうなるんだろ」
現在
「あれからもう3年かー」
この世界に転生した初日、味方もおらず、行くあてもない俺は、とりあえず日銭を稼ぐために仕事探しに出た。
しかし、力にしか取り柄がない俺は、ろくに働き口が見つからず、2日ほど何も食えず、ぶっ倒れていた所を、通りかかったオルクスに助けられ、保護されたのだ。
「大斧を持ったドラゴンに連れていかれたもんだから、最初は超ビビったよ」
そもそも転生する前は日本に住んでいたからドラゴンやモンスターの類なんておとぎ話のなかだけの話だと思っていた。
日本と異世界の価値観というものは色々と違い、元の世界から無理やり変えたものもあった。この「クラフト」という名前も、ここの世界に来る時に元々の名前じゃ何かと都合が悪いからつけた偽名だ。
さて、今日は俺の誕生日、そして俺は16歳になる。
この世界では、冒険者としてギルドに登録し、クエストを受けるなどをすることが出来るのは、16歳になってからなのだ。
待ちわびたぜ!
「ようやく俺がこの世界で活躍できる!」
冒険者登録をするのは明日からだから今日は早いうちに寝ておきましょ。
せっかくならパーティーを組んで魔王でも倒してやるんや!
高火力な前衛の俺、サポート上手な魔法使い、頼りになる回復役。
そんな味方と出会って、甘酸っぱい恋をして……
そんな期待を胸に眠りについた。
初のなろう投稿としての記念すべき1作目。
こっからも頑張るぞー