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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【IF話】 もしもQ極TSカプセルが誕生しなかったら
233/255

あなざ~彩戸すと~り~ もああんどもあ  禁断の……ルート

 「皆、最後にもう一度確認させて! 本当にオレのお嫁さんになんかなって良いの!? ハーレム婚だよっ!?」



 据え膳食わぬは男の恥。

 高波 三五はヘタレである。意気地無しである。フニャチン野郎である。


 ええい! 好きなように言わば言え! 大好きなお姉さん達の人生がかかってんだ! どんな汚名を被ろうがトコトン話し合って 「「「「「イ、イ、イヤアァァァァ~ッ!?!?」」」」」


 「お、落ち着いて!? れ、冷静に、冷静になって話し合おう!? 皆の幸せについて……」


 「イ゛ヤ゛ァ! イ゛ヤ゛ア゛ア゛ァ!」


 「ピヤァァァッ!」


 「ア゛……ア゛……ア゛ッ!」


 「ウ゛ア゛ウ゛ア゛ウ゛ァァ!」

 バリバリバリ! (髪をかきむしる)


 「さ、三五さん、イヤ! 嫌いになっちゃイヤァァ!」


 お姉さん達の阿鼻叫喚!


 ヤバい! 何か誤解されてる!?


 「オレはお姉さん達のこと、嫌いになんかなってないよ!」


 「「「「「イヤァァァァ~ッ!」」」」」


 ダメだ! フツ~の言葉じゃ届かない!

 かくなる上は……。


 「オレ、皆をお嫁さんにしたいよ! 婚姻届にサインしたいよ! ハンコも押したいよ!」


 ピタリ。


 お姉さん達が静かになった。現金だなぁ。


 「グスンッ、は、話し合うって……今更何を?」


 紫夜(しや)お姉さん、よくぞ聞いてくれました!


 「オレってさぁ、極々フツ~な男じゃん? ぶっちゃけ、お姉さん達ならオレよりステキなお相手をヨユ~でGET出来ると思うんだよね。そこんトコどう思う?」


 こんなご時世だろうとも王子様はリアルに実在する。

 お金持ちで文武両道で性格も良くてルックスもバツグン。湖宵の兄、弦義(つるぎ)お兄さんみたいな男性がね。


 男女比1 : 10だから競争率はバカ高いけれども、F(ファン)C(クラブ) お姉さん達の魅力は通常の十倍以上! むしろ男の方から寄って来るってワケよ! (机上の空論)


 そんな風な事を熱く語ってみたんだが……。


 「「「「「?????」」」」」


 全くな~んも通じてねぇ。それどころか宇宙人でも見るような目で見られてしまった。

 おかしいな。オレ、何も難しいこと言ってないよね? 日本語で話しているよね?


 「三五さまよりステキな男性(ヒト)……?」


 「そんなのこの世に存在しませんケド……?」

 

 「お兄ちゃんが!」


 「パパが!」


 「No.1 & ONLY 1 なんですっ!」


 五人が一致団結!

 超力強く超断定的な意志をもっての返答!



 「三五ちゃまってば自己評価低過ぎ~」


 「そうですよ~、三五さんは文武両道だしオシャレだしぃ、ちょ~ステキ男子じゃないですかぁ♪」


 「そうそう! 三五はウチの学校でもトップクラスの人気者なんだよ♪ フツ~だなんてケンソン♪」


 既婚トリオ(メイ・アン・湖宵)から援護射撃が飛んできた。


 「いやいや、オレがハイスペックだとするなら、それはお姉さん達にゲタを履かせてもらったからじゃん?」


 勉強を見てもらったり、運動に付き合ってもらったり、服をプレゼントしてもらったり。それこそ上げ膳据え膳でお世話してもらってるんだぜ? ほとんどオレの力じゃないって。


 「何言ってんのよ、自分で育てるからイイんじゃないの♪ で? アンタ、結局何が言いたいワケ?」


 「……。要は自分に自信が持てないんだよ。少なくとも、こんなに沢山のお嫁さんを躊躇いなく受け入れられる程には、ね」


 

 「アレ? でも私達三人は躊躇いなくお嫁さんにしてくれましたよね?」



 ギクゥッ!


 アンお姉さんに矛盾点を指摘されて言葉に詰まってしまった。


 だ、だが、その理由はもの凄く口に出し辛いのだ……オ、オレはっ、このオレはぁぁっ!



 「アア~ッッ♡ ボク、わかっちゃったぁ♡ それってつまりぃ♡ ボク達三人だけは超! 絶! 特別ってコトォォ♡♡ 三五の人生に必要不可欠でぇ♡ 結婚しない可能性なんて0.000000001%足りとも許容出来ないってコトだよねッッ♡♡」



 「「「「「がががが~んっっ!!」」」」」


 ギクギクゥゥッ!


 こ、湖宵~っ!? 死ぬほど言いにくいホンネを暴かないでくれぇぇ~っ!


 「バッカねぇ、お嬢ちゃま♂️♡ そんなハッキリ言い切ったら紫夜ちゃん達が気の毒じゃないの~♡」


 「そうですよぉ~♡ 私達と彼女達の間には明確な差があるだなんてぇ~♡ 残酷でっすぅ~♡」


 メイ ・ アンお姉さん’s もぉぉ~! 申し訳なさそうな表情(カオ)しながら死体蹴りすんなし!


 いや……いや! やはりこの件に関しては全面的にオレが悪い。


 この時代、 「お嫁さんは平等に大切にしなさい」 なんてのは学校の授業ですら教わる超基本的常識だ。


 だがしかし、既婚トリオには問えなかったのだ…… 「嫁入りは考え直した方が良いんじゃないか?」 だなんて!


 この三人ばっかりは何があろうとも他の男には渡せない! 渡したくない! 指一本触れさせたくない!


 …………。


 おかしいよな? 自分で言っててもそう思う。

 だけど、どうしても! 自分の心に嘘は吐けなかったんだぁぁ!



 高波 三五は! 自分を慕ってくれるお姉さんを格付けしていた! 最っ低最悪のクソ野郎なんだよぉぉ!



 「マジでちゃんと考えてよ! 良いのかよ! オレみたいなヤツの2号さん3号さん (以下略) になってもさぁ!」


 「「「「「そ、そんな……私達と結婚するの、やっぱりホントは嫌なの!?」」」」」


 ハァァ!? 何でそうなる!?


 「わ、私は去年の修学旅行で初めて出会ってまだ間もないから、一緒に暮らしても良いかなって思える程には好感度が貯まっていなかった……とか!?」


 「イコお姉さん、違うって! 好感度は貯まってるよ! そうじゃなくて……」


 「わ、私、やっぱりキモいですか!? 年上のクセに妹みたいに振る舞ったりして……せ、生理的に無理ですかっ!?」


 「わ、私なんか赤ちゃんプレイにドハマリしてたから……ご、ご不快でしたか!? ご不快だったのですね!? 申し訳ございませんん! 罰を! どうか罰をお与えくださいぃ!」


 ペコペコペコォ~ッ!


 「大丈夫だから! 嫌な気持ちになんて一刹那 (約0.01秒) もなってないから! 頭を上げて!」


 いつもキャワキャワなマリカナコンビから折り目正しく90°のお辞儀をされてしまった!?

 まるで罪人のように顔が青ざめているぞ。


 「私ッ! 三五さま以外の男性と結婚するくらいなら、俗世の(えにし)を断絶しますッ! 子宮全摘(全部摘出)して仏門に帰依しますッッ!」


 「みりお姉さぁぁぁん!? 思い詰めないで!? オレにそこまでしてもらう価値なんて絶対無いから!」


 だってオレが女子だったら2号さん3号さんになんか絶対(ぜって~)なりたくね~もん。ムカつくじゃん! いくら好きな人だからってさ!


 

 「やだ……やだぁ……」


 「し、紫夜お姉さん?」


 「お嫁さんになれないのやだ……やぁぁぁだぁぁぁっ! わあああぁぁぁ~んっ!」


 オアァ!? あ、あのクールな紫夜お姉さんが大泣きしたぁぁ!?

 人目をはばからずに小さな女の子みたいに……。


 いつも甘えんぼで泣き虫なマリカナコンビが逆に神妙になっちゃってるし、普段とはまるでアベコベじゃないか。


 お姉さん達にとっては今の状況が異常事態、緊急事態だっていうことか?

 


 「わぁぁんっ! 捨てないでぇっ!」


 ガバアッ! ムギュギュゥ~!


 「う、うわぁっ!?」


 スキあり! とばかりに紫夜お姉さんがオレの脚に組み付いてきた! 更にはフトモモにお顔をグリグリグリグリ!

 綺麗に整ったご自慢のヘアスタイルが乱れるのもお構い無し。


 「紫夜、離れないもんっ! 一生、三五さまと一緒に居るもんっ! 嫌なら力尽くで引っ剥がしてよっ! 期待させるようなこと言わないでよぉぉっ!」


 グゥゥッ! 紫夜お姉さんの想い、熱い! 胸が痛くなるくらい伝わる!


 「ええ~いっ!」


 ピョ~ン! グイッ! バフンッ!


 みりお姉さんが紫夜お姉さんの上に覆い被さるような形でジャンプ! 首の後ろに回された両手を思いきり引っ張られ、豊かな胸の谷間に顔からダ~イブ! してしまったぁぁ!


 「わっぷ!? みりお姉さん!? う、埋まってるってぇぇ! あ゛あ゛あ゛っ! ヤバいぃ!」


 欲望に火が点くぅぅ! 安易な考えに流されるぅぅ!


 「こうなりゃ色仕掛けでも何でも使っちゃりますっ! 止めたければ暴力(バイオレンス) & 権力(パワー)」に訴えてくださいっ!」


 「えええ!?」


 「「わ、私達も~っ!」」


 ヒシッ! ギュウギュウ!


 マリカナコンビがオレの両腕にそれぞれ絡み付いてくる!


 「や、優しい言葉なんかじゃ止まれないのっ! お兄ちゃぁん!」


 「いっそ一思いにやっちゃって欲しいでちゅ! バブバブ~!」


 やっちゃってって!? 覚悟キマり過ぎィ! ちょっと待ってよぉぉ!


 「三五さんっ! 私だって皆と同じ気持ちですっ! もう貴方しか見えないっ! 死なば諸共ですっ!」


 イコお姉さんまでがガラ空きになった背中に負ぶさってきた!


 こ、これは全方位(オールレンジ)美女プレス!


 力尽くで剥がしてみろ!? 無理! オレ、コレ好き!! ずっとこのままでいたい!!! (欲望炎上 ➡️(により) 知能低下)


 ウ゛オ゛ア゛ァァ! あったかくてきもちぃぃ! + 飛びっきりフェミニンなアロマに包まれてるぅぅ!


 「堕ちるぅぅ! ダメになるぅぅ! てかもうなってるぅぅ! 話をっ! 話を聞いてくれよぉぉ!」



 「あのね~、アンタこそ皆の話をちゃんと聞きなさいな。つ~か、この有り様見りゃイッパツでわかるでしょ。この娘達はもう三五ちゃま専用だって」


 「そう! 恋は理屈じゃない、脳汁なのです! 三五さんじゃなきゃキマらないのですよ!」


 メイ ・ アンお姉さん’s からのご意見にハッとさせられる。


 え゛ッ? オ、オレが間違っていた? 自分勝手な考えを押し付けていた? お姉さん達を尊重していなかった?


 だ、だとしてもぉ! しつこいと言われようともぉ! 今一度! 最後に一度だけ! 問わせてくれぇぇ!


 

 「こんな風に毎日ハーレムしてたら堕落の一途を辿っちまうよ! ダメダメのヒモヒモになっちまうよ! そんなオレを愛せんのかよ!?」



 「愛せるに決まってんジャン♪ お金ならぜ~んぶボクが出してアゲル♪ 欲しい物な~んでも買ってあげるカラネ♪」


 こ、湖宵ぃ!? 妖艶な笑みで悪魔の囁き!?


 「あっは♪ 良いわねソレ♪ お世話ならお姉ちゃんにオ ・ マ ・ カ ・ セ♪」


 「カナミんみたいなアカチャンになってもOK……むしろなっちゃえ♪」


 メイ ・ アンお姉さん’s まで悪魔女神の微笑みを!?


 オレはどんどん自分が嫌いになってるのに……この三人ヤベぇよ! むしろ望むところなのかよ!?


 

 「紫夜は! 私は! いつまでも2号さん3号さんに甘んじているような女ではありません! その内に必ずや正妻の座をもぎ取ってやりますっ!」


 し、紫夜お姉さん?


 「私だってお嫁さん (暫定) の中で一番大っきいお胸やキレイなお花とかで三五さまを癒して癒して! ヒーリングな正妻になりますっ!」


 「マリたんは甘えんぼでちょっぴりワガママ☆Cutie Siste ☆ SEISAI にっ!」


 「カナミんは ONLY 1 な BABU BABU ☆ BABY ☆ SEISAI になりまちゅっ!」


 みりお姉さん、マリたん、カナミんも。


 「三五さん、私は皆と比べて思い出も少ないし、バスガイドさんのお仕事があるから基本遠距離恋愛ですけど……ソレって逆にキュンキュンしませんかっ!?」


 「た、確かに。切ないもんね」


 「でしょう!? 他の娘では味わえない恋が想いを爆速で育むハズ! 下克上狙いますよっ! 私はっ!」


 な、何てことだ。

 FCお姉さん達は表では既婚トリオが正妻ですよ~、私達は引き立て役ですよ~、みたいな態度でいながら、裏では出し抜いて自分が正妻になる気満々だった……?


 FCお姉さん達の熱い決意表明は他の全てのライバルに対しての宣戦布告でもあった。


 

 「フフン、三五ちゃまったら、この娘達を見くびったわね。この私が選んだのよ? み~んな自分の幸せは自分で選べる ・ 掴みとれる、ちょ~強かな娘達に決まってるじゃないの」


 

 メイお姉さんの言う通り。

 オレがお姉さん達の幸せを決めるだなんておこがましかった。


 そしてもう一つ気付きを得た。


 オレもオレ自身の幸せを探せば良い。なりたい自分になれば良い。


 ハーレムで甘やかされようがヒモにならずに、逆に皆を甘やかしてメロメロにしちゃうくらいのQ極王子様に!


 そしたら……。


 …………………………。


 アレ? そしたら、良いのか? ハーレムしちゃっても良いのか!?

 オレがここに居るみ~んなをお嫁に貰っちゃっても良いのかぁぁ!?


 ドキドキ! ドキドキドキドキ!


 ウ゛ワ゛~! 理性で塞き止められてた欲望が一気にバーストしたぁ~っ!!


 我慢絶対不可能! もう止まらんぞ! 今更ハーレムダメって言われても、もう遅い!



 「オレ、紫夜お姉さ……紫夜も! みりも! マリたんも! カナミんも! イコも! 全員お嫁さんにする! 絶対誰にも渡さない! 後悔すんなよぉぉぁぁ~っっ!!」


 

 「「「「「キャアアァア~ッ♡♡」」」」」


 ムギュギュギュギュ~♡


 ヤベぇぇ! 全方位(オールレンジ)美女プレスの圧迫が最高潮に! 脳にガツンとキクゥゥ~! ア゛~ッ!


 「三五さまぁぁ~っ♡♡」


 下半身に張り付いていた紫夜が凄まじい勢いでよじ登ってきたかと思えば、あっと言う間にオレの唇を奪った。


 「んっちゅうぅぅ♡ ぷは♡ バカバカ! 三五さまのバカ! 私がどれだけ貴方に恋い焦がれているか教えてあげますっ♡ 夜が明けるまで愛してあげちゃうんですから♡」


 「ズル~い紫夜ぁぁ! 三五さま三五さまっ♡ 私にもちゅ~してっ♡」


 「マリたんもぉ♡ ちゅ~してもらってお嫁さんにしてもらってぇ、赤ちゃんの作り方教えてもらうっ♡」


 「カナミんもでちゅ♡ 赤ちゃんでちゅけどママにしてくだちゃい♡」


 「私は逆に三五さんを可愛がってあげちゃう♡ スーツのおね~さんに甘えさせてもらうの、大好きですもんね♡」


 オ゛ア゛~! 全員で一斉に誘惑してくんの止めろやぁ~! 頭がおかしくなるぅぅ~!


 反撃じゃぁ! キスの嵐を巻き起こしてくれる!


 紫夜の美髪を弄びながらキスを返したり、みりの小っちゃボリューミーなフワフワボディをぎゅ~しながら甘~いキスを重ねまくったり。


 何も知らない (体を装っている) マリたんにキスの味を優し~く教えてあげたり、赤ちゃんガール ・ カナミんには敢えてオトナのキスでトロトロに蕩かせてみたり。


 イコには 「スーツのお姉さんに優しく攻められたい」 という、自分でも知らなかった願望の扉を開いてもらった。


 やりたい放題! ハーレムし放題! 欲望に溺れ放題!

 正に悪魔的魅力!



 「さあ三五ちゃま♡ 皆の婚姻届に署名して♡ 市役所に提出に行かなきゃね♡」


 「その後は皆で仲良くディナータイム♡ からの♡ 嬉し恥ずかし♡ 皆でお風呂タ~イム♡ 大丈夫♡ ボクん家のお風呂(繊月家大浴場)なら全員入ってもヨユ~だから♡」


 「キレイキレイした後はいよいよ♡ 新婚初夜ですね♡♡ え? カラダが保たない? 良いんですよ♡ ドーパミンの赴くまま♡ お好きなお相手をお好きなだけ♡ 可愛がってやってくださいな♡」


 「「「「「さあ、こっちおいで~♡」」」」」


 ズルズルズルズル。


 あっあ~っ! 笑顔でオレを引っ張るお姉さん’s に一切抵抗出来ない! それどころか骨抜きにされてしまって、喜んで言いなりになってしまうオレ!


 だが、だがっ!


 「このまま(ヒモ)では終わらんぞォ~ッッ!!」


 ズルズルズルズル。

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