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第37話 繊月 こよい キャッ☆ 水着が脱げちゃうカモ☆ (未必の故意)

 プカプカ、プカプカ。プールに浮かんで食休み。


 オレ、こよい、彩戸さんは皆一様に浮き輪にスッポリとお尻を入れて手と足をでろ~んと投げ出している。

 普段ほんわかしつつもキッチリ決めている彩戸さんまでもがこんな有り様になってしまうとは、夏のバーベキューの美味しさは侮り難しといったところか。


 満腹感で身体を動かすのが非常に億劫だ。そのままダラダラとプールに浮かんでいると……。


 ビシュッ! パシャアァッ!


 「うわっ冷たっ!」


 突然、オレ目掛けて冷たい水が勢い良く飛んできた! 水が飛んできた方向に振り返ってみると……。


 「えっへっへっへぇ~♪」


 そこには彩戸さんが使っていた水鉄砲を構え、満面の笑みを浮かべるこよいの姿が!


 「も~、いたずらっ子さんだなこよい~!」


 そして元気だなこよい~! まだそんなに休んでないハズなのに。


 オレはまだ身体が重いけど、やれやれ。元気な彼女にお付き合いするのも彼氏の務めってヤツか。

 いや~、仕方が無いなあ♪


 オレはもう一個水鉄砲を取ってきてプールに戻り、さっきよりもズ~ッポリと深く浮き輪の中にお尻を沈めた。

 フフフ。

 移動が難しいこの状態でいかにこよいからの射撃をかいくぐり、こよいに水を掛けられるか?

 楽しいゲームの始まりだ!


 「行くよこよい~! えいっ!」


 「きゃぁっ♪ 冷たぁい♪」


 こよいのリアクション可愛すぎ!


 「お返ししちゃう! えいっ♪」


 こよいからの反撃。

 浮き輪に乗っていると、やっぱり飛んでくる水が上手く避けられない。身を捩ってかわそうとしてもピシャッと水を浴びてしまう。


 「うわっ冷たい! あはは、気持ち良いね!」


 今日は暑いから水を浴びると気持ち良いや! 参ったな~、これじゃあゲームにならないぞ~♪


 「あら~、いいわね~。二人共、お姉ちゃんのことも撃ってちょうだい」


 「「は~い」」


 撃ち合いっこしていたオレ達は彩戸さんのオーダーに従い、標的を変更。

 二人同時に冷たい水を彩戸さん目掛けて発射!


 「ん~、冷たっ♪ 気持ちぃ~♪ 全体的にまんべんなく頼むわね~♪」


 浮き輪に乗りながら、その場でクルクル回り出す彩戸さん。

 オレ達は彩戸さんの全身に手分けして水を掛けていく。これは中々の面白アトラクションだ。


 「そうそう、背中の方にもね~って、あららら? ブラの紐ほどけちゃった (笑) 三五ちゃぁん、結び直してぇ~」


 「しょ~がないなぁ、彩戸さんってば」


 背中を向けてくる彩戸さんに泳いで近づき、黒ビキニの紐をほどけない様にぎゅ~っと結び直してあげ 「イヤアアアァァァ! 浮気よおぉぉぉ!」


 しまったァァ! またこよいに焼きもち妬かせてしまったァァ! 何回同じことしてんだ! 学習能力ねぇのかオレは!


 「ホントゴメン! つい、いつものクセで!」


 「お嬢ちゃまったら違うわよ~? 私が乗っているのはうわきじゃなくて、う~き~わ♪ なんつって♪」


 彩戸さんってばこよいを煽りよる!


 「ムキイィィ! 三五ぉ! わたしと遊んでよぉ! さぁ! 彩戸さんじゃなくてわたしの事を水鉄砲で撃つのっ! さぁっ!」


 ザパンと音を立て、元気良くプールサイドに上がってこよいはそう叫ぶ。


 水着姿のこよいを水鉄砲で狙う……こ、これはドキドキもんだぞ。


 と、取りあえずは無難に、肩辺りを狙ってぷしゅっと撃ってみようか。


 プシュッ!


 「きゃぁん♡ 冷たぁぁ~いっ♡」


 水を掛けられたこよいから、甘く可愛らしい声が上がる! オレの心拍数も同時に上がってきたぞ~!

 つ、続けて連射してみようかっ!


 「きゃぁんっ♡ あ~ん、冷たいよぉ♡ それに水着の紐がずれちゃったよぉ♡ 結び目もゆる~くなっちゃったカモぉ♡」


 な、何と!? た、確かに言われてみれば、紐がゆるくなっている様な……?


 こよいは白いビキニのストラップを指で弄びながら、オレの顔を挑発的な視線でじぃぃ~っと見つめる。


 「あと何回か水が掛かったら、水着が脱げちゃうか ・ も ・ ネ♡」


 クイクイ、クイクイッ、と水着の紐を引っ張りながらそんなことを言われたら……!


 「こよいっ! こよい~っ!」


 水着に向かって水鉄砲のトリガーを引くしかないじゃないかぁ~っ!


 「きゃん♡ きゃん♡ きゃあぁん♡ また水着がずれちゃったぁ♡ 脱げちゃうよぉぉ♡」


 ビキニに水鉄砲を当てると少しずつ紐が (こよいの指で) ずらされる……そんな画期的なSYSTEM! イカンとは思いつつも夢中になって水鉄砲を撃ってしまうは、悲しき男のサガよ。


 「こよいっ! こよいっ! うおぉぉっ! こよいィィィ~ッ!」


 一瞬たりとも目が離せない! こよいの水着っ! ハラリとさせたいっ!


 脳が灼かれ、目を血走らせるオレ! 

 こよいが嫌がってくれれば、たちどころに冷静になれるのだが……。


 「ああっ♡ すっごぉぉい♡ 三五がわたしに夢中になってりゅぅ♡ サイコォォン♡ 三五ってばこよいにメロメロなのねっ? カ~ワイイのっ♡ ウフフ♡ ウフフフ♡」


 こよいは悩ましげな色っぽい表情で、魅惑の肢体をクネクネ捩らせながらオレを誘惑する。

 うおぉ~っ! これはもう行くところまで行くしかないぃ~っ!


 「はいそれロン! フライングボディプレース!」


 「ぐっはぁぁっ!」


 またしてもこの人の存在を忘れていたぁぁ!

 こよいに熱狂していたオレに彩戸さんが飛来し、制裁のボディプレスが炸裂!


 ドッパァァァン!


 派手な水飛沫が立つ。


 哀れにも、エッチなオレは彩戸さんによってプールの底へと沈められてしまったのであった。

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