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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【裏話】湖宵とホモる (ド直球) 高校生活
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裏65話 皆で楽しく最後まで ⑨ 忍者屋敷で忍……べない 高二 二学期

 「三五さぁ~ん♡ そして皆さん♪ お待ちしておりましたぁ~♪」


 イコさん!? なんで忍者屋敷の前で待ってんの!?

 もしかしてもうバスに戻らないといけない時間とか!?

 ……。いや、まだ時間には余裕があるぞ。

 じゃあ一体何故?


 「実はですね、忍者屋敷にチャレンジする生徒さん達とご一緒しようと思って待っていたんです♪」


 サプライズイベントということか。

 でもそれって多分裏がありますよね? 


 「ウッキィ~♡ 美人バスガイドさんと一緒なんて嬉し……あ゛。でもどうせお目当てはモテ神っキィ……オレなんてどうせ……」 (瞬間クールダウン)


 ほら~、興奮してるお猿さんにすら一瞬で看破されてるじゃん。

 イコさんの企みはわかりやすいな。

 オレと一緒にアトラクションにチャレンジしたかったんでしょ。


 「ちちち、違いますよぉ! 既に他の班の皆さんともご一緒しましたしぃ! 特定の生徒さんとだけ必要以上に親しくするなんてぇ! そんなぁ!」


 本当かな~?

 めっちゃキョドってるんだけど。

 

 「それにホラ、回るペアはクジで決めますし!」


 そう言って両手に持ったブルーとピンクのビニールバッグを見せつけてくるイコさん。

 出たよ、謎の小道具が。


 「男子と女子に別れてクジを引いていってもらうと最後に女子のクジが一枚余るんです。それが私のクジになりまして、いずれかのペアに私がお邪魔させて頂く形になるんですね。それなら公平でしょ? ねっ? ねっ?」


 でもアレって手品道具なんじゃないのかな?

 きっとオレがどのクジを引いてもイコさんと一緒に忍者屋敷を回ることになる……フ~ム、面白い。


 興味を惹かれたのでまんまと思惑に乗っちゃう。

 ちょっとドキドキしてきたぜ。


 男子はブルー、女子はピンクのビニールバッグから順にクジを引いていく。


 男子達にお願いしてオレが一番に引かせてもらう。

 ここは直感を信じて……コレだっ!


 ………………。


 「皆さんクジを引き終わりましたね? それではご一緒にぃ~、せ~のっ!」


 「「「「オ~プ~ン!」」」」


 二つ折りのクジを皆で一斉に開く。

 同じマークが書いてあればペアだ。


 ♠️マークペア 小海 & PANSY(パンジー)

 ♣️マークペア ユイ & C(チンパン)T(ツレ) 01

 ♦️マークペア だいずちゃん & CT02


 そしてオレは……。


 「♥️マーク! 湖宵は?」


 「ボクも♥️だよ~♪ やったね三五と一緒~♪」


 やった! 湖宵とペアになれた!

 これって運命? それとも作為?

 その答えはイコさんの手の中にあるクジに記されていることだろう。


 「わ、私のクジは~……♥️マークでぇぇす! というワケでさ、三五さんのペアにお邪魔させて頂きまぁ~す!」


 「「「「おお~、すご~い!」」」」


 いや本当にスゲ~!

 一見何の変哲も無いただのビニールバッグなのにどんな仕掛けがあんの!?

 もしくはイコさんの技術? ミスディレクションってヤツ?

 不思議だな~面白いな~。


 「こ、断っておきますけどこの結果はぐ、偶然ですからねっ! 決してクジにイイイ、インチキなんかしてませんからねっ!」


 「「「「またまた~♪」」」」


 「一度目ならまだしも二度目だからねぇ」

 「ね~♪ それに正妻のボクをちゃ~んと三五のペアにしてくれてるし。その忖度っぷり、ポイント高いよ♪」


 「ああぁん! 本当に違いますからぁ!」


 「「「「はいはい♪」」」」


 良いじゃないの、皆が納得しているんだから。

 そんな些細な事は横に置いておいてさっさとペアに別れちゃおう。

 


 「忍者屋敷の不思議なからくりで離れ離れにされちゃったら大変! だから手を繋ごう、三五♪ イコさんとも、ね♪」


 「いいい、良いんですかぁ正妻さまぁぁぁ♡ ありがとうございますぅぅぅ♡」


 オレの手をぎゅっと握って幸せそうにニッコリ笑う湖宵とイコさん。


 オレは全然良いんだけどイコさん、ほんのちょっと前に 「特定の生徒と必要以上に親しくするなんて」 とか言ってなかった?

 この姿を人に見られても大丈夫?

 後で怒られたりしない?



 「ウギギギギギ……モテ神羨ましいギィ……」


 「アララ♪ それじゃあ私が猿ちゃんのネクタイをぎゅってしてあげるわ♪ クスクス♪ これってワンちゃんのお散歩みたいね♪ クスクスクス♪」


 「ウッキィィ~ッ♡ 小海様ぁぁ♡ ありがとうございますッキィィァ~ッ♡」


 小海のからかい方ってホント酷い!

 それを悦んでるPANSYは輪をかけて酷い! 小海が制服のネクタイを引っ張りやすいように自分から中腰になってるところとかが特に。

 お前それで良いのかよ……。

 尊厳、大事にしてこっ! (今月の標語)



 「1ちゃん、私達も手を繋ぐ?」


 「そそそそ、そんな! 手を繋ぐだなんて! ユイさんの将来のカレシに悪いって!」


 「あら……ウフフフ♪ 1ちゃんってば純情さん♪ 姉性本能くすぐられちゃう♪」


 「ウワァァ~ッ! そ、そんな本能初めて聞いたんだけどぉぉ!」



 「迷子になったらどうしよう……。2ちゃん、お嫌じゃなければ制服の裾を掴んでも良いですか?」


 「もももも、もちろん! だいずちゃん! こんなオレなんかので良ければ!」


 他のペアも仲良くやっているようで何より。

 それにしてもCTコンビはウブ過ぎるな。

 ニヤニヤ笑いをくれてやろう。


 「「も~! 笑わないでよぉ、高波ぃ!」」


 はあ~? な~に言ってやんでぇ、嬉しいクセしやがってよぉ (笑) お主らも好きよのぉ (笑)

 ムハハハハハハハ!


 とか何とかくだらんこと言ってると時間が無くなっちゃうのでサクサク行こう。


 いよいよ 「からくり忍者屋敷」 に挑戦だ!

 バシッと攻略してやるぜ! 



 外から見た時も立派で写真映えする忍者屋敷だが、内装も渋くて超格好良い。

 だからといってボケ~ッと見とれて歩いていてはいけないのだ。

 

 突然、普通の壁だと思っていたものがクル~ンと回転。

 現れたのは……。


 「忍者でゴザル~ッ!」


 「「うわっ! ビックリした!」」

 「アハハ♪ お約束の “どんでん返し” ですよ、お二人とも♪」


 いやいやイコさん、オレ達だってどんでん返しくらいは知ってるよ?

 でも忍者さんがいきなり壁から登場するとは思わないじゃん?

 焦ったわ~。


 最初の内は各部屋毎に忍者さんがガイドとしてついていてくれるんだが、皆さん登場の仕方がおかしい。

 そこから!? とかめっちゃ忍んでる! とかいちいちツッコミを入れざるを得ない。


 良いなあ。オレも忍びたくなってきた。

 う~んムズムズする。忍びてぇッスわ~。自分、めっちゃ忍びてぇッスわ~。


 だって忍者屋敷って悪戯心というか、少年心をくすぐる仕掛けが満載だから!


 お約束のどんでん返しに掛け軸に隠された人が通れる大きな穴。

 至るところにある隠し通路。

 縄ばしごで若干のアスレチック要素を加味しつつ、実はこの扉は動く? この壁は? など、どうやって先に進めば良いかを考える謎解き要素も完備!


 ネタバレになっちゃうから詳しくは言えないんだけど、とにかく男の子~ってカンジのアトラクションなのだ。


 おかげで今のオレのメンタルは小学生男子相当。

 悪戯しちゃおっかな~。


 例えば音も無くどんでん返しを作動させて黙って向こうの部屋に移動したら湖宵とイコさんはどんな反応をするかな?

 クックックッ♪

 忍ぶぜ忍ぶぜ~♪


 ムギュウゥ~ッ!

 ハッ! り、両腕を湖宵とイコさんに抱き締められてしまった! がんじがらめで動けない!


 「こぉら三五ぉ♪ 女の子にイジワルしちゃダメだよぉ♪」

 「そうですよ♪ 三五さんの姿がいきなり見えなくなっちゃったりしたら泣いちゃいますからね♪」


 光の速さでバレてる!  

 しまった! 二人はQ極TS女子!

 男子として生きてきた経験があるから男心なんて簡単に見透かされてしまうんだ!


 「1ちゃん、おイタしたらメ~よ♪」

 「は、はいっ! ユイ姉ぇさん!」


 「本当に置いてかないで下さいね! フリとかじゃないですからね!」

 「わ、わかってるって! オレを信じて!」


 いや、違った。Q極TS女子じゃなくても男心なんてモンは簡単にわかるみたいだ。

 女子って強い。

 猿に至っては完全に手懐けられちゃってるし。


 忍びたいと願えども、主君たるお姫様に袖を引かれてしまっては是非も無し。


 そんなワケでオレ達男子は普通に女子達と力を合わせて迷宮みたいな忍者屋敷を突破したのだった。





 「…………皆さん、そろそろバスに戻る時間ですよ。私についてきて下さいね」


 忍者屋敷を出てグ~ッと背伸びをしていたら、イコさんにそう言われてしまった。


 あああ、楽しい時間は過ぎ去るのが早いなあ。

 まだまだ全然映画村を遊び尽くせていないのに。

 忍者アクションを体験出来るアスレチック系のアトラクションにもチャレンジしてみたかったし、侍になってチャンバラもしてみたかった。


 来た時とは打って変わってションボリと肩を落としながらバスへと戻るオレ達なのであった。





 「それでは出発致しま~す♪ このバスが今から向かうのは世界遺産にして東山文化の象徴、 「銀閣寺」 でございま~す♪」


 明るく笑顔でアナウンスしてくれるイコさんに対し 「おぉ~! 銀閣寺イェ~イ!」 とレスポンスを返したいところだが、どうにも皆シンミリとしてしまってイマイチ気勢が上がらない。


 それもそのはず。


 次の目的地、銀閣寺こそがこの修学旅行の最後の観光スポットなのだから。 

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