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第36話 繊月 こよい んまんまランチタイム☆

 こよいは手際良く焼そばを焼いていく。


 焼いた麺を一度どけたら、今度は野菜をたっぷりプレートの上にどばぁ。椎茸、エリンギもどばぁ。牛カルビもどばぁ。

 プラスチックのヘラでジャカジャカかき混ぜて炒めていく。

 すごい豪快さだ! 女の子の手料理って感じが一ミリもしない!

 麺と絡ませてソースをた~っぷりどっばぁ~。


 こよいがヘラ二刀流で焼そばを混ぜ混ぜしていくと、ソースのい~い香りが辺りに漂った。

 あぁ~何だか急にお腹が空いてきたぁ~。


 「出来たよ! こよい特製んまんま焼きそば!」


 「おお~っ! 美味そう~っ!」

 「上出来上出来~。美味しそう~」


 良いね~! 具沢山ソース焼きそば! オレの好きなカルビも一杯入ってる!


 「「「いただきま~す!」」」

 

 うん! 美味~い! シャキシャキの白菜も、あえてザク切りにしたタマネギもイイネ。

 ソース濃いめの焼きそばは汗をかく夏にはうってつけ! いくらでも食べられちゃうね。


 何といってもジューシーなカルビは最高! 

 椎茸とエリンギも美味しいソースと肉汁、油を吸って良いお味。

 でも椎茸多すぎ。こんなにはイラネ~。


 「はい、こよいの好きな椎茸。あ~ん」


 「あらぁ♡ うれし~♡ あ~ん♡」


 「私のもあげる。お嬢ちゃま、あ~ん」


 「あ、あらら♡ わたしってば愛されてる♡」


 彩戸さんの椎茸も多かったんだね……。


 「三五にはわたしのカルビあげるね♡ はぁい、あぁん♡」


 おおっ! こいつはラッキー! こよいにカルビを食べさせてもらえるなんて!


 「あ~ん」


 こよいにあ~んしてもらう悦びを覚えたオレは大きく口を開ける。ぱくり。

 ん~! コイツはまた格別の美味しさ!


 「美味しいよこよい~! こよいの焼きそば、サイコー! お料理上手だねこよい~!」


 「んふふ~♡ 最近ねぇ、彩戸さんにお料理教わってるの~♡ あっはっはぁ♡」


 こよいってばそんな事してたんだ。これからもこよいの手料理が食べられるかも? 嬉しいなぁ~。


 「彩戸さんには白菜ね。はい、あ~ん」


 「あら、お嬢ちゃまわかってるぅ。あ~んっ♪」


 彩戸さんは割りと白菜が好きなんだよね。

 こよいが彩戸さんにあ~んしてあげている姿は姉妹って感じがしてホッコリするね。


 それにしてもこの焼きそばは本当に美味しい。作ってくれたこよいを褒めながらパクパク食べていったら、あっという間に無くなってしまった。

 

 「ごちそうさま、こよい。と~っても美味しかったよ。良い子良い子」


 「んふふゥ~ン♡ どういたしまして♡ きゅふゥン♡ なでなでシュゴ~イ♡ キクゥ~ン♡」


 

 う~ん、でもまだ食べ足りないなあ。


 「バーベキューもするわよ~」


 さっすが彩戸さ~ん。

 言うが早いか、もうバーベキューキューコンロのプレートにアルミホイルをのせて、更にその上に串に刺した食材をテキパキと並べている。


 オレ達もお好きな食材を色々並べていこう。


 オレが好きなのはやっぱりお肉の串焼きかな~。


 「ん~。豚バラブロック串の油すごいな~。でもそれが美味いっ!」


 こよいは鶏のモモ肉とネギ。それにお約束の椎茸も。


 「んま~♪ ネギマんま♪ バベキュソースたっぷりの椎茸もんま♪」


 彩戸さんはトウモロコシやタマネギ、カボチャなどを好んで食べている。


 「ん~美味し♪ トウモロコシもカボチャも(あンま)♪ 飴色タマネギにソースべったべた付けて食べるの好き~♪」


 こよいと彩戸さんの美味しそうな顔を見ていると、二人の食べているのも食べたくなるなぁ~。

 でも、バーベキューでオレとこよいが一番好きなのは……。


 「アンタ達の好きな焼おにぎりしてあげる~」


 「「やった~! 彩戸さん大好き~!」」


 コレコレ! 美味しすぎる甘辛ダレで焼いたパリパリ焼おにぎり! 〆にコレを食べなきゃバーベキューした気にならないよね!


 ふぅ~……。満足。たくさん食べたなぁ~。


 「「ごちそうさまでした~」」


 「クレープするわよ~」


 「「何とっ!?」」


 まだそんなのが残っていたなんて!? 使い捨てのアルミプレートだから出来る荒業だな。

油でギットギトのプレートを速やかに新しいのにチェンジ。


 彩戸さんはサササっとクレープの皮を焼いていって、ひょいひょいとお皿に積み重ねていく。

 すごい手際の良さ。


 彩戸さんが取り出したクーラーバッグには冷たい具材がギッシリ。これをクレープ生地にのせればお好みのクレープが作れちゃうって寸法だ。


 「お嬢ちゃまは何か色々いっぱいのってるのが良いんでしょ」


 彩戸さんがこよいに作ってあげたクレープはカットフルーツ全種類に生クリーム + カスタードにチョコスプレーがた~っぷり。


 「ありがと~♪ 彩戸さぁん♪ う~ん、甘くてんまんま♪」


 さすが、彩戸さんはわかってるね。


 「私は冷た~いブルーベリーのクレープ♪ さっぱりしてて美味しいの♪」


 彩戸さんのはフリーズドライのブルーベリーにブルーベリーソースがかかったクレープ。

 スッキリ爽やかで美味しそう。


 「三五のはわたしが作ってあげるね~♪」


 こよいがオレに作ってくれたのは生クリームチョコバナナ。やっぱコレが王道かな~。


 「ありがとうこよい~。う~ん、甘い! これぞスイーツって感じ!」


 「うふふ♪ 喜んでくれて良かった♪」


 彩戸さんが作ってくれたクレープ生地はミニサイズだから、他の種類がいっぱい楽しめてお得だね。オレも彩戸さんのブルーベリークレープをマネしてみたり、二人も色んなクレープを作って楽しんでいる。


 ただ、明らかに調子に乗って食べ過ぎてしまったね……。


 「「「お、お腹いっぱい……」」」


 オレ達三人はお腹いっぱいになり過ぎて、身動きがとれなくなってしまった。


 せっかくのプールだというのに暫くは浮き輪に乗ってプカプカ浮かんでいることしか出来ないオレ達なのでありました。

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