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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【IF話】 もしもQ極TSカプセルが誕生しなかったら
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あなざ~彩戸すと~り~ ・ アン視点 ⑥ 恋のライバルに二人がかりでマウンティングされる。それが私の日常  アンルート

※アン視点です。

 「アンタの歓迎会と入学式が終わったらビシバシしごいてやるんだから! 覚悟しときなさいよ!」


 悪い子ちゃんな私を矯正する使命に燃えるあまり、若くしてお姑さんみたくなっちゃってるメイ。

 こんな人と一つ屋根の下で暮らすなんて息が詰まりそうですね。ヤバいです。


 更に最悪なことに一人じゃなかったんですよ。

 強大かつ絶対的な恋のライバルってヤツは……。



 「悪女 ・ アン! 三五は絶対渡さないっ!」



 初対面からの第一声が宣戦布告!


 私をキッ! と睨んでビシッ! と指を突き付けるのは三五さんの幼馴染みにして大親友の繊月(せんげつ) 湖宵さん。


 プンプン怒ってはいますが彼の容姿 ・ 雰囲気 ・ 仕草はす~っごく華やかでと~っても愛らしく、とてもじゃないけど男の子には見えませんでした。


 その理由は明々白々。

 この人、心は女の子なんだ! 三五さんに恋しちゃってるんだ! 私が元々想定していたよりも一兆倍くらい激しく愛しちゃってるんだ!

 そうでなけりゃ三五さんにおイタした私のことを親の仇を見るような目で見てきませんって。


 うわぁ~……ショック~……悲しい~……。

 私、湖宵さんに会うのも楽しみにしてたのに。仲良くなりたいなって思ってたのに。

 こんなに嫌われてしまっては夢のまた夢。


 うぅぅ、しんどいです。クスンクスン。

 こうなったら……。


 三五さぁぁ~んっっ♡ 私のこと慰めてぇぇ~っ♡ ムチュチュチュ~ッ♡


 

 「「嫁ガァ~ド ・ リフレクションッ!」」



 バシィィン!


 キャアアァァ~ッ! な、何ですって!? 嫁ガードですってぇ!?

 な、何度アタックしても三五さんに全然近寄れませぇぇぇん! タッグを組んだメイと湖宵さんに弾き飛ばされちゃいますぅ!?



 「アンタ、私達の許可無く三五ちゃんに接近すんの禁止! お触り厳禁なのは言わずもがな!」


 「三五のお写真撮るのも禁止だよ! 隠し撮りなんかしたら強制(スマホ)機種変の刑(ブッ壊してやるん)だかんね!」


 「スマホでのやり取りも禁止! 三五ちゃんの連絡先を聞くのも禁止!」


 「高価なプレゼントを渡すの禁止ぃ! 何故ならそれはボク達の特権だから!」


 「律令を敷かれちゃってるんですけどぉぉ! 恋愛GHQですかアナタ方はぁぁ!」


 クゥゥッ! でも逆らえない! 上位存在からの命令に!

 更にね! お二人ったらね! 法でがんじ絡めにするだけじゃ飽き足らず、私のことを監視までしてくるんです! 三五さんが側に居ない時でもどちらか二人は必ず私が暴走しないように目を光らせているという……。


 嫁ガードき~び~し~い~!

 扱いがまるで罪人 or 囚人なんですけど!? ってゆ~かまさか、この状態ってこれから毎日ずっと続くのぉ!?

 私の日常 & 恋模様、ハードモード過ぎませんか!?

 恋の神様~っ! 環境修正してくださぁ~いっ! 



 ハアァァ~……それからぁ~、お休みが終わってぇ~、中学校の制服姿の三五さんにキュン♡ してアタ~ック! しようとしたところをフン捕まえられて高校の入学式に連れて行かれてぇ~、いよいよ明日の早朝からメイ先生のしごきが始まりまぁ~す。 (捨て鉢)


 「家事のイロハを一から叩き込んでやるわ!」 ですって。

 これって実質、刑務所の奉仕労働みたいなモンですよね。


 普通ならテンションダダ下がり ⬇️ ⬇️ なのですが 「花嫁修行よ!」 な~んて言われてしまってはウキウキワクワク ⬆️ ⬆️ せざるを得ません。

 私に言うこと聞かせる為の方便に決まっているのに。わかっていてもノせられちゃう。悔しいっ。


 

 そんなワケで朝五時に起床。


 「まずは朝食の準備ね。私は道具を揃えとくから、アンちゃんはその間に洗濯機回しといて」


 「は~い。でもアンちゃん呼びは止して」


 お願いね~、って言ってお台所に消えていくメイ。


 さてお洗濯、ですか。

 言われてみれば洗濯機を使うのってこれが初めて。

 使い方わかりません☆

 でも慌てませんよ。こんなのスマホで調べれば良いのです。


 「えっと~、洗濯機ぃ~、使い方ぁ~、メーカー名とぉ~、型番を~、ってあれ? 型番は? 型番はどこに書いてあるんでしょ~? あれ~?」


 「え~い! 日が暮れちゃうでしょ~が! アンタね! わかんなかったら聞きなさいよね!」


 あらま、メイが戻ってきてテキパキお手本を見せてくれました。


 フムフム。まずは服のタグをチェックして洗濯機洗い不可の物を分けて、ブラジャーみたいにワイヤーが入っていたり色落ち ・ 型崩れして欲しくない物はネットに入れる、と。

 それから分量をキッチリ計った洗剤を洗濯槽の中に入れてボタンをピッピッ。

 うん、覚えました。


 メイはお料理をする時にも基礎の基礎から、それこそ包丁はこう持って反対の手はネコちゃんの手にするのよ、とか料理は計量が命なんだからね、などなど懇切丁寧に指導してくれました。


 朝食後、洗濯物を干したりお花の水やりをやる時なんかにも一緒にやってくれて的確なアドバイスまでしてもらえちゃいました。


 こう言ってはなんですが意外でした。

 しごきだなんて言うから、もっとドギツい試練を課して私の心を挫きにくるのかと。

 これじゃ本当に花嫁修業じゃないですか。


 洗濯物はキレイになって気持ち良いし、朝から手の込んだ美味しいお料理は食べられるし、手入れの行き届いたお庭でお花を愛でると心が清らかになります。もっともすぐに欲望()で真っ黒になりますケドね☆ アハハ☆


 思えば初めて来た時から彩戸(さいど)家って居心地が良いな~と思ってはいたんですよね。

 どのお部屋もチリ一つ落ちていないし、おフトンはフカフカ。バストイレは常にピカピカで高級ホテルみたいにラグジュアリー♪

 間違っても刑務所扱いして良い場所ではない、ハイランクな生活空間なのです。失礼しちゃいました。


 しかし家事のチカラというのは侮れませんね。

 マスターすればセレブな生活が手に入って女子力もUP。

 もしかしたら三五さんに手料理を振る舞える chance も!? 「美味しいよ、アンさん。毎日作って欲しいな」 なぁぁ~んて♡ ガゼンやる気が湧いちゃいます!


 「色々教えてくれてありがとう、メイ先生♪ 明日からもよろしくね♪」


 「フフン♪ 任せときなさい♪」


 家事を通じて従姉妹の絆が深まります。

 前よりもっとも~っとメイと仲良くなれました。

 ……もっとも家の中に限っては、ですけどね。



 「三五さぁぁぁん♡ お姉さんのお胸に♡ 飛び込んでおいでぇぇ~っ♡」


 「飛び込んでんのはアンタでしょ! 悪のロケットおっぱいめ! 撃墜してやる!」


 ガチィィン!


 ギチギチギチ……! (コブラツイスト)


 「痛い痛~い! ぴぇぇぇ~ん! ごめんなさぁ~い!」


 外に居る時には毎日毎日泣かされております。


 でもでも、三五さんが悪いんですよっ♡ ちょ~ちょ~世界一魅力的でお姉さんをドキドキ♡ させるんですからっ♡


 「「責任転嫁すんなっ!」」


 ハイ、ごめんなさい。全て私が悪うございます。


 あのねっ! でもねっ! 我慢なんて無理ですよっ!


 恋をするのって、お目々を♡ ♡(ハート) にさせて 「三五さん好き好きィィ~♡♡」 って叫びながらアタックするのってスッゴく気持ちイイ♡ んだもの♡ (最低)


 正直、暴走を確実に止めてくれる嫁ガードに甘えてワザと自重しない自分がいます。それくらいサイコ~なゼッチョ~快楽なんですネ♡ (最低)


 あと実害を受けていないからか三五さんが面白がってくださるのが大きいです。


 「「嫁ガァ~ド ・ リフレクションV2 !」」


 バシバシィィン!


 「ぴえ~んっ!」


 「ふう~、今のはスリルあったなぁ~。ありがとう、嫁ガード!」


 「三五の日常は!」


 「お姉ちゃん達が守る!」


 これが私達の新しい日常。テンプレートなルーティーン。

 想い人からお笑いキャラとしか認識されていないこの現状。

 恋の進展など望むべくもなく……。





 そんなこんなで時は流れ、あっと言う間に一年が経ちました☆


 相も変わらず三五さんに迫って嫁ガードにやっつけられる毎日で~す☆


 え? しつこ過ぎる? 絶対に脈無しだから諦めろ?


 ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。


 ぴええええぇぇぇぇ~~んっっ! うるちゃいうるちゃいうるちゃ~いっ!


 そんなの私が一番わかってるに決まってるじゃないですかぁぁっ!

 それどころかもうね! 今後ってゆ~か、未来すらわかっちゃって辛いです! 見え透いちゃってキツいです!



 ホワンホワンホワ~ン (未来予想SE)


 立派な大人の男性に成長した三五さん。

 彼の逞しい腕を左右から組むメイと湖宵さん。


 嫁ガードは三五さんの愛と信頼をその身に受けて、今よりもキラキライキイキしていることでしょう。


 そしてその後ろをチョロチョロ追いかけながら卑屈にヘラヘラ笑う私……。


 ホワンホワンホワ~ン (現実回帰SE)



 未来の私、みっともなぁぁ! 流石に自分でもどうかと思う!

 クゥゥ! でもこの想いを諦めるなんてムリ! 検討するまでもナシ!


 いえね? 私だって女の子ですから? 実はね? 不安に悩まされてベッドの中でモンモンとしちゃう夜だってあるにはあるんですよ? 一分間くらいですけどね?


 で ・ も。


 そんな時には三五さんとの優しい思い出が私の胸をホンワカ暖めて幸せな眠りへと誘ってくれるのですよ。


 そんな思い出が存在するのって?

 そりゃ~ありますよ。一年以上も一緒に居る (私はつきまとってなんかいない!) んですもの。


 嫁ガードに負けてションボリ大人しくなった私に声をかけてもらって、ちょっとだけお話ししたりとか。


 手作りピンホールカメラで白黒写真のツーショットを撮ったりとか。


 特に忘れられないのがクリスマスの思い出。


 律令のせいで三五さんへのプレゼント予算がお子ちゃまのお小遣い並みになってしまいました。


 四苦八苦した末に私が用意出来た心ばかりのプレゼント、それは手編みのマフラーと手袋でした。


 んも~! こんなんじゃメイと湖宵さんの豪華プレゼントに太刀打ち出来ませ~ん!

 てゆ~かジャケットからシューズまで自分達好みのトータルコーディネートをまるっとプレゼントですって!? そんなのズル~い! 羨まし~!


 凹みまくっていたんで ・ す ・ け ・ ど! 意外や意外。

 三五さんは手編みのマフラーと手袋を 「こういうのが良いんだよ」 って♪ 嬉しそうに受け取ってくれましたの♪

 さ ・ ら ・ に♪ 私に飛びっき~りの笑顔を向けてく ・ れ ・ て♪


 「オレ気に入ったよ。ずっと大切にするね」


 ああ、この人を好きになって良かった。


 心の底からそう思う。


 何度だってそう思う。


 この恋を諦める? 自分の手で終わらせる?

 ハッ、そんなのあり得ませんよ。


 恋なんて言ってしまえば山火事みたいなものですよ?

 山火事が簡単に収まりますか? ましてや人の手でコントロール出来ますか? 絶対不可能ですよ。


 こうなってはもう燃え尽きるまでド派手に恋しまくるしかありませんねっ!


 ケシズミになるまでラブラブファイアーしちゃいま~す! あ~っはっはっは~! (ヤケクソ)

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