表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【IF話】 もしもQ極TSカプセルが誕生しなかったら
219/255

あなざ~彩戸すと~り~ ・ アン視点 ② この気持ち、もしかしなくても超絶対に紛れもなく100%恋ですね。それ以外の可能性が有り得るでしょうか? いいえ、有り得ません (反語)   アンルート

※アン視点です。

 インドア派で読書趣味の不思議ちゃんガールと言われるこの私にだって、浮いた話が全く無かったワケではないんですよ?


 日本人学校には私と同じような理由で N(ニュー) . Y(ヨーク) に移住している日本の男の子もいっぱいいますし、アメリカってホームパーティーとかが盛んなフレンドリーなお国柄なので出会いには事欠きませんしね。


 女の子達から合コン? みたいな集まりに誘われたこともケッコ~ありました。

 でも私はそういった類いのお誘いは全てお断りしてきました。

 何故なら面倒くさいからです。気分がノラないのです。ダルいのです。

 恋愛小説で何度も読んだことあるし、ワザワザ体験するまでもないかな~みたいな。



 そ ・ ん ・ な ・ 自他共に認めるのんびりちゃんなこの私に、まさか気になる男の子が出来るなんて♪

 しかも日本まで遥々会いに行きたい! って思うレベルの! ヤバいです! 熱いです! 嬉しくて心が弾んじゃいます♪


 

 思い立ったが吉日。

 早速、両親に相談しましょう、そうしましょう。


 「日本の高校を受験したいです。将来、入りたい大学があるから」


 う~ん、我ながらもっともらしい言い訳ですネ。


 両親も 「そうだね、それが良いね」 ってアッサリ賛成してくれました。

 メイのお家に下宿させてくれるようにお願いまでしてくれて至れり尽くせりです。


 さあ、後は色々と頑張るだけです!


 帰国子女枠での受験ということで、何やかんやと特別な準備や煩雑な手続きなどなどがありましたが、ガチで一切苦になりません。


 ああ、早く三五さんとご対面♪ した~い♪

 一緒に楽しいことしたい、笑い合いた~い♪

 いっぱい仲良くなって、メイと湖宵さんに焼きもちなんて妬かせちゃったりし ・ て♪


 初めて芽生えた、この熱い気持ち。

 新鮮を通り越して革新的ですらあります。

 なぁんて爽快な気分♪


 新しい自分を見付けられたのも三五さんのお陰ですね。

 フフフ♪ このお礼を言う為だけでも日本に渡る価値は充分にありますね。


 モチベーションは最 & 高♪

 今の私の勢いは誰にも止められませ~ん!


 

 トントン拍子で受験をクリアー。

 その流れで一切の躊躇いも無く渡航。


 親元を離れる不安?

 N . Yに住み慣れた私にとって日本はほぼほぼ異国の地?


 フ ・ フ~ン♪ そ~んな程度の障害はワクワクプリンセス ・ アンの前では障害足り得まっせ~ん♪



 十数時間のフライトすらも楽しんじゃって遂にこの私、日本へと帰国を果たしました。



 「アンちゃん、来たわね」


 空港ではメイの一家が総出で私のことをお出迎えしてくれました。

 いや~、ありがたいですね。

 でもアンちゃん呼びは止して。


 「ワザワザお迎えに来てくれてありがと、メイ。それで? 弟ちゃん達 (てゆ~か三五さん) は来てないの? いつ紹介してくれるの?」


 お礼もそこそこに 「いいから弟ちゃん達に会わせろ」 とおねだりする私。

 ハチャメチャに失礼千万ですけど致し方ありませんね~。

 だってメイが悪いんですもの。弟自慢しまくって私を羨ましがらせるから!


 「落ち着きなさいな。ちゃんと紹介してあげるから。日を改めて、ね」


 「ええ~っ!? 今日じゃないのぉ~!?」


 「慌てる乞食(こじき)は貰いが少ないわよ。実はね~、湖宵ちゃんチのお屋敷をお借りしてアンタのサプライズ歓迎パーティーを開こうってコトになってんの。その時までお待ちなさい」


 誰が乞食なのよ。

 でもなるほどね~。

 そのパーティーでいきなり私を紹介して弟ちゃん達をビックリさせちゃおうって趣向ね。


 良いじゃないですか~♪

 第一印象って大事ですものね。

 それによく考えたら今の私は意気は揚々でも、身体はクタクタのヨレヨレです。あと服なんかもちゃんと選びたいですし。


 ここは一旦疲れやストレスをスッキリとリフレッシュさせてからパーティーに臨むのがベストなプランですね。

 メイったらなかなか気が利くじゃない。


 「ンフフ♪ 三五ちゃんに湖宵ちゃん、どんなお顔するかしら♪」


 あ、メイの頭の中は弟ちゃん達を楽しませることでいっぱいみたい。

 私の為だなんて微塵も思ってませんね、これは。


 ふ~んだ! こ~なったらバッチリおめかしキメて、ちょ~お淑やかにご挨拶して素敵な出逢いを演出してぇ、弟ちゃん達のハートをガッチリ掴んじゃうんですから♡


 「ウフフ♡ 三五さんが私に一目惚れしちゃったらどうしましょ♡ ……って、それは無いか~。私ってばメイとソックリの顔してますもの。三五さんにとっては見飽きたつまんない顔ですよね~」


 「ハァァ~!? アンタねぇ! 三五ちゃんと湖宵ちゃんが私の顔を見飽きるワケなぁぁい! 大 ・ 大 ・ だ~い好きなお顔に決まってんで ・ しょっ!」


 仔猫のケンカみたいにキャイキャイ言い合う私達。

 メイと居るといっつもこうなっちゃうんですよね~。


 フフッ♪ これからはと~っても賑やかで退屈とは無縁の毎日になりそうです♪


 

 この日は素直にメイのお家でまったり、次の日もゆっくり過ごして休息を取りました。


 そして元気元気の来日三日目。



 お昼ご飯を食べた後に、メイがこう言いました。



 「今日はこのメイちゃんが日本の街を案内してあげる。感謝してくれても良いのよ♪」



 も~、メイったら。

 でもその申し出は渡りに船、Good(ぐっど) idea(あいでぃ~あ) というヤツです。

 私の歓迎パーティー♡ に着て行く服が欲しいなって思っていましたから。お店の場所を教えといてもらわないと。


 

 「フッフッフ、パーティーが待ち遠し過ぎてムズムズウズウズしていたの。案内よろしくね、メイ!」



 気合い & やる気がメラメラ燃えます!

 いざ、参りましょ~!


 「任せて。この番組観終わったらね」


 メチャクチャ盛り上がる私をよそにソファーにコロンと寝転んでくつろぎモードのメイ。


 んも~! 相変わらずマイペースなんだからぁ! ⬅️ 他人(ヒト)のこと言えない。


 「そんなの待ってらんない! 私、先に行ってるから! 後から追いかけてきてね」


 「一時間後に駅前広場で待ち合わせしましょ。迷子になったら連絡してね~」


 「迷子になんかなりません~! 行ってきま~す!」


 全くも~! あんなにわかりやすい待ち合わせ場所がわかんなくなるワケないでしょ!

 いっつも私のことポケポケ赤ちゃん扱いするんだからぁ! 同い年のクセにぃ! プンプンプン!

 私だってもう高校生になるんですからね。


 

 お散歩がてらに初めての道をズンズン練り歩きます。


 不安? そんなのカケラもありません。

 だって日本ってアメリカと比べて小綺麗っていうか、治安が良いっていうか?

 女の子の一人歩きだって安心安全。解放感があって良きです。


 弾む足取り、はためくスカート。


 るんるんる~ん♪


 ご機嫌ウォーキングで探検が捗りますね。

 お陰で少し早い時間に待ち合わせ場所に着いちゃいました。



 さてさて、メイが来るまでカフェで お 、 茶 、 で 、 もおおぉぉぉ~~っっ!?!?



 ビシビシビシィィッ!



 突然金縛りにかかる私。


 それもそのハズ。


 だってだって、見付けてしまったから。


 視線の先に。


 年下の可愛い男の子。


 初めて訪れる見知らぬ都市で、唯一見知っている存在。


 長年の想いと憧れが積み重なって、遂に日本へと旅立つ決意をさせた人……!


 そんな特別な人を見付けてしまったから!



 三 五 さ ん 。



 ああぁぁっ! 本物だぁ……っ!


 心に焼き付けた (ケチケチメイがお写真くれないから) その姿、見間違えるハズもない。


 ああっ! 三五さんが実在してるっ!

 ズンズンって力強く歩いてるっ!


 お目々をあんなにキラキラさせて……。


 ワクワクを隠しきれない溌剌とした表情で……。


 まるで大冒険に臨んでいるかのようなそのお顔は愛くるし過ぎて……!


 私はっ! 見ているだけで私は……!

 もうッッ…………!


 

 ズキュンッ! バキュンッ! ドギュゥゥ~ン!



 ん゛あ゛あ゛あ゛ぁぁ~んっっ♡♡


 う、撃たれたっ♡

 撃ち抜かれちゃいましたぁぁん♡


 (の~)味噌! 心臓(ハート)! 子宮を同時にぃ!

 恋の三点バーストですっっ! (下ネタ)


 

 そう、これは、恋!

 これこそが、恋!


 もしかして、なんてあやふやな予感を刹那で塗り潰す圧倒的確信っ!



 彩戸(さいど) アンはっ! 高波 三五さんにっ! 完全完璧に本当に本物の恋をしていますぅぅぅ!

 何なら劣情も抱いてますぅぅぅ! (下ネタ)



 感覚が、直感が、魂が。

 叫んでいます。


 こ、これが恋愛感情……!?


 なんと熱く狂おしく、そして右脳的なのでしょうか……!


 ああ、なんと愚かなことでしょう。

 今までの私は恋愛小説やドラマ、あるいは他人の恋のウワサ話などといった左脳的情報(データ)ばかり集めて満足して……それで恋を知った気になっていました。


 そんなものは所詮、恋のダシガラに過ぎないのにっ!


 爆発する心臓! 炎上する血潮! 目覚めるオンナとしての自覚! キマる(の~)内物質!

 未知の想いが身体中に満ち満ちて、力が漲らせまくるのですっ!

 これこそがフレッシュな(活きた)恋愛感情っ!


 キュピンキュピンに覚醒しました。

 というか私の右脳は今まで死んでいたのかもしれません。

 だってこんなの私、知らない!


 あ゛あ゛あ゛! ムズムズ疼いてジッとなんてしてらんない!


 ザッザッザッザッ!


 気が付くと衝動のおもむくままに愛しの三五さんの元へ歩き出していました。

  


 「あ、あの……三五さん……ですよね?」



 ああっ♡ く、口が勝手に三五さんに声をっ♡

 大胆ですっ♡ 積極的ですっ♡

 

 まっさかのんびりお嬢ちゃんと呼ばれたこの私が初めて出逢った異性に街中で声をかけるなんて……。


 ……………………………………………………?


 あれ? これってもしかしてナンパ……というヤツなのでは?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ