第69話 繊月 こよいと寄り添いラブラブデート [羅武覇篇] 雷
フェアリーショーでバッタバッタと非モテフェアリーをなぎ倒し気分爽快。
オレはヒーロー気分、こよいはヒロイン気分で心が弾み、ラブラブな空気は更に濃密になっていく。
「三五カッコ良かった~♡ 最高~♡」
こよいはオレの腕をぎゅっと抱き締めて離さない。
このまま仲良く次のアトラクションに行こうか!
オレ達が次に足を運んだのは “告白バンジー” !
設備そのものは、普通のバンジージャンプと何ら変わりない。
跳ぶ時に下で待っているパートナーに告白しながら飛ばないといけないというルールがあるだけだ。
それに何の意味があるんだと言われればそれまでなのだが、人が宙を舞いながら愛の告白をしている姿を直に見てしまうとインパクトが凄い。
『お前の事がぁ~っ! 好きぎゃぁ~っ!』
「タケシィ~っ!」
無駄に熱い光景だ。
オレもやってみたい!
オレは鉄塔の階段を一気にかけ登り、係の人にハーネスを着けてもらう。拡声マイクのヘッドセットを着けて、ガッチリ固定してもらえば準備OK。
ジャンプ台から下を見てみる。
地上から20m強も離れているだけあって高い。
下でオレを待っているこよいが凄く小っちゃく見える。
ここから跳ぶのは結構勇気が要るだろう……普通の状態だったらな!
今のラブラブハイテンションなオレは、誰にも止められないぜ!
元気良く、大ジャァ~ンプ!
『こよい~っ! 大好きだぁぁ~っ!』
スピーカーからオレの告白が轟く!
「きゃあぁ~っ♡ 三五♡ 嬉しい~っ♡」
ゴム紐が伸縮して、バイーンバイーンと水風船の様に跳ねるオレ。
その状態でもこよいが嬉しそうにこちらに両手を振ってくれているのがわかる。
「次はわたしの番ねっ! 三五っ待っててね!」
下まで降りると、今度はこよいがノリノリで鉄塔を登っていく。
「えっ!? 女の子が挑戦するの!?」
「勇気あるう~!」
近くに居た女性客が驚いている。
こよいは女子だけども、Q極TSする前からずっとオレの遊びとかノリに付き合ってくれていたからね。
バンジージャンプにも果敢に挑んでくれちゃう素敵彼女なのだ。
鉄塔を登りきったこよいはちゃちゃっと準備を整えた。ちなみにちゃんと厚手のズボンを借りて穿いているのでミニスカートでも安心だ。
そしてこよいは何の躊躇もなく跳躍!
凄い度胸だ!
『三五ぉ~っ♡ だぁい好きぃ~っ♡』
おお~っ! 凄く胸にクルものがある!
バインバイン跳ねているこよいにブンブン手を振って喜びを伝えよう!
オレ達がこの場から離れる際に、こよいの挑戦を目の当たりにして自分もやってみようと思い立った女性客が現れ出した。勇気が出るように陰ながら祈っておこう。
その次に向かったのは、お化け屋敷。
ラブパのお化け屋敷はハッキリ言ってしまうと物凄くヌルい。
間接照明が照らす順路を歩いていって、曲がり角を曲がると……。
「ばけばけばぁ~♪」
井戸からコスプレしたスタッフさんが出て来て驚かそうと (?) してくる。
でもこんなので驚くわけ……。
「きゃ~♡ こわ~い♡」
「わわっ! こよいっ!」
むぎゅっと抱き着いてくるこよいに驚かされた!
だって例によって胸の感触が! むにゅ~って!
こよい絶対わかっててやってる!
「わっわわっ!」
「大胆過ぎるよ!」
「そんなにくっつくなよっ!」
オレの他にも男達の驚きの声が聞こえる。
何ならこのお化け屋敷って男の嬉しい悲鳴しか聞こえてこないんじゃ? 薄暗闇と涼しい冷房が女の子を大胆にするみたいだ。
オレは出口に着くまでの間、こよいの嬉しい感触をたっぷり堪能した。
ドキドキイベント目白押しで喉が乾いてしまったので喫茶スペースへと向かう。
とはいえ、当然のように喫茶スペースにもドキドキイベントはあるけどね。
まずはカップルシート。
こよいと密着して座る。
ジュースを飲む時はハートストロー。
ラブパのハートストローって吸い口がやたら短いんだよね。なので顔がくっつく程に寄せ合わないと飲むことが出来ない。
目の前でこよいがストローをちゅっちゅしてると胸が騒いで止まない。
パフェを1つ頼んだら当たり前の様に小さなスプーンが2つ付いてくる。
食べさせ合えってことだな。
「三五ぉ♡ はい、あ~ん♡」
「あ、あ~ん」
う~甘い! 脳が痺れるぜ!
「こよいも、あ~ん」
「あぁ~ん♡ あむ♡ あまぁい♡」
こよいのお目々はもうトロントロンだ。
オレの目も今、多分こんな感じなんだろうな。
ラブパの矢継ぎ早のイベント攻勢はヤバすぎる。
こよいとたっぷりイチャイチャしたりベタベタしたりしたせいで、今やお互いにくっついていないと禁断症状が出るようになってしまった。(気がする)
女児がクマのぬいぐるみを手離せないように、こよいの腰を抱くオレの手は磁石の様にピッタリくっついて離れない。
「可愛いよこよいぃ! オレだけのこよいっ!」
「三五しゅきぃ♡ スリスリスリスリ♡」
こよいもオレの胸に顔を埋めて、延々と頬ずりしまくっている。
バカップルっていうか、それ以上のナニカになっていないかオレ達?
「あら~♪ 仲良しさん♪」
ピエロ姉さん参上。最早驚くまい。
「うふふ♪ 貴方達を本日のベストカップルに認定するわ♪ 良かったらまたステージに上がってくれない? 渡したいプレゼントもあるし♪」
ベストカップル……だと!?
それを聞いてしまっては、付いていかないワケにはいかないな!
「こよいっ!」
「ええっ! 絶対行きましょう!」
「決まり♪ それじゃ私に付いてきてね♪」




