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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【裏話】湖宵とホモる (ド直球) 高校生活
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裏64話 皆で楽しく最後まで ⑧ 手裏剣☆トレーニング! 高二 二学期

 日本橋に皆で並んで立ち、愛すべきお江戸の町並みを眺めていると実に晴れ晴れとした気分になる。


 「あっ、三五見て♪ 芸者さんが歩いてるよ♪ 綺麗だね~♪」


 湖宵のメンタルも大分回復したみたいだ。

 その可愛い笑顔を見てオレのメンタルも完全復活!


 さあさあ、他の場所も元気良く見て回ろう!


 

 「私、港町の方に行ってみたいな~♪ お江戸ってヴェニスみたいな水の町だったって聞くからきっと綺麗だよ♪」


 ユイの意見に満場一致で大賛成。

 おしゃべりしながら移動する。


 ちなみに港町といっても本当に海や川に面しているワケではない。

 廻船問屋さんの前に大きな人工池があって当時の景観を再現している。ハズなんだけど……。


 「うわ~っ! 三五三五ぉ! お池の中から恐竜ちゃんが出てきたんですけどぉ!」


 「え~? 何言ってんの湖宵w って、うわぁ~! マジだぁぁ! 池から首長竜がニョッキリ生えてきたぁ!」

 「きゃっ! お口からお水をピュ~ッて噴き出しましたよ! ピュ~ッて!」

 「何でだよ!」

 「江戸関係ね~だろ!」

 「そしてお池の中に沈んでいく……。プッ、アハハハハ♪ わ、私、こういうシュールなの本当にダメなの……アハハハハ♪」


 実は映画村の港町には数分間隔で恐竜が出現するのだ。

 何でも40年も前から皆に愛され続けた人気者なのだとか。


 オレ達は事前情報が全く無い状態で遭遇してしまったので軽くド肝を抜かれてしまった。

 小海なんてツボり過ぎて爆笑しちゃってるし。


 

 映画村にはこの様なちょっと謎な面白要素が随所に隠されていて一ミリも油断が出来ない。


 例えばふと上を見上げてみると、そこにはお城とお城を繋ぐロープが張られているのがわかる。


 ハテ、このロープは一体何の為のものなんだ? と首をかしげていると、片方のお城からカラクリ仕掛けの忍者が登場!

 もう片方のお城に向かって綱渡りでスルスルと進んでいくではないか!


 その動きの滑らかさ、白昼堂々忍び込むな、もっと忍べというツッコミ所には心を奪われること間違いなし!


 だが恐竜や忍者にいつまでも心奪われているワケにはいかない。

 皆が見たい場所がまだまだ残っているからね。

 名残惜しいけど次に進もう。



 「オレは銭形平次の家が見たい!」

 「オレは新撰組に襲撃された池田屋事件の池田屋が見たい!」

 「私は江戸時代の劇場の中村座が見たいわ。もしかしたらイベントがやっているかもしれないわよ」


 皆のリクエスト、どれも興味深くてイイネ!

 ただ楽しめるだけじゃなく日本史に対する好奇心をビンビンに刺激してくれるのがまた良い。


 日本史の面白い情報をたくさん仕入れて誰かにドヤ顔で語りたくなってきたぞ。


 メイお姉さんとかに。

 いやダメか。

 メイお姉さんは物知りだし、それ以前にオレがお姉さんに何かを教えている図が想像出来ない。


 ならアンお姉さんとかオレ F(ファン)C(クラブ) のお姉さんはどうだろう?

 きっとオレが何を語っても快く聞いてくれるだろうからオレも気持ち良く……。


 「三五? キャバクラはダメだからね?」


 湖宵に心を読まれた!

 いやしかしキャバクラて!

 いくらオレFCのお姉さんがオレに甘々だからってQ極TSキャバ嬢呼ばわりはどうよ!?

 クッ、だが反論出来ない!

 今のオレに出来るのは苦笑いだけだ。


 「ア、アハハ……ヤだなあキャバクラだなんて。……あれ? PANSY(パンジー)? どうした?」


 「ウキキィ……ウキキィ……」


 目を泳がせていたらPANSYが肩を落としながら歩いている姿が映った。

 何で? 一体何が起こったんだ?


 「モテ神……01……02……」


 PANSYがチョイチョイと男子だけ手招きする。


 「オレ……遊郭を……。魅惑の美姫が集うこの世の楽園を覗いてみたかったのキィ……。でも今は立ち入り禁止になってたキィィ……。悲しいギィィ……」


 こいつはマジで筋金入りのエロ猿だなぁ。

 好奇心のアンテナが股間にしか立ってないのかよ。……と、言いたいところだが女子を不快にさせないように声を潜めた点は評価出来る。

 少し成長したな、PANSY。


 ここは慰めの言葉をかけてやらねば。

 う~ん、何て言ってやれば良いかな。


 「猿ちゃん、どうしたの? そんなに悲しそうな顔しちゃって……」

 「元気出して、お猿ちゃん。お腹が痛くなっちゃったんですか? あわわ、大変っ」

 「そ ・ れ ・ と ・ も ・ 私達に飽きちゃったのかしら? クスクス♪ もしそうだとしたらお仕置きよ。うりうり~」


 おっ? オレが何か言う前に小海達がPANSYに優しく声をかけてくれた。

 一体いつの間に……。


 不思議に思うオレの肩を01 ・ 02がポンと叩く。

 振り返ってみると二人が良い笑顔でサムズアップしてみせる。

 なるほどね~。オメ~らが女の子達にお願いしてくれたのか。

 さすが C(チンパン)T(ツレ) と呼ばれるだけあって (オレが呼び始めたんだが) PANSYのこと良くわかってるね。


 「ウキキキキィ~♡ 大丈夫っキィィ♡ キュートガールズに気にかけてもらえて元気一杯幸せ一杯だっキッキィィ~♡」


 「「「良かった~♪」」」


 小海達お着物ガールズに構ってもらうと秒で元気百倍 ・ 骨抜きメロメロ状態になるPANSY。

 何て単純な野郎だい。


 「あれ~? 三五ってば小海ちゃん達があっちに行っちゃって寂しいのかな~? 三五はボクがい~っぱい構ってあげるからね~♪ 寂しくないよ~♪」


 「おおお~っ♪ レアなお着物湖宵と腕組むのサイコ~♪ Good Situation♪」 


 かく言うこのオレも単純な男だったか。

 お嫁さん♂️と仲良くすればこの世は日本晴れ。憂い雲も吹っ飛ぶってなもんよ。


 

 さて、これで皆の見たい場所は大体見て回れたかな。

 それではいよいよアトラクションの方にも行ってみよう!


 とはいえ扮装姿のままアトラクションを楽しむことは出来ないので、まずは扮装の館で着替えなければならない。


 「あ~あ、また男子の制服に戻っちゃった。綺麗なお着物、もっと着ていたかったんだけどなぁ」


 「こ、湖宵チャンさまっ♡ それじゃあ私の制服と交換こしませんかっ!? 湖宵チャンさまの制服着たいですっ♡ 湖宵チャンさまが私の制服きてるところも見てみたいですぅぅっ♡」


 「落ち着きなさい、だいず。親切より欲望の割合が大きいわよ! (1対9くらいかしら?)」


 「湖宵、よしよし」


 「あっ三五……♡ えへへ、もう大丈夫っ! 元気出てきたよ♡」


 ちょっと凹んでいる湖宵だったけどオレが頭を軽くポンポンしてあげるとすぐにご機嫌になってくれた。

 フフフ、湖宵もオレと同じ単純さんだね♪


 今度こそ本当にアトラクションへGO!


 だが例によってスケジュールがカッツカツなので沢山のアトラクションを回る時間は無い。

 行きたい場所を絞る必要がある。



 皆で意見を交わし合い選ばれたアトラクション第一弾……それは 「手裏剣道場」 だぁぁ~っ!


 忍者さんに手裏剣の投げ方を教えてもらえて、実際に的に向かって投げられる本格道場なのだ。

 

 投げる手裏剣も本格的。

 鉄製で鋭利。

 薄いけれど手に乗せれば確かに感じる重量感。

 限りなく本物っぽい……ってか本物じゃね? うん! 本物だ! 本物の手裏剣だよコレ!


 「うおおおお! 本物の手裏剣が投げられるなんてスゲ~!」

 「「「うおぉ~っ!」」」


 男子テンション爆アゲ ↑ ! 

 忍者は男のロマンだぜ!


 「ボクはゴム製の手裏剣を使おっと。手ぇ切っちゃったりしたら嫌だし」


 「じゃあ私も♪ 女の子はゴムの手裏剣でお揃いしましょ♪」


 「あら、私は本物の手裏剣を使うわよ。くの一小海様の華麗な手裏剣術を見せてあげるわ♪」


 「こみこみったら。お調子に乗ってケガなんかしないでよ~?」


 スタッフの忍者さんに正しい投げ方を教わったらいよいよ手裏剣修行の始まり始まり。


 忍者の手裏剣の投げ方と聞くと、十傑集走りをしながら手のひらに積んだ手裏剣をトランプを配る様にシュッシュッシュッと投げるイメージがパッと頭に思い浮かぶ。


 しかしあの様な投げ方では遠くまで飛ばないし、よしんば飛んだところで殺傷力は皆無。

 それではいけない。

 手裏剣はあくまでも武器であるからして。


 「一番! 高波 三五! 行っきま~す!」


 腰をグッと落とし手裏剣を構えた手を頭の高さまで上げる。

 そして垂直に振り下ろす要領で投げる!


 「忍!」


 ギューン!


 ガッ!


 「おお! ウィィ(イイ)~ネッ!」


 的に当たりこそしなかったが的がかけてある木の板に突き刺さった!

 これは気持ち良いね。


 一度の挑戦で投げられるのは六枚まで。

 あと五枚のうちどれか一つでもいいから的に当ててやるぜ!


 「忍! 忍! 忍~っ!」


 ガッ! ガッ! ガッ!


 あ~、でもダメだ!

 コレ凄い難しい!


 独特なコツがあって肩、ヒジ、手首を上手に連動させないとなかなか狙ったところに飛んでくれない。


 「忍~っ!」


 ガッ!


 最後の一枚が的の円の一番外側にギリッギリで入った。


 「あぁ~、ダメダメな成績だぁ~」


 「そんなことないよ! 君、とても筋が良いよ。初めてで的まで届かせられる人って実はなかなか居ないんだよ」


 「え~っそうなんですか!?」


 忍者さんに誉められちゃったぞ。

 オレって忍者の素質があるのかも?

 皆はどうかな?


 「うわ! 本当だコレめっちゃ難しいぞ!」


 「思い切り良く投げなきゃいけないんだが、力み過ぎると明後日の方向に飛んでいきやがる!」


 「あぁぁんっ。三五みたいにビュ~ンって飛ばせないわっ! 途中でポテッと落っこちちゃう!」


 皆苦戦してる。

 端っこでも的に当たったオレってちょっと凄くない?

 

 「ウキィ! ウキキィ! 絶対に的に当ててやるっキィィ!」


 PANSYってば気合い入ってる。

 まあどうせ魂胆は……。


 「的に当てて女の子達に誉めてもらうっキィィ!」


 だろうね。

 でも動機はともかく集中力が凄い。

 フォームもキレイだ。


 「ウキキィ~ッ!」


 シュッ!


 ドガッ!


 オォ! 手裏剣が的のド真ん中に突き刺さったぞ!


 「「「PANSYスゲ~ッ!」」」


 パチパチパチパチ!


 男子一同から拍手が贈られる。


 「猿ちゃん凄~い♪ ごほ~びに頭ナデナデしてあげる♪ よちよち♪」

 「やるわね♪ 私の専属ボディーガードにしてあげてもよくってよ♪」


 「ウキィィィ!? ウキャアァァ♡ キャハッ♡ キャッハアァァァ♡」


 「「アハハハハ♪」」


 あっ、 “PANSYをチヤホヤしてやるとオモシロイ” という事実に気付いたユイと小海が猿をからかっている。

 

 弄ばれているだけとも知らずにPANSYは気色悪いモンキーフェイスで道場内をピョンピョン跳び跳ねていやがる。

 それをみた忍び装束のスタッフさんが一言。


 「う~ん、彼はもしかして猿飛サスケの再来なのでは……」


 違いますって (笑) 彼は猿飛ではなく()んでる猿です (笑) 色々な意味で (笑)

 いや~、さすがにアイツと一緒にされたら忍者さんがかわいそうですぜ。


 「とりゃっ! そりゃっ! えりゃっ!」


 すぐ隣で猿が大騒ぎしているのに我関せずといった風情でゴム手裏剣を連続で的に当てていく湖宵。


 「おお~! 湖宵上手~!」


 パチパチパチパチ!


 「ありがとう~♪ でも本物の手裏剣だとこうはいかないよ。三五と比べて力がよわよわだもん」


 「え~♪ でもお二人ともすっごく手裏剣お上手でしたよ♪ 三五くんや湖宵チャンさまみたいにカッコ良く投げる方法、教えて欲しいです♪」


 だいずちゃんったら可愛いこと言ってくれるね~。

 オレと湖宵はたちまちご機嫌だ。


 「「任せてよ♪ 手取り足取り教えてあげちゃうからね♪」」


 「キャ~♡ 嬉しいです♡」 


 オレと湖宵にレクチャーされてニコニコなだいずちゃんはかなりの好成績を収めた。


 全員が手裏剣を投げ終わり、興奮冷めやらぬまま道場を後にする。


 

 やっぱり皆でゲームに興じるのはイイネ。


 もっともっと色々なアトラクションで皆と熱くなりたいものだが、悲しいかなバスに帰らなければならないお時間が近付きつつある。

 故に次のアトラクションが最後。


 太秦映画村でのレクリエーションのフィナーレを飾るに相応しいアトラクションとは……そう! 「からくり忍者屋敷」 だぁ!


 定番中の定番だがそれが良い。

 それだけ長く愛されてきたという証明だからね。


 ほどなくして忍者屋敷に辿り着いたワケだが、そんなオレ達を待ち受ける人物が居た。


 「三五さぁ~ん♡ そして皆さん♪ お待ちしておりましたぁ~♪」

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