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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【IF話】 もしもQ極TSカプセルが誕生しなかったら
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彩戸すと~り~ ・ メイ視点 ① わたしがおねえちゃんよ  メイルート

※メイ視点です。

 小っちゃくって、まぁんまるであったかくって、目が合うとにぱぁ~って笑いかけてくれた。

 

 可愛い二人の天使達。

 小さな頃の三五ちゃんと湖宵ちゃん。


 一目見たその時に私はもうメロメロになってしまった。


 か、可っ愛いぃ……! 可愛過ぎるぅぅ……!

 どっちか一人だけでも世界一可愛いのに、二人ってば子犬の赤ちゃんみたいに仲良しで、ピッタリくっついて片時も離れないの。

 この愛らしさは宇宙一でしょ!!!


 わ、私も! 私も仲間に入れて欲しい!


 強く強くそう思った次の瞬間には二人をぎゅ~っと抱っこして、ゆっくりと、だけど力強く宣言していた。



 「さんごちゃん、こよいちゃん、はじめまして。わたしがあなたたちのおねえちゃんよ」



 これが私の一番古い記憶。

 けれどいつまでも鮮やかで色褪せない誓い。

 “(メイ)” というアイデンティティーが確立された瞬間。



 小さな頃の話よ。

 ある日、私は両親に連れられて大きなお屋敷にやって来たの。

 お父さんと仲の良い家族達でパーティーをするんですって。

 

 高波さんと繊月(せんげつ)さん。

 お父さんのお友達にも小さな子供がいるみたい。


 親達に 「遊んであげてくれる?」 って言われて初めて三五ちゃんと湖宵ちゃんに引き合わされた時、ビビビッ! と電撃が走ったの。

 

 そして0.1秒でお姉ちゃん宣言。


 ああ、お姉ちゃん。

 なんて、なぁ~んて素敵な響き。

 今日から私が、私だけが可愛い可愛い弟ちゃん達のお姉ちゃんなんだ。

 世界でただ一人、この私だけが!


 とか思ってたんだけど、実は湖宵ちゃんには弦義(つるぎ)さんっていう実のお兄さんがいるのよね。

 でも彼ったら自由奔放でジッとしてらんない性格みたいで、小っちゃい弟のお世話なんて全然してくれないんですって。(信じらんない!)


 私達が初めて顔を合わせた日も勝手に抜け出して、お友達のお家に遊びに行っちゃってたみたい。

 

 だったらお姉ちゃんの座を私が独り占めしちゃっても良いわよね?


 ちょ~っと申し訳無いとは思うけども、こればっかりは誰にも譲れないの。弟の為ならリアルに決闘だって辞さないわ!


 息巻く私だったけども、弦義さん的にも渡りに船だったらしく 「そんならヨロシクちゃ~ん♪」 みたいなウザいノリでお世話を任されちゃった。

 良かった。力尽くでわからされるお兄さんはいなかったのね。



 それからの私はヒマさえあれば二人に会いに行って、構い倒しまくり & お世話焼きまくりの HAPPY♡お姉chan LIFE を満喫することになったの♡


 同時に理想のお姉ちゃんを目指して日々のトレーニングも欠かさず行うようになったわ。


 まずは学校のお勉強でしょ。

 知的でクールなお姉ちゃんになるのよ。


 「おねえちゃん、あったまイイ!」


 「おねえちゃん、おべんきょ教えて~」


 お次に各種スポーツでしょ。

 美しくしなやかなスタイルのキープはもちろん、いざって時に動けるお姉ちゃんでいなきゃね。


 「おねえちゃん、カッコイイ!」

  

 「おねえちゃん、逆上がり教えて~」


 後は色々な面白いものとか流行りとかの情報収集も忘れちゃダメよね。

 楽しい遊びや話題を提供してお堅いばかりのお姉ちゃんじゃないのよってトコを見せつけないと。


 「おねえちゃん、アンテナの感度高い!」


 「ドロケイ!? 缶ケリ!? 宝鬼!? シゲキ的でちょ~楽し~!」


 そんで特に力を入れたのっていったらやっぱ家事よね。

 カワイ~弟達には美味しいものを食べてもらいたいし、清潔な服を着ていてもらいたいし、キレイな場所で生活して欲しいもの。


 お母さんに弟子入りして毎日お手伝いしまくったわ。

 お陰で家事スキルがメキメキ上がってお小遣いまでGET☆ 一石二鳥作戦ってワケ。


 思い返してみると割かしハードスケジュールよね、子供にしては。

 でもぜ~んぜん苦になんかならないの。


 「おねえちゃんのクッキー最ッ高!」


 「ボクもおねえちゃんみたいになりた~い!」


 「「おねえちゃん、大好き!」」


 三五ちゃんと湖宵ちゃんの花丸キュートな笑顔が♪ 幾千幾万の賛辞が♪ 羨望の眼差しが♪ お ・ 姉 ・ ちゃ ・ ん♡ であるこの私にハイパー∞のエネルギーを与えてくれるんですものぉっ♡


 「お姉ちゃんも大好きよぉ~っ♡」


 両腕に二人をW抱っこ &(からの) 力一杯むぎゅぎゅぎゅぎゅう~っ!

 もうね、地球上にこれ以上の幸せなんて無いんじゃないかって思うの。いや、間違い無く100%存在し得ないわ。(断固たる反語)



 お母さんによく驚かれたのよ。

 三五ちゃんと湖宵ちゃんに出会ってからハチャメチャに活発になったって。前はもっと引っ込み思案だったのにって。

 てゆ~か私自身、二人に会う前のことなんてカケラも覚えてないわ。


 「ねえねえ、ケッコンしようよ! ぼくとこよいとおねえちゃんの三人で!」


 「え~っ!? さんごってばカタヤブリすぎるよぉ! そんなの日本国けんぽ~がゆるさないよぉ!」


 「ア~ッハハハ♪ イイじゃないのよ♪ お姉ちゃんが許してあげる♪」


 カワイイカワイイ弟達の為だけに脳の容量(キャパシティ)を使いたいんだもの♪ 覚えてなくても仕方ない仕方ない♪

 それも一重に愛のチカラよね。


 えっ? いくらなんでも弟が好き過ぎだって? それもヨソのお家の子なのにって?


 そう。実はこの私、彩戸(さいど) メイには聞くも涙、語るも涙の悲しい過去が…………まあ特にあったりしないわ。

 幼い頃、実の弟と死に別れてしまった……みたいなバックストーリーも皆無。私は N(ナチュラル)B(ボーン) 一人っ子よ。


 それじゃおかしいだろって? 何よ! 良いじゃないのよ! 好きなモンは好きなの!


 二人には星の数よりいっぱいの魅力があって、それらを一つたりとも損なわずに素敵な大人になって欲しいの、私は。

 そんでキラッキラな二人に私のことをずっとず~っと大好きでいてもらいたいの。

 あと尊敬とかもしてもらって 「お姉ちゃん最高~! 大好き~!」 とかって一生言っててもらいたいの。


 これが彩戸 メイの生き様なの!



 こんな私だから学園生活において浮いた話にはとんとご縁が無かったわね。

 いやいや、別にモテなかったってワケじゃないのよ? ホントにホントに。だ、だってデートの誘いみたいの何度も断ったことあるもの。(震え声)

 お、お姉ちゃんは弟達のお世話で忙しいの! 他の男に使う時間は一秒だって惜しいの!


 そ、それに叶えなきゃいけない夢があるからね。

 


 私の将来の夢、それは弟達のお世話を仕事にすること。


 そ~んな私情コミコミの都合の良い職業がありますかって?

 あるのよね~、それが。


 湖宵ちゃんのお家は大きなお屋敷だからお部屋がたっくさんでお庭もちょ~広~いの。

 毎日のお掃除だけでも大仕事で必要不可欠なのがそう、お手伝いさん。


 湖宵ちゃんのお屋敷に住み込みで働かせてもらえば湖宵ちゃんと四六時中一緒にいられるし、三五ちゃんが毎日遊びに来てくれるってワ~ケ♪

 しかも二人の身の回りのお世話が更にディープに出来ちゃうってんだから、こりゃ~もう私にとってのサイキョ~天職 OF THE WORLD よね~。狙わないワケがないじゃなぁ~い♪


 

 野望に燃えるメラメラメイちゃんは高校在学時から家事 ・ ハウスキーピングの勉強、栄養士 ・ 車の運転免許などの資格の取得……などなどとにかく考え得る限りのお手伝いスキルを限界突破させたの。


 その甲斐あって晴れて私は繊月家のお手伝いさんになれたの♪

 湖宵ちゃんのことをお坊っちゃま♡ って呼んで楽しいお世話ライフを満喫♡


 お坊っちゃまのママ……奥ちゃまにも重宝してもらってるのよ。

 何せ昔から実の娘みたいに可愛がってもらってるからね。

 使用人でありながらも気心が知れてるから忌憚の無い意見をズバズバ言ってもらえるの。

  それで他の通いのお手伝いさんや出入りの庭師さん達とかとの橋渡しがスムーズに出来ちゃうのね。いわゆる職場の潤滑油ってヤツよ。


 こうして華麗なる就職を果たした私。

 必要としてもらえているんだもの。一生懸命頑張るわよ!


 弟パラダイス……もとい繊月邸を隅々までピッカピカにして更なるあったか幸せ空間にしてみせるわ。


 全てはお坊っちゃまと三五ちゃん、愛する二人の健康と未来の為にね。


 頑張るお姉ちゃんの姿、ちゃんと見ててよね♪ 私の天使ちゃん達♪

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