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柿ピーの悪魔

作者: 京本葉一

 我、心の闇よりあらわれん。

 お前たち人間が悪魔と呼び恐れるもの。

 人間の欲望を満たすものなり。

 さあ、どんな願いでも一つだけ叶えてやろう。


「柿ピーが無限に湧いてくる器が欲しい」


 ほう、そんな願いでいいのか?

 やろうとおもえばできるが、一日百円くらいで実現できそうな欲望だぞ?

 それでいいのか?


「いまちょうど柿ピーが食べたい気分なんで」


 無限といっても小袋二つ分くらいで満足するだろう?

 叶えた欲望にふさわしい寿命をいただくのが悪魔の契約スタイルなんでな。

 もっとこう、使いきれぬほどの大金とか、どうだ?


「お金ならある。投資リターンもいい感じなんで、もういいかな」


 健康な肉体はどうだ?

 若返ることもできるぞ?


「年齢をかさねるほどモテるタイプなんで」


 根拠のない自信がすごいな。


「大人の魅力……そう、大人になってわかることもある。子どものころはピーナッツなんてべつにいらないとおもっていた」


 その微苦笑はなんだ?

 いまの回想で貴様になにが起こった?


「バランスが大事だと、大人になればわかる」


 そうだ、何事もバランスだ。

 柿ピーとバランスのとれた寿命などいらん。

 契約したくない。


「しかし、大人になれば誰だって、一度や二度は願うものだろう?」


 柿ピーが無限に湧いてくる器を?


「柿ピーが無限に湧いてくる器を」


 だとしても第一候補ではないよな?

 もっといろいろあるよな?


「落ち着いて考えるがいい。多くのものが求めるであろう夢のアイテムだ。それを創りだすことができたのなら、あんたは柿ピーの悪魔として永遠にその名を尊ばれ……なぜ消える……そうか、ポテチのほうがよかったか」

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