ブラウザバックに感謝するアクセス解析法<マゾ向け>
底辺は感想を貰えず悲しみを背負っている。皆そうだ。私もそうだ。どうすれば作品が読者に親しまれるようになるのか、コレガワカラナイ。
感想が貰えないという重苦に悶え苦しみながら、己の限界を感じ、悩み抜いた結果、私が至った結論は、感謝だった。
一日一回、感謝のアクセス解析。
息を整え、小説情報を開き、拝み、祈り、アクセス解析をポチる。
この一連の流れを終えるまでに大よそ5秒から6秒。
部分別評価を眺めて2日前のユニークユーザーの情報を見る。
以前はユニークユーザーを100人集めるのに、2週間を費やした。
次話投稿を終えれば死んだように眠る。
起きてはスマホから小説情報をチラ見するのを繰り返す日々。
文字数が10万字を超えた頃、異変に気付く。
投降から1時間経ってもPVが0になっていない。
ブックマーク50を超えて完全に羽化する。
感謝のアクセス解析、日に10回を超える!
代わりに、作品を改稿する時間が増えた。
気分転換でクソエッセイを投稿した時、私のクソエッセイは、今まで頑張って書いてきた長編小説の総合評価を置き去りにした。
そこには悲しみだけが残った。
ブラウザバックして下さり真に感謝致します。読者様のブラウザバック一つが私のような底辺の糧と成ります。
……ふぅ。真面目にやるか……
私のような底辺ギャグ使いは作品を投稿する際にはいつも戦々恐々としている。何故か、長編でギャグを一発滑らせると読者が一気に去ってしまうからだ。会心のネタのつもりで書いたギャグを投稿した翌日には、ブックマークが剥がされている何てことは日常茶飯事である。
長編を20話続けて読んで下さった読者様が冷めてブラウザバックしていく瞬間、それは私のような底辺ギャグ使いには耐えがたい業苦となって襲い掛かるのです。
ですが、そのブラウザバックこそが、今の私の糧となっている。それは何故か……。
滑ってるギャグが分かるからである。
読者様のして下さる最も正直な感想とは何か。それは評価点でもブックマークでもレビューでも感想ですらもない。
ブラウザバックである。
無言の退室こそが金言である。それこそが作者に気づきを与えてくれるモノである。まず、最初のブラウザバックとはあらすじブラウザバックがある。ユニークユーザーとPVが一つだけ加算され、冒頭の一話すらも読まれずに読者が退室していく瞬間だ。
つまり、てめぇの作品は1話すら見る価値もない塵屑だ! もしくは、アクセス解析や感想見たろ! くらいの読者様のお言葉である。これが私の作品において8割強を占める。あらすじとタイトルに全く魅力がない作品程、この割合は高まるのだ。
この数値が極端に高い場合はタイトルやあらすじの変更を検討するといいかもしれない。
次に多いブラウザバックは1話及び3話切りである。プロローグ及び1~2話を見てから去る瞬間だ。
これは、読者様が想像と違った本を手に取ってしまった時、そっと本棚に戻す行為と同じである。読者と作品のマッチングが上手くいっていない時にこの現象が起こる。
タグやジャンル詐欺、あまりにも文章能力が欠落している場合、ここでブラウザバックされる事になる。ちなみに私の場合、3話で読者の3割強が脱落する。結構酷いな! この辺りは無視するのはよくないが許容してもいい範疇だろう。
そこから数話進めても尚もゴリゴリと部別ユニークが減っていくなら考える。でなければ不適切なタイトルとあらすじを改めた方が読者にとっても有難い。
そして、ここからが重要だ。10話以上読み進めて下さった読者様がブラウザバックしていく瞬間である。ここまで読んだ読者様は作品とのマッチングにも成功しており、本腰を入れて読み進めている状態である。
つまり、最新話まで読み進めて下さる可能性のある読者様であると言えるのだ。そんな読者様が冷める瞬間に行われるブラウザバックがこれだ。
部分別ユニークで読者様が減った話のその一話前には、読者様が離れる理由があるのです。例えば、作風を崩壊させるようなクソつまらない低俗なギャグを悪ノリで放ったり、キャラクターが崩壊して魅力が激減するような出来事が起こっていたり、あまりにもだらだらとしたマンネリ展開を続けて居たりするわけです。
つまり、改稿するべき地雷や魔物が潜んでいる場所なのである。
後半まで読み進めてくれた読者が脱落する瞬間、それは何となく作者にも心当たりがあったりするものである。そこを直してみるとどうか、2章で3割程が脱落してきた読者様達が3章まで一人も脱落せずについて来るようになったのだ。
これは感無量である。プロットレベルの修正、大よそ8万字くらいをゴッソリと入れ替えた甲斐があったというものである。
……それくらいギャグが滑るとダメージがでかいのである。
また、2章で脱落者が出なくなった分、3章で新しい脱落者が目立ってくるようになる。
……あとはお分り頂けるだろう。
3章の地雷を撤去する作業が始まるのだ。
そうして最新話まで、誰一人として欠けないように改稿を重ねていく事。それが感謝のアクセス解析法である。
重ね重ね読者様には御礼申し上げます。ブラウザバックして下さり真に感謝致します。読者様のブラウザバック一つが私のような底辺の糧となります。
底辺には底辺の楽しみ方がある。
第一話を読み始めた読者様が最新話までどれだけ残るか、
それを糧に作品を研ぎ続ければいずれは結果が見えてくるかもしれない。
10人が第一話を読み始め、100話まで10人残ったらどうなるだろうか。
ブックマークが3人程増えるのである。
感想が一切来なくても、こういう楽しみ方ができるぞ!
逆に言ってしまえば、
最新話までに読者様が全滅するような作品は根本的な修正が必要だ。