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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【IF話】 もしもQ極TSカプセルが誕生しなかったら
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ちぃすと~り~ ③ エロさ < 可愛さ  ちぃちゃんルート

 「オレは悪くねぇ! オレは悪くねぇ!」


 「なんだとコラ! なんだとコラ!」


 交番のデスク越しにヤイヤイやり合うフリョ~とオレ。

 お互いにケガしてるからな。ヒートアップするのも当然だよな。


 ヤツは顔面流血になるまでの切り傷。

 オレはオレでヤツのパンチがカスったほっぺがミミズ腫れみたくなったし、蹴つまづかれた足が打ち身になってしまっている。あと背面ダイブしたから、お尻から背中にかけて痛ぇ。


 婦警さんに優しく手当てしてもらったけれども、腹の虫が治まらねぇ!


 「テメェっちの悪行はこのスマホ様がトクとお見通しよォ! 神妙にしやがれってんでィ!」(江戸っ子)


 「このオンナが悪いんだ! エロい格好でオレを誘惑しやがるから! インランオンナが悪いんだ!」


 このクソヤロォォ! 悪事の証拠を突き付けてやってんのに! (光國公の印籠の如く) ま~だ控えやがらねぇか!

 あまつさえ、か弱き乙女に罪をなすりつけるだと!? インランだとぉ!?


 「あ、あぅぅ……」


 オレの隣で縮こまってるちぃ。

 婦警さんに肩を抱かれ、自らもギュッとカラダを抱き締める。それでも尚、隠しきれない肌色。


 エロちぃの露出度は、高い。


 だって改造制服だもの。おヘソは丸見えだし、お胸は強調されまくって襟元パックリよ。今みたいにギュッてすれば、胸の谷間もムギュッ♡ となって大サービスさ!


 だが、あえて言わせてもらう!



 「エロちぃはっ! インランじゃねぇ!」


 ド ン ッ !


 「じゃあ 「エロ」 って何なんだよ!?」


 「オンナが魅力的なのは罪じゃねぇ! オトコがムラムラするのも罪じゃねぇ! お触りするのが罪なんだっ! そうですよね、お巡りさん!」


 「君はさぁ、言葉にしにくいコトをハッキリ言い過ぎなんだよね。大きな声でさぁ。ココ、交番だよ?」


 マイペースお巡りさんに軽くたしなめられてしまった。


 「お、お兄様……♡ 魅力的だなんてそんなぁ♡ ちぃ、照れちゃいマス♡」


 「えっ? 今のドコにときめく要素が?」


 呆れる婦警さんを尻目に、飛びっきりの笑顔を見せてくれるエロちぃ。


 「ウフフ♡ ちぃ、とっても幸せデス♡ ウフフフ♡」


 そ、そんなに? オレの、たった一言で?

 こんなに喜ばれるなんて……ヤバいぞ、なんか、この娘のことが前よりも、もっと魅力的に見えてき 「あ゛あ゛あ゛! なんだそのエロキラスマイルは!? ガマンできねぇ! お触りさせろォォ!?」 「キャ~ッ!?」


 コイツ(フリョ~)もかい! って~か、一ミリも反省してね~な! 更正の余地ナシ!


 「お巡りさぁん! このお触りマン、銃殺しちゃってくださいやァ! お腰に着けたニューナンブ(日本警察)893鏖殺カスタム(正式採用拳銃)でぇぇ!」


 「な、な、なんでイキナリ銃殺されなきゃなんねんだよ!? リュ~チジョとかネンショ~とかじゃね~のかよ!?」


 「もうすぐ年末じゃん? ネンショ~でもクリスマスケーキとかお雑煮とか、喰わしてくれるらしいじゃん? お前が幸せになったらオレが可哀想だろうか! 今すぐ処されろや!」


 「ク、ク、クサレ外道がァ~ッ!」


 「銃殺ねぇ……僕、銃は苦手なんだよな。一発で楽にしてあげられないと思うよ?」


 ホルダーから拳銃をチャカッと抜いて、しげしげ見つめるマイペースお巡りさん。


 「ワ、ワ、ワ~ッ!」


 ガタタン!


 「ワハハハハwwwwwww」


 コ、コイツ、何を勘違いしたのか、後ろにズッコケてやがんのwww あるワケ無いからwww 日本に銃殺刑とかwww モノ知らな過ぎぃwww アホ過ぎぃぃwww


 「こぉら、ボクぅ? 煽り散らかし過ぎだぞ? ホドホドにしないと、お姉さん怒っちゃうから。メッ!」


 「へへへ! ごめんなさ~い! へへへへ!」


 怒られちったwww 優しい婦警さんに怒られちったwww


 「もぉ~! お兄様! 婦警さんにデレデレしちゃイヤッ! デス!」


 ジト目でオレの顔を覗きこんでくるエロちぃ。

 や、焼きもち妬いてくれちゃってんの?


 ナニこの娘、ちょ~可愛いんだけど! ともすればエロさより可愛さが勝つんだけど!


 うむむ、エロカワちぃのお陰で怒りがどっか行っちまったい。

 そうだな、これ以上オレがヤイヤイ言うよりも、後は保護者の方に叱ってもらった方が良いだろう。


 「ケッ! 叱るヤツなんか居ねぇよ! オヤジもオフクロも、とっくにオレなんて見放してんのさ!」


 アイツら、上っ面だけペコペコ謝ってカネでも払って、それでこの件はお終いさ。

 そう吐き捨てるフリョ~の顔には、うっすらと寂しさがにじんでいた。

 

 「むむむ」


 そいつはちょっと不憫だな。

 例えばオレが悪さを働いたとしたら、、父さんにクソほど叱られて死ぬほど折檻されるだろうに。

 でもそれって愛のムチってヤツだよね。

 

 ああ! 誰か! 誰か居ないのか!? 道を踏み外したコイツを正しく導いてくれる大人は!?


 「居るさ! ここに一人な!」


 ア、アナタは!?

 僧侶の袈裟を身にまとった長身の……筋肉モリモリマッチョメン!?

 マジでどちら様なの!? ご住職なの!?


 「ア、アニキィ!? な、なんで!? 山籠りしてたハズじゃあ……!?」


 「フン、貴様の素行が悪いと風の噂に聞いてな。ドレ、一つ説教してやろうと山を降りたのだが……一足遅かったわ。よもや警察のご厄介になっておろうとはなァァ!」


 「ヒイィ~ィ!」


 アニキだったんかい。お山に籠ってたんかい。いっや~、それにしても……。


 「スゲぇガタイしてますね、住職~」


 さぞや良質の動物性たんぱく質を摂っておられるのだろうて。


 「ハッハッハ。プロテインのお陰じゃ」


 言い訳みたいに語ってっけどさぁ~、絶対100%(パー)鶏のササミは喰ってんだろぉ~? デカ筋肉相当量をさぁ~。

 良いじゃねぇかよ、今の時代ならフツ~だって。無益な殺生とか生臭とかじゃないって。正直になりなよ~。


 「そ、そんなコトよりも! 拙僧の愚弟が申し訳ないことをした。まさかいたいけな婦女子に狼藉を働くなど……!」


 エロカワちぃに向き直り、腰を90度曲げて頭を下げる住職。


 「そ、そんな! 頭を上げてください!」


 圧、ヤバいもんね。肉が迫ってくるカンジするもんね。

 特に背中周りの筋肉の盛り上がりがヤベぇ。


 「デカいよ住職! 山籠りし過ぎて山になっちまったのかよ! (コール)」


 「フフ……(得意気) 君には感謝せねばならんね。身体を張って愚弟を止めてくれたのだろう? 生傷まで負って……申し訳なかった」


 「住職に謝ってもらうコトないですよ。オレは当人に一言謝ってもらえれば、それで」


 「何!? オノレ、この期に及んで、一言足りとも謝罪しておらんてか!?」


 住職はグリンと首をひねって、弟を睨み付ける。


 「ヒィ~ッ! オ、オレは悪くねぇ! 悪いのはこのオンナだよぉ! エロい格好して歩くからぁ!」


 「何を言うか! わからんか、彼女の磨き上げた N(ナイス)B(バディ) の素晴らしさが! ビルダーが美を衆目に晒して何が悪いッッ!」


 バサァッ! ガチッ! ムキィィッ!


 法衣をはだけ、 N(ナイス)P(ポーズ) をキメる住職。

 やっぱりスゲぇガタイだぜ! 流石に説得力あるよな!


 …………。


 いや、あるか? 極々一部の界隈でしか通用しない理屈なのでは……いや、よそう。一人の少女を守る為なら。


 「オ、オレだって悪くねぇよぉ! オヤジとオフクロが悪いんだ! オレを出来損ないだって! クズだって言うから!」


 「安心せい。ヤツらにもオノレと同じ仏罰を下す……!」


 (こえ)ぇんだけどwww


 「ヒィィ!」


 「オノレら3人、家族まとめて拙僧と山籠りじゃあ!」


 「嫌だよぉ! 付いていけるワケねぇぇ!」


 「山に汚れを持ち込むワケにはゆかぬ! よってこの場でオノレの薄汚い毛を刈る!」


 ブィィィ~ン! (バリカン駆動音)


 「話を聞いて……アアッ!」


 ビシバシッ! ガシィィッ!


 「アッアッア…………ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛~ッ!」


 バリバリバリバリバリバリバリバリ!


 「ギャッハハハハハハハハwwwwwww」


 刈られとるwww 脱色ヘアーを刈られとるwww

 ムキムキ住職にヘッドロック極められてるだけでもウケるのに、バリカンで根こそぎ毛ぇ刈られとるぅぅwww

 クソほどオモロいwww 笑い死ぬwww



 フリョ~のヤツが丸刈りになったタイミングで、高波家、豊四季(とよしき)家 (エロちぃのお家) の保護者が交番へとやって来た。

 だけどもう被害届を出す出さない、ってカンジの雰囲気ではなかった。


 「皆々様、愚弟が大変なコトをしでかして……誠に申し訳ございませぬっ!」


 ガッシ! ゴリゴリィ!


 「スイヤセェェ~ン! オレが……ワタシが悪ぅございましたぁぁ~!」


 フリョ~のヤツめ、ボーズ頭をひっ掴まれて、交番の床に額をこすりつけられていやがる。力が凄い。これが修行の成果か。


 「「「「ま、まぁその辺で……」」」」


 大人達は秒で許しを与えた。



 「では拙僧達はこれにて。あと二人、刈らねばならない者が居るので……!」


 「オレも山籠りにキョ~ミ出てきちゃったなぁ」


 「フフフ、山は逃げぬ。いつでも好きな時に参るがよい」


 ズルズルズルズル。


 フリョ~を引き摺りながら、住職は去っていく。


 「バイバ~イ! 住職バイバ~イ!」


 「良い空気吸ってんねぇ、キミってヤツは」


 「少しは自重しなきゃメッ! なんだからね」


 最後にお巡りさん達からお小言をもらって、解散の運びとなった。

 ハ~、長い一日だった。



 「あ、あ、あの……お、お兄様……」


 おや、エロカワちぃ。いつになく弱々しいお顔だね。新鮮みを感じるな。


 「ご、ごめんなさい、お顔のハレとか、あちこちおケガを……ちぃのせいで……」


 「OK! OK! こんなん全然大丈夫! ヨユ~で許すよ。もう気にしないでね。でもさ……」


 一言だけ言わせて欲しい。


 「その(エロい)格好で一人歩きすると、また同じようなメにあうかもしんないじゃん?」


 「はい……」


 「だからさ、次からはオレを呼んでよ。二人で歩けば ALL OK! 心配ないさ!」


 「えッ!?!? お休みの日にも、ちぃと一緒に歩いてくれるんデスか!?!? そ、それって、デ、デ……!?」


 デート、だよね。

 我ながら、マジで突っ込んだ提案だと思う。

 姉の推し、推しの妹。前までのオレ達の関係性なら。


 でも、これが今のオレの正直な気持ちなんだ。

 ドキドキと心拍数が上がるのが、自分でもわかる。


 「お、お、お願いしマスっ! お兄様っ!」


 ウォォ~ッ! やったぁ!


 エロカワちぃが顔を赤らめながらも、元気良くお返事してくれたぞ!

 この娘、オレに気があるな……! たぶん、間違いないよな?

 そして、オレもこの娘に気がある!


 ヤベぇ~! もう今まで通りじゃいられね~! 明日っから新しい日常が始まるぅ~! 盛り上がってきたぁぁ~!


 「待ちたまえ! 解決策がおかしくないか!? そもそもウチの娘がこんなワケのわからん格好をしてるのが悪いんだろう!?」


 ちぃパパ! ワリと常識的なご意見!


 「いけないわねェ、アナタぁ。ムスメを助けてくれたナイト様にお礼も言わないなんてねェ」


 ムンズ! ムッギュギュウ!


 「ムグ~ッ!?」


 ちぃママはスーツが似合うゴージャス美人だ。

 ちぃパパを抱き寄せて、胸の谷間に閉じ込めちゃった。力関係が一瞬で丸わかりだぁ。


 「今日はありがとうねェ、カワユイボウヤ♡ お礼に、ウチのムスメを二人まとめて進呈しちゃうわねェ♪」


 「姉の方は……鑑賞用で!」


 「かしこまったわァ、アナが空くまで観てアゲちゃってねェ♪」


 「おかしいって! 娘の彼氏、おかしいって!」


 「そ、そんな、お父様ぁ♡ か、彼氏だなんてぇ♡ まだ早いデス♡ ちぃ、照れちゃいマス♡」


 ビシバシバシバシ!


 「それじゃあまた会いましょうねェ♪ いつでも家に遊びにいらしてねェ♪」


 ズルズルズルズル。


 エロカワちぃにはたかれ、ちぃママには引き摺られ。

 ちぃパパってば散々だな。今度会う時には労って差し上げなきゃ。


 ペシン。


 「あいて」


 オレも父さんにはたかれた。


 「お前な、もうちょっと考えて行動せんか。ケガまでこさえよって」


 「ホントよ! メチャメチャ心配したんだかんね!」


 父さん母さんに叱られてしまった。


 「お前に何かあったら父さん、あのガキを血祭りにあげるところだぞ。良いのか? 親が犯罪者になっても?」


 「そ~よ! そ~よ!」


 凄く怒っている。でもこれって親の愛情だよな。


 フリョ~のアイツは親に愛されたくて、気を引きたくて非行に走ったのかも。


 当たり前にあるものじゃないんだな。ありがたくお叱りを受けよう。


 「ごめんなさい。ちゃんと反省します」


 アイツの家族も山籠りを通じて、仲良くやれれば良いよな。いや、皮肉とかじゃなく、本気で。

 上手くいくように心の中で応援しよう。

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