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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【裏話】湖宵とホモる (ド直球) 高校生活
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裏12話 ワクワク☆修学旅行① ※但しワクワクしすぎに注意 高二 二学期

 月日は流れ、天高く馬肥ゆる秋。


 高校生活最大のイベントが遂にやって来た! 


 その最強イベントとは、京都·奈良を舞台に繰り広げられる、笑いあり涙ありのめくるめく4泊5日の旅路……。


 言わずもがな! 修学旅行だぁ~っ♪


 行き先を初めて聞いた時には、クラスの皆から 「定番過ぎて面白みに欠ける」 とか 「せっかくの機会なんだから海外に行ってみたかった」 というネガティブな意見が上がった。

 わかる! オレも同じ気持ちだった。


 だけど行く時期が紅葉のシーズンだとわかると、打って変わって皆から歓声が上がった。

 凄い掌返しだ。でもわかる! オレも諸手を挙げて大喜びしたクチだ。何といっても秋の京都のプレミアム感は凄いからね。


 海外旅行も捨てがたい魅力があるが、秋の京 ・ 奈良の魅力も全く引けを取らない。世界に誇れる日本の美しさというものが存在するからだ。

 紅葉に彩られた街並みや歴史的建造物。息を呑む程に美しい自然。オリエンタルビューティー!

 

 物語の舞台の様なその光景に自分が、そして湖宵が立っている姿を思い浮かべると思わずほう、と溜め息が出てしまう。


 下調べと準備を万全に整えたらモチベーションは最高潮! 

 いざ、テンションMAXで修学旅行へ出発! ……と、思っていたんだけれど……。




 「三五ぉ~んっ♡ おはよぉぉ~っ♡ 遂に♡ キタね♡ ボク達のラブラブ♡修学旅行の日がぁァ~んっ♡ うきゃっほ~ぃっ♡」


 「うわぁっ!? 湖宵~っ!」



 修学旅行当日の早朝。

 

 繊月(せんげつ)家のお屋敷へと向かったら、立派な正門の前で湖宵に目一杯ぎゅうぅっと抱き着かれてしまう。

 な、何なんだ湖宵のこの異常なまでのテンションの高さは!? 完全に限界突破してる!


 「おはよう、三五ちゃん」


 「あっ、メイお姉さん! おはよう! ねえ、湖宵どうしたの!? 超落ち着きが無いんですけど!?」


 メイお姉さんに挨拶している間にも、湖宵はオレの周りをグルグル回ったり背中におぶさってきたりと、キャイキャイはしゃいで忙しない。今、早朝なんですけど。


 「こ~ら、お坊っちゃま。良い子にしないとダメよ~。よしよし。旅行中は三五ちゃんの言うことをちゃ~んと聞いてね?」


 「うん! うん! お姉ちゃんっ! ボクね! ボクね! ちゃんと三五の言うこと聞くよっ!」


 メイお姉さんが湖宵の頭を撫で撫でしたら、だいぶ大人しくなった。

 精神が幼児返りするくらい興奮してるのか……。

 湖宵の気を静める為にオレもたっぷり撫で撫でしてあげよう。


 「んん~♡ 三五ぉ~♡」


 嬉しそうにオレの胸にスリスリ甘えてくる湖宵。

 実はこの状況ってだいぶおかしいんだよね。男の子の時の湖宵が外で大っぴらに甘えてくるなんてあり得ない。それが人の居ない早朝の自宅前であってもだ。



 「三五ちゃん。お坊っちゃまってば修学旅行が楽しみすぎて昨日眠れなかったみたいなの。ちょっと心配だから、私が車で駅まで送るわね」


 「ええ~っ!? 昨日からこの調子で大はしゃぎしてんの!? 何で!?」


 「そりゃぁ~……三五ちゃんと一緒の修学旅行が楽しみだからよ、うん」


 確かにオレも修学旅行を楽しみにしてた。

 でも尋常じゃない湖宵の盛り上がりっぷりに、そんなワクワク感は一瞬で消し飛ばされてしまった。

 

 だって言っちゃあ悪いがたかだか国内旅行くらいで、こ~んな大きなお屋敷に住んでるお金持ちのお坊っちゃま (心はお嬢ちゃま) が我を忘れるくらいにはしゃぐなんて変じゃん? (熱い掌返し)

 そりゃ~冷静にもなるわな。


 「今までの行事ではこんな有り様にならなかったんだけど!? 何で修学旅行でだけ!?」


 「まぁ……だって……ねぇ?」


 「メイお姉さん、何か知ってるの? 教えて!」


 「う、う~ん。お姉ちゃんの口からはちょ~っと言い難いかなぁ~?」


 メイお姉さんにしては歯切れの悪い答えだ。それに珍しく本当に困ってるっぽい。言いにくい事情があるって訳か……。これはオレが自分で考えなければならない問題のようだ。


 

 「ねえぇ~! 早く行こうよ三五ぉ~! お姉ちゃんのお車乗ろ? ね? 乗ろ? 早く出発したいぃ! 我慢出来ないぃ! ああああぁぁぁぁん!」 


 ヤバい! 腕の中で湖宵がむずがりだした! 

 今にも暴れそうな湖宵を必死にあやして宥める。


 「湖宵~。大丈夫だよ~。もう出発だからね~? お車乗ろうね~」


 「ううぅぅぅん! うううぅぅぅぅん!」


 「三五ちゃん、お坊っちゃまのこと見ていてあげてね? よろしくお願いね」


 大変な修学旅行になりそうだ。

 メイお姉さんにお願いもされたし、夫としての務めをバッチリこなそう!


 

 メイお姉さんの車で駅まで送ってもらい、学校指定の集合場所でクラスの皆と合流。点呼をとったら新幹線に乗り込む。

 たったそれだけの間にも湖宵は大はしゃぎしまくり、落ち着かせるのに結構苦心した。


 オレや他の生徒達に 「楽しみだね! 楽しみだね!」 と声を掛けまくったり、 「ううぅぅ……きゃあぁむぐぅっ!」 と奇声を上げようとしてオレに口を塞がれたりと、湖宵のテンションの揺れ幅は正に赤ちゃんのそれだ。


 そんな湖宵は今、新幹線のオレの席の隣で眠っている。


 「しゅぴゅるる~……しゅぴゅるる~……」


 席のシートに座ったとたん、電池が切れたかの様に寝落ちしてしまったのだ。しゅぴゅるる~とか言ってるし、相当はしゃぎ疲れたんだな。まだ朝だってのに。こんなに残念王子様な湖宵の姿を見たのは久々だ。



 う~ん。しかし不思議だ。

 今まで大小問わず、沢山の学校行事を湖宵と一緒に重ねてきた。

 ハプニングがあったり体育祭に至っては湖宵と喧嘩までしてしまったけれど、どれもこれも本当に楽しく輝かしい思い出になった。

 そんな心に残るどの行事よりも、遥かにズバ抜けて湖宵の期待値が高いのが修学旅行……。


 他の行事と比べて、修学旅行の一体何がそんなに湖宵の乙女心をときめかせたのだろう?

 紅葉? 美しい風景? いや、多分違うな。



 目的地に着くまで時間があることだし、過去の行事に思いを馳せて修学旅行との違いを徹底的に探してみようか。



 まずは二年生になって初めてのビッグイベント。

 

 体育祭からだ。 

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