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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【IF話】 もしもQ極TSカプセルが誕生しなかったら
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彩戸すと~り~ ⑭ 三五さん魔改造職人☆お姉さん  メイルート

 大人の階段を上ってからオレは変わった。

 生活スタイルそのものが様変わりしたからだ。



 まずは朝の日課のランニング。


 前は一人で黙々と走っていただけだけど、今は違う。


 「頑張れ頑張れ、三五ちゃま~♪」


 なんと! メイが自転車に乗ってついてきてくれるようになったのだ!


 大好きな人に声援を送られたとあっちゃあ、張り切らざるを得ね~のが男の子ってモンよ。

 自然と背筋がピシッと伸びてフォームがキレイになり、最高の走りになっちゃうぜ。


 「カッコイイ♪ ステキよ~♪」


 うっおぉぉ! 力が漲る! エネルギー全開ぃぃ!

 ギュギュ~ンとランニングコースを走破!


 「やるじゃな~い! お姉ちゃん、マジで感心しちゃったわ。大会とか出られるんじゃないの?」


 「いやいやいや! オ、オレなんてまだまだだよ! へへ! へへへ!」


 メイってばホント誉め上手♪ 明日も頑張るぞ~♪


 

 ランニングの後は一緒にオレのウチへと帰る。


 オレがシャワーを浴びている間、メイが母さんと二人で朝ごはんを作ってくれるんだ。


 「美味しい! 今日のご飯も最高だよ、メイ!」

 

 「ありがと♪ い~っぱい召し上がれ♪」


 「メイちゃん、いつもありがとうね。デキたお嫁さんを持てて幸せだわ~♪」


 「全くだ。三五は幸せモンだよ」


 ウチの両親の好感度ゲージは既に天井ブッチギリ。

 実の息子より可愛がられちゃってるぜ。


 

 朝食が済んだらおしゃべりしながら仲良く繊月(せんげつ)家へと向かう。

 オレは湖宵と合流して学校に。メイはお仕事だ。


 「三五ちゃま、メイ寂しいっ。早く、早く帰ってきてねっ」


 「う、うん! 学校が終わったらソッコ~で帰るから! だからそんな悲しい顔をしないで!」


 「ハイハイ構ってないで行くよ、三五! この人からかってるだけなんだから!」


 「アッハハ♪ いってらっしゃ~い♪」


 授業や部活が終わったら湖宵の家に遊びに行って、おやつや夕食を頂いたりと色々お世話を焼いてもらって。

 最近では勉強まで見てもらっている。

 教え上手 ・ 誉め上手のメイのお陰でやる気MAX! 成績爆上がりなのだ!



 何とも贅沢でもの凄く幸せな日々を送らせてもらっているワケだが……オレってばメイに甘え過ぎじゃね?


 メイにはお手伝いさんの仕事もあるんだから、いくらなんでもオーバーワークだろ。


 「メイ、無理してない? お世話かけ過ぎで負担になってないかな?」


 「負担? そ~んなワケないでしょ。お姉ちゃんはね、三五ちゃまとお坊っちゃまはお姉ちゃんの作ったご飯だけを食べるべき、もっと甘えるべきだって常々思ってたの。夢が叶ってサイコ~よっ♪ ア~ッハハハハハ♪」


 以前よりもイキイキしてるだと!? やっぱりメイは凄い!

 だけど愛情ってのは、もらいっぱなしじゃあいけないよな。


 よ~し、日頃の感謝の気持ちを込めて、ちょ~ステキなプレゼントを贈ろう!

 その為にはまずバイトを探さないとね。


 しかしここで一つ問題が発生。



 「バイト? ダメよ! お姉ちゃんがお世話する時間が減っちゃうでしょ!」



 まさかのバイト禁止令発令!


 嘘でしょ!? ただでさえ最近はアクセサリーとかコロンとか色々プレゼントされてる (強制的に) のにさぁ!

 この人何にもお返しさせてくれないつもり!?


 「大丈夫。お姉ちゃん、三五ちゃまの気持ちわかってるから」


 「うううう。メイぃ……」



 「はい、今月のお小遣い♡ 無駄遣いしても良いのよ♡」 (満面の笑みで)



 何一つとしてわかってねぇぇ!

 そのお金でプレゼント買ったところでお返しになんないだろうがぁぁ!

 あとさりげなく毎月渡そうとすんなぁぁ!



 こうなったら苦肉の策だ。

 家の手伝いをして母さんからお駄賃をもらおう。


 ハッキリ言って小学生の発想だが、オレはマジマジのマジだ。


 掃除、洗濯、お使い、料理の下拵え……etc.

 ただ漫然とこなすのではなく、掃除機 ・ 洗濯機の正しい使い方から洗濯物の畳み方、買い物節約術などなどをガチで一から勉強してガムシャラに取り組んだ。


 今や高波家は隅から隅までピッカピカ。

 トイレや浴槽にも染み一つ、カビ一つすら許さない。ガチだ。


 あまりにもガチな働き振りなもんだから、普通にお小遣いが二倍、三倍にUP。

 これでメイのプレゼントが買える♪ やったぜ!



 「よくわかんないけど花婿修行がしたいのね!? ならアンタに高波家(ウチ)の味を叩き込んであげるわ!」


 母さんを勘違いさせちゃったみたい……だが、花婿修行か。悪くないな。

 乗り掛かった船だ。こうなったらトコトン家事を勉強してやるぜ!


 「花婿修行お願いします、母さん! いや、師匠!」


 包丁を持たせてもらったことで料理の面白さに目覚めたオレ。

 繊月家でご馳走になる時以外は母さんの手伝いをして料理のレパートリーを増やしていく。


 父さんのお酒のツマミなんかもオレが作るようになったんだぜ。

 美味しい美味しいって言って食べてもらえるのは気分が良いな。


 あっ、そうだ。サプライズでメイのお昼ご飯を作ってみるってのはどうだろう?

 お弁当の交換会みたいな感じてさ。

 うわ~めっちゃ楽しそう! 


 善は急げだ。

 早速次の日の朝にお弁当を作ってメイに渡してみた。



 「ウッソォォ!? 三五ちゃまが私にぃぃ!? ヤ、ヤバッ! 顔が赤く……三五ちゃま、見ちゃダメぇっ!」


 「ウオオォォ!? カッワイイ~ッッ!?」


 サプライズが利き過ぎたか!?

 あのクールなメイがほっぺたを林檎みたいに真っ赤にして、喜びを堪えきれずにニマニマと口元を緩ませちゃって……。


 い、今すぐキスしたい! イチャイチャしたい!

 あ~でも、クッソ! オレもう登校しなきゃいけないんだよなぁ! ちょっと失敗したわ~!


 気を取り直して。

 はてさて、肝心の味はどうだっただろう? メイは美味しく食べてくれたかな?

 

 放課後に会いに行って感想を聞いてみたところ……。


 「くぅぅぅ! アンタやるじゃない! で、でもお姉ちゃんだって負けないんだからねっ! 美味しかったわ! 大好きっ!」


 感情表現複雑過ぎィィ!

 あっれ~!? 喜んではくれたみたいだけど、ライバル意識に火を点けちゃった!?

 こ、こんなハズでは……。


 

 こんな調子でわちゃわちゃと楽しい日々が過ぎていく。

 その内に毎日少しずつメイ好みに変身していくオレなのであった。

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