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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【裏話】湖宵とホモる (ド直球) 高校生活
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裏4話 繊月 湖宵とのデート事情② 高一 クリスマス

 クリスマスオーナメントが散りばめられた美しいストリートを湖宵と二人、手を繋いで歩く。


 「ふわわわわわ……」


 湖宵はオレとクリスマスデートをしているドキドキと、人通りが多い中で男の子の姿でオレと手を繋いでいるハラハラで百面相になっている。

 嬉しそうに笑ったり、困った顔をしたり、ソワソワと身を捩らせたり、でもやっぱりじんわりと幸せそうな顔をしたり。複雑な乙女心が表れている。


 それでも何だかんだで喜びを抑えられてない感じがとても可愛い。

 思わずぎゅ~っと湖宵の手を握ってしまう。


 「ひゃ、ひゃああっ」


 カ~ッと瞬時に顔を赤らめる湖宵。心臓の鼓動が伝わってくるかのようだ。


 湖宵をときめかせるのに大成功したオレは、気分良く街を闊歩する。

 あぁ~楽しい。ザ ・ ご満悦!


 さて、クリスマスデートといっても何か特別な事をする訳じゃない。オレ達は高校生だから高級レストランで豪華ディナーなんて出来ないしね。そもそも夜にはパーティーがあるから、それまでに帰らないとだし。

 

 いつも通り雑貨屋さんや服屋さんを冷やかしたり、クレープ屋さんでおやつを買ってベンチに座って食べたり。


 本当~に何の変哲もない街歩き。……の、ハズがオレと湖宵の足取りはウキウキと弾んでいる。自然に心も弾み、お祭り気分が高揚していく。


 それはきっと、街全体が特別な雰囲気に包まれているからだろう。

 雑貨店にはキラキラ電飾のクリスマスツリーや楽しいパーティーグッズがズラリと並び、飲食店では趣向を凝らした限定メニューが食べられる。

 何より道行く人々が普段より浮かれていて、ただ歩いているだけで楽しい気分になれる。


 一年に一度のお祭りの空気をたっぷりと味わい、暗くなるまで遊んだ。

 そろそろ帰る時間だ。が、その前にちょっとしたイベントがある。


 時刻は17時。

 日が沈む頃、オレ達は駅前広場に居た。

 何故なら……。


 「うわぁぁっ! キレ~イッ!」


 湖宵から歓声が上がる。キラキラと輝くその瞳が見つめるのは、もっとキラキラ光輝くクリスマスイルミネーション。次々と点灯して街を彩り、特別な夜を演出していく。


 乙女のハートを持つ湖宵は大喜び。見ていると心が暖かくなる。


 オレは、はしゃぐ湖宵の肩をそっと抱き寄せた。


 「わわわわぁっ! こ、こんな場所でそんなっ! カップルさんが周りに一杯居るのにっ!」


 「大丈夫。皆、イルミネーションに夢中でオレ達なんて見てないよ」

 多分ね。


 いや~それにしても湖宵は本当に可愛い。


 めっちゃくちゃドギマギしているのに、オレから女の子扱いしてもらえるのが嬉しいからスキンシップを拒まない所とか。ニマニマしてしまうなあ。


 

 自分でも驚きなのだが、オレは男の子の湖宵との恋愛を思いの外に楽しんでしまっている。


 確かに折角のクリスマスに女の子のこよいとイチャイチャチュッチュしたり、それ以上のラブラブな行為をする事が出来ないのは残念の極みだ。


 だぁがしかし。男の子の湖宵と居ると心臓が激しく拍動しない代わりに、下心も沸いてこない。


 女の子としての心を持った湖宵の可愛らしい言葉や仕草に胸をジンとときめかせる……そんなピュア & プラトニックな恋愛は心を豊かにしてくれる。


 それにオレの方に下心が無くても、湖宵の方はそうでもないらしい。何せ湖宵にとってオレは魅力的な異性なんだから。


 オレの 「好きだよ」 「可愛いよ」 という言葉に顔を赤くしたり、軽いキス (ほっぺ) やハグにあわあわ慌てふためいたりと毎日大変そうだ。


 そんな可愛い姿が見たくて、不意打ちで湖宵をドキドキとさせてしまうオレなのだった。


 湖宵との恋愛特有の楽しみ方。それは悪い言い方をすればマウントが取れるというか、主導権(イニシアチブ)が握れる事だろう。余裕が持てるのだ。

 美少女こよい姫をドキドキさせると、お返しにこちらも死ぬ程ドキドキさせられてしまうからなあ。



 「可愛いよ、大好きだ、湖宵」


 湖宵の耳元で甘~く囁き、髪をさわさわ~っとソフトタッチで撫でる。


 「ふわぁぁん♡」


 ゾクゾクっと身震いする湖宵。

 気持ち良さそうな、けれども何とも言えないような複雑な表情をしている。何やかやの葛藤が胸中で渦巻いているんだろうなあ。


 「うぅぅ……さ、さんごぉ……」


 少し逡巡した後に、湖宵はオレの胸にしなだれかかった。


 クックック……堕ちたな(悪笑)


 「三五ぉ~っ! イジワルだよぉっ!」


 ポフポフ胸を叩かれるけど全然痛くないし、蕩けた顔で睨まれたって全~然怖くない。

 オレの魅力には抗えないようだね、湖宵♪


 「もおぉ~っ! 帰るよ、三五!」


 お嫁さんがお冠だ。

 手をぎゅ~っと握られてグイグイ引っ張られる。


 致し方無い。

 こっそり用意していたサプライズでご機嫌を直してもらうとするかな。

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