第32話 繊月 こよい 水着で悩殺☆ (相互作用)
夏祭りというビッグイベントが終わり、夏休みも折り返し地点に突入。
お盆に差し掛かり海にはクラゲがプカプカ浮かんでいる頃合いだろう。
ここいらで溜まった宿題でもしつつ、静かに日本の夏を過ごそうという学生さんも多いのではないだろうか。
だがしかァし! オレとこよいにとっての夏恒例のビッグイベントはまだ残っている!
外に出かける訳ではない。ソレは……ビッグイベントを開催するための場は、こよい邸の庭に存在する。
今年には特別な事情があっれ今の今まで開催が躊躇われていた。
そのイベントとは、ズバリプール開き!
繊月家の庭には大きなプールがあって、毎年水遊びに興じるのがオレとこよいの恒例お楽しみイベントなのだぁぁ!
何故プール開きがお盆まで延期したか!? 特別な事情とは!?
それはもちろんこよいがQ極TSして女の子になったからだぁ!
女の子になったこよいが美しくも可憐な水着姿になりオレの前に……。水に濡れた肌が日の光を反射して彼女を煌めかせる。人魚の様に水中を踊るその肢体に魅了され目が離せない。
そんな超絶ドキドキイベントを心の準備もしないままに迎えては、心臓が破裂してしまうのは必至。
先日オレとこよいは晴れて恋人同士になり、初めてのキスも済ませた。そろそろ良かろう。ということで、遂に満を持して念願のプール開きと相成ったのであった。
オレは普通のトランクスタイプの水着を着て夏の日差しを浴びながらプールサイドでこよいを待っていた。
美しい庭園にオアシスの様に存在する白い大理石のプール。
小さい頃からこのプールで遊ばせてもらっていたが、こんなにドキドキした事は今日以外にはない。
死ぬ程の緊張感と期待感がせめぎ合う。こよいの準備を待つこの時間もまた、デートの醍醐味。
「三五ぉ~♪ お待たせぇ~っ♪」
こよいがオレを呼ぶ。ドキドキしながら振り返ったその瞬間、時間が止まった。
こよいの水着は何と大胆にも真っ白なビキニ。腰には水色のレースパレオが巻かれている。レースだからスケスケだ!
これはヤベェだろ……! かつて無い露出度に喉がヒリついて来やがった。
華奢な肩、細い腕、つるんとスベスベのお腹が惜し気もなく晒されてしまっている。
何たる美白! 何たる美肌!
パレオのスリットからは脚線美がチラチラと覗く。てゆーかこのパレオのスケスケで下が透けて見える構造、頭がおかしくなる程ドキドキするぅ!
あと何気にこよいの素足をちゃんと見たの初めてかも。足も小っちゃいなあ。指もカワイイなあ。
そ、そ、そして、何といっても無視できないのが……えっと、その、ふ、ふくよかなバスト。
今まで言及を避けてきたんだが、もう目が逸らせない。
こ、こよいってバストサイズが大きめじゃないか……!?
スレンダーな体型のこよいだから尚のことそれが強調されている様に感じる。
マンガ、アニメでのスレンダーキャラの巨乳はまるで常に救命胴衣を身に付けている様に見えて、何だかおかしく感じていた。
でもこよいのは何というか、こう、バストにゆるやかな稜線が描かれていて、もの凄く心がグッと惹き付けられて止まない。
「こよいの素肌……美し過ぎる……っ。魅力的過ぎるよ……っ」
ああ~! 心底本音だけど変態みて~なセリフが口からでてしまった!
チラチラ目線が行ってんのバレてるんだろうなあ! なんせこよいは元男の子なんだもんなあ!
でも目が離せないんだよ! セクシー過ぎるんだよぉぉ!
他の男になんが絶対見せられないレベルだぁぁ!
って、こよいの方も何かオレを見て驚いている?
「はぁぁ~んっ♡ ヤバいのぉぉ~っ♡ サンゴセクシー過ぎりゅう~っ♡ ぜぇ~ったい他の女には見せたくないい~っ♡」
んんん!?
オレの方は別に何も変わっていないんだけど!? 何故クネクネ身悶えしてんの!?
「変わってるよぉっ♡ 高校生になって大人っぽくなったしぃ♡ 最近引き締まってきたもん♡ ドキドキし過ぎて死にゅぅぅ♡」
拳をグッと握りブンブン振り回しながら力説するプールサイド妖精。
「こ、こよいの目にはオレがそんなに魅力的に映るの……?」
「映りゅよぉ♡ だってそのカッコ、上裸じゃぁぁん♡ 何も着てないじゃん♡ エッチじゃん♡ この世界どうかしてるよぉぉ♡」
世界規模の疑惑!? で、でもわかる! こよいの水着も露出度ヤバいもんね! これで公共の場に出てもOKなんて確かにこの世界おかしい!
「こよいこそ美しすぎるよぉ! 大人っぽくてセクシーだよ! そんな水着オレ以外の男に見せたくない! 独り占めしたい!」
「きぃぃやぁぁ~♡ そんなセクシーな格好で嬉しいこと言われたらおかしくなるぅぅ♡ 独り占めしてっ♡ こよいのことぜ~んぶ独り占めしてぇぇ♡」
いつもの調子で延々と炎天下のプールサイドでハシャぐオレ達なのでした。




