あなざ~彩戸すと~り~ ・ アン視点 ⑦ 何の脈絡も無く想い人の魅力が爆アガ ⬆️ ⬆️ り!? これは推すしかありませんね! アンルート
※アン視点です。
あっはっは~…………ハアァァ~。
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……手前味噌なんですがね、このワタクシはポヤポヤ & トロそうな見た目とは裏腹に、意外と何でも卒無くこなせちゃうタイプなのですよ。勉強とか運動なんかもね。
花嫁修業だってバッチリ上手くいってて、メイ先生曰く 「やるじゃない。家事の才能あるわよ」 とのこと。
才能、ですか。
才能とは理想を実現する為の筋道がハッキリ見極められて、それに向かって真っ直ぐ進み続けられる能力のことを指すのでしょう。だとするなら……だとするのならば……ッ!
私、彩戸 アンにはッ!
恋愛の才能がッッ!
ありませんッ!
皆無ですッッ!
絶無ですッッッッ!!
その証拠にメイ先生は決っっして 「良いお嫁さんになれるわよ」 とは言ってくれませんしねっ!?
ウギィィ! ダメですぅ! ダメダメなのですぅぅ!
他の才能なんてこの際全部要らないっ! 恋愛の才能と取り替えっこしてぇぇ~っ!
な~にをやってもま~るで上手くいかないんです!
まず色仕掛けでしょお!?
コレが一番ダメ!
例えばエッチな水着とか着て三五さんを誘惑するとしますね? そしたら私は痴女だとドン引きされて、逆に容姿がソックリなメイの株は上がりまくるという最悪の結果に!
私が肌色を露出すると同時にメイの肌色も想像しちゃう!? ドキドキしちゃって異性として意識しちゃう!?
ヤッッバァァイ!
そんなんならもう一生やりません!
あとね、プレゼント選びもヘタクソなんですよね……。
クリスマスの時はたまたま上手くいっただけです。
手編みの手袋とマフラー。喜んでもらえて嬉しかったけど……私としてはもっと良い物を贈りたかった。
あんなのは花嫁修業の一環で編んだだけの物、言わばオマケで用意したつもりだったんです。
この私が自信を持ってお贈りするド本命のプレゼント……それは 現 金 です。
フフフ、高価なプレゼントは禁止? ならば現金をダイレクトに渡せば良いのでぇぇす♪
初めてこの境地に至った時には 「私って天才!? コペルニクス的発想力!」 ってカンジでイケる気しかしてなかったんですが、当の三五さんからは 「もう一生やるな!」 って怒鳴られちゃいました。
クスンクスン、男の子のキモチって複雑だよぉ……。
あとねあとね~、面と向かっては伝えられない (興奮しちゃうから) キモチをポエムや夢小説に込めて、天高らかに朗読してみたんですけどぉ……フッツ~に嫌がられちゃいました。「飛び道具でチクチク攻撃してくんの止め~や」 ですって。
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んもぉぉ~! 恋愛って難しいよぉぉ~! こんなに何やってもダメなのって生まれて初めてだよぉぉ!
ここまでくると他のことなら上手くこなせるという事実が逆に恋愛弱者っぷりを浮き彫りにしています! なんって悲しき皮肉!
恋心を諦めはしません。
しませんが……覚悟はしなければならないでしょう。
…………きっと私の初恋は実らない。
…………私は三五さんの一番にはなれない。
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と
思っていたのです
が!!!
ある日、ある朝、予想だにしない大 ・ 大 ・ 大事件が起こったのです!!
いつも通りに。私の方は本 ・ 当~にいつも通りに嫁ガードを振り切って高波家の前で出待ちしてたんですけどっ!
「おはよう、ファンの女の子かな?」
家から出てきた三五さんが……なんかめっちゃニマニマしてるんです!
何で? どうして? いつもとは全然違う反応に内心 ?? を浮かべつつも、とりあえず 「握手してくださ~い♡」 っておねだり。
もちろん普段ならこんなのは通用しません。
ノー! と強く拒否されて 「握手がダメならシェイクハンドしてください!」 とか私がゴネてるウチに嫁ガードが駆け付けてきてオシオキされる。それがいつもの流れ。だったの ・ で ・ す ・ が……。
キュッ、て。キュッ、てぇぇ!
三五さんが! 三五さんから! 私の手を握ってくれたの! お触りしてくれたのぉぉ!
「今、ど~ぱ出てる?」
出てましゅよぉぉっ♡ だって約一年振りのお触りですものぉぉ~っ♡ 濃ゆ~くてギットギトのヤツがド~パドパ出てくるに決まってるじゃないでしゅかぁぁ~ッッ♡♡ ん゛ん゛あ゛あ゛あ゛~♡ 気持ちイイィ~ッ♡
この後すぐに嫁ガードに引き離されちゃいましたけど、今回は勝ちましたよ! 珍し~く、というか初めて嫁ガードに勝利しました!
これは正に快挙を越えた、奇跡。
それ故にきっともう二度とは起こらないんだろうなあ。そう思っていましたが……違ったんですよっ!
この日を境に! 三五さんは毎日ニマニマ! 毎日からかい混じりのお声をかけてくれるように! なったんですよッッ!
日課と化した嫁ガードとの攻防の〆、ぴえんな私に近寄る三五さん。
「やれやれ、アンさんってホ~ント、オレのことが好きなんだねぇ~♪」
「オレに突撃してくる時さぁ、スッゴいヤラし~顔してるんだよ? 自分で気付いてる?」
「怖いな~ (笑) 捕まったらオレ、何サレちゃうんだろ~ (笑)」
ウヒィ~♡ ゾクゾクすりゅぅ~♡ 新たな流れヤッバァァァ~いっ♡♡
お言葉の内容こそイケない私をたしなめる風ですけれどもぉ、あからさまにご機嫌で面白がっていることは明白でありま~す♪
「で ・ も ・ エッチなのはダ~メ ・ だ ・ ゾ☆」
「はぁぁ~いっ、三五さんっ♪ エヘヘ♪ エヘヘヘヘ♪」
あ~んっ♡ 人生楽し~いぃっ♡♡
しかし何故急に三五さんの態度がガラッと様変わりしたんでしょう?
ちなみに私は変わったことは何もしてませんよ。
いえ、いつもの何の成果も得られないアプローチは欠かさず行ってますけど。でもそんなのいつものことじゃないですか。
不思議ですねぇ~、一体何がキッカケになったんでしょ~?
ハッ! ピ~ンときましたよ!
三五さんの溢れる余裕は自信からくるものに違いありません。そして気品に満ちた立ち居振舞い……なるほどなるほど、謎が解けてきましたよ。
恐らく三五さんはご自分のカワイさを自覚されたのですね……!
花の蜜より甘~く朝露より爽やか~な美少年。
そんな自分は少女を蝶のように (決して蛾ではない) 惹き付けてしまう宿命がある。
そう、宿命。
つまりは至って仕方の無いことなのだから、少しくらいのおイタは広い心で大目に見てやろう。
それは言わば、恋愛弱者への施し。
持つ者の義務を果たすことによって、更にワンランク上の存在へとステップアップされた……そういうことなのですね!? ご立派です!
覚醒した三五さんの進化は止まる所を知りません。
日を追う毎に、月が満ちてゆくようにギュンギュン増していく輝きと存在感!
いえね? 中学二年生に進級して成長期に入られたのも大きいと思いますよ? 身長が伸びて男の子らしい身体付き♡ になってますし♡
しっかぁ~し! それだけではないのでぇ~す!
以前と比べて活動的? というか精力的? になられましたの♪
まず運動!
なんでも毎朝早起きしてジョギングに励み、筋トレなども欠かさず行っているとのことッッ! (興奮)
「ねえ見てよアンさん。オレ、うっすら腹筋割れてきてると思わん?」 ⬅️ シャツをめくってお腹チラチラッ♡
「アッア~♡ しょんなぁぁ~っ♡ エッチしゅぎましゅぅぅ~っ♡」 ブ~ッ! ⬅️ 鼻血噴出!
そして勉強!
平日は授業に一生懸命取り組み、宿題は当然のこと、自主勉強で予習復習もバッチリ☆
休日に皆で集まった時にも遊ぶ前に必ず勉強会を開くようになったんですよ。
三五さんはわからない所があったら、と~っても積極的に質問してくれるのです♪
頼られた私達も嬉しくなっちゃって、どんな難問にも答えられるようにバリバリ勉強!
いつの間にかみ~んな揃って成績がメキメキ上がっちゃいました♪
「これならアンさんが通ってる高校にも余裕で合格出来ちゃうかもね~。あ、でもその時にはアンさん卒業しちゃってるか~」
「あっあぁ~ん♡ そんなぁ♡ イジワルしちゃイヤイヤですぅ~♡」
…………いや、まてよ、留年するという手もワンチャンあるか、も? ⬅️ 真顔で小一時間ほど検討。
……コ、コホン。気を取り直して……。
ラストはオシャレ!
元々清潔感 & 身だしなみバッチリ☆な三五さん。
これまたある日突然 「初めてヘアワックス買ってみたんだ~」 って教えてくれたと思ったら、それから毎朝 「この髪型どうかな?」 「今日のは変じゃないかな?」 って見せてくれるの♡
あ゛っあ゛~! 可愛い! 愛してるぅぅ!
あとぉぉ♡ 服選びとかもぉぉ♡ セクシー系の Select が多くなっててぇ♡ おね~さん困っちゃいますぅぅん♡
「さ、さ、さんごしゃんっ♡ そ、そ、そのシャツのスケ感はッッ♡ エ、エ、エ、エッチにゃのではッッ♡♡」
「え~ (笑) フツ~っしょ (笑) 外ではジャケット羽織ってるし~、キミら三人以外には見せてないし~」
「コ~ラ、三五ちゃんっ♪ そこは 「嫁ガード以外には」 じゃなきゃメッ♪ でしょっ♪」
「そうだゾ♪ 焼きもち妬いちゃうんだゾ♪ 三五ったら♪」
シン ・ 三五さんヤバスギ~ッッ♡♡
変わり過ぎてて、もはや一年前とは別人!? ってカンジでございます!
「秒速でレベルアップするオレの煌めき……見逃すなよ☆」
パチン☆ (ウインク音)
中身も別人!? こんなコト言う人でしたっけ!? ……な~んてツッコむヒマも Nothing!
何故なら三五さんの魅力に気付き始めた学校の女子達が色めき立っている、との情報を GET したのです!
三五さん FC 会長としてウカウカしてはいられません!
爆増するであろうファン女子の為に、ウチワ、ハッピ、ハチマキ、サイリウム。三五さん応援グッズをせっせと製作しなければ!
これらのアイテムはガチでマスト!
身に着ければ気持ちがキリリと引き締まって、推しカツが更に捗りますからネ♪
さあ、それでは本日も参りますよ♪
サイリウムはお手元にございますか?
それでは皆様、ご唱和ください。
「キャ~~ッッ♡♡ 三五さぁぁ~んっっ♡♡」
「声援センキュ~♪ 仔猫ちゃん♪」
ヒィィ♡ 三五さんが♡ 満更でもないニマニマ笑いで手をフリフリしてくださるっ♡ サービス精神旺盛でステキ♡ こ~れだから止められないのっ♡
ん゛あ゛あ゛~っ♡ 最高ッッ♡ ちょ~キモチいいぃ~っ♡
昼は推しカツ、夜はグッズ製作の内職 & ポエム執筆。
いや~、忙しいのなんの♡ 堪りませんね♡
せっせ、せっせ♪ あ~忙し忙し♪
「……キャ~キャ~大騒ぎするようになってから、目に見えて突撃回数が減っている? ま、まさか、あえて魅了したっていうの? 三五ちゃんったら」
「完っ全に悪女を手玉に取っちゃってるね。安心したけど……三五の将来がちょっぴり心配、かも」