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第28話 高波 三五  告白

 「はぁ~っ はぁっ はぁぁんっ♡」


 「はぁっ はぁっ はぁ~っ」


 唇を離し、荒い息を吐くオレ達。お互いに朦朧としていて頭が蕩けてしまっているが目はしっかりとお互いの姿を見つめ合い、離れる事はない。


 こよいのトロンとした瞳を見つめていると、自然とオレの口から素直な言葉が紡がれた。




 「こよい、好きだ」




 飾り気もなく決して大きくもないその言葉は、すぐに夜の闇に溶けて消えてしまう。


 しかし紡いだオレ自身と受け取ったこよいにとっては何よりも重く、いついつまでも忘れられないくらいの存在感があった。。




 「わたしも三五さんの……三五のことがずっと好きでした……っ! ううん、好きなのっ!」




 こよいの告白の最中、その口調が変わる。

 きっとこの瞬間からオレとこよいの心の距離は完全な0になったんだと思う。


 「いつからだか思い出せないくらい昔から、ず~っと! 三五の事がだ~い好きだったんだよっ!」


 こよいの言葉もまたありふれた表現であるにも関わらず心の奥底にズンと響き、胸にジ~ンと染み渡った。


 オレ達はこの瞬間を忘れる事はないだろう。

 絶対の、絶対に。


 

 「こよい、こよいっ。好きだよ」


 「わたしも好きっ。好きぃっ。ああ、やっと……やっと言えた」


 

 想いが高まり、自然にオレとこよいの唇が重なった。


 この瞬間オレとこよいを隔てるものの一切がなくなり、言葉を交わさずともお互いの全てがわかり合えた。


 恋人同士がキスを交わす意味が理解できた。


 オレとこよいは、言葉に出来ない気持ちを伝えたいと願う度に。


 何度も何度でも、こうやってキスを交わしていくんだろう……。


 何度でも何度でも、お互いにとってお互いが唯一の存在であると証明する為に。

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