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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【裏話】湖宵とホモる (ド直球) 高校生活
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裏50話 皆で修学旅行~! ⑧ ! 女子部屋にお泊まりする? 高二 二学期

 バスがホテルに到着するや否やオレと湖宵はソッコーで部屋に向かい、ソッコーで着替え、ソッコーで階下の貸し切り家族風呂へツツ~ッと移動した。

 その素早さ、立て板に水を流すかの如し。 (誤用)


 もうね、疲れたから一刻も早くお風呂に浸かりたい。

 脱衣所でチャチャッと服を脱ぎ、洗い場でゴシゴシ身体を洗う。

 今日は洗いっこはナシだ。


 ちとお行儀が悪いがザブンと波を立てて肩まで一気に湯舟の中に沈める。


 「くっはぁぁ~! 生き返るぅぅ~!」


 「ふあぁぁ~! 今日は疲れたねぇ~!」


 天然温泉の柔らかくて温か~いお湯は疲れた身体に良く沁みる。

 あ゛あ゛~気持ち良い~。極楽だぁ~。


 「ふあぁ~♪ きもちぃ~♪ ここって岩風呂なんだぁ~。あれ? 大きな和傘と木のベンチがセットで置いてあるぅ♪ オッシャレ~♪」


 ええ~? 今更そんな事に気付くの? 昨日も入ったじゃん……って、ああ。

 昨日の湖宵はオレの裸に夢中でそれどころじゃなかったのか。


 今は疲れているから逆にオレの裸が目に入らないってワケか。

 それじゃあ湖宵には今の内にたっぷりと疲れを取ってもらわないとね。


 「んふふ~♡ チラチラッ♡ 今日もお月様が綺麗だしぃ♡ チラチラッ♡ それ以上に目の保養になるものもあるしぃ♡ ちょ~眼福だね♡ チラチラチラチラ~ッ♡」


 あっ、そうでもねぇのか!?

 ちゃっかりとやらし~顔でオレの方も見てる! 

 疲れを癒しつつ欲望も満たす、か。

 その貪欲な姿勢、イイネ!


 オレも負けじと心ゆくまで湯舟でまったりしていたら、突然お腹がグ~ッ! と鳴ってしまった。

 うわ~! 意識したら急にお腹が空いてきたぞ。

 湖宵もわかるわかる、という風に苦笑しているし。


 こうしちゃいらんねぇ。

 オレ達はザバッとお風呂から上がり、パパパッと着替えて荷物を部屋にシュート。

 ソッコーでご飯を食べに向かう。

 その素早さ、最上川の流れの如し。



 今日も畳張りの宴会場で食事をする。……って事は今日のメニューも和食かな。


 「あっ、湖宵~っ。こっちよ~!」

 「おいでおいで~♪ こよこよ~♪」

 「私のお隣へどうぞ♪ 湖宵チャンさま♪」


 八重津さん達が湖宵のことを呼んでくれている。

 それなのに湖宵ったらすぐには行かずにオレの顔をチラッと覗き込んでくる。

 オレのことは気にしなくて良いよ。

 湖宵の背中を優しくポンポン叩いてあげたら、ようやく彼女達の元へと向かった。

 フフフ。全く湖宵はしょうがないな。


 さて、オレは今日も男子グループと食べますかね。

 ムムッ! このメニューは!


 「遂に来たか! 湯豆腐! やっぱり京都といったら湯豆腐だよな!」


 「ウキキ? それはどうしてキィ? エロ神?」


 「京都の地下水や清水は超良質で美味しいんだよ。だから豆腐作りには絶好の環境なんだ。あとお寺が一杯あるじゃん? だから精進料理として豆腐は昔っから食べられてきたってワケよ」


 「ウッキ~! そう聞くとめちゃ美味そうに見えてきたキィ~!」


 「この木の芽田楽ってヤツ美味そう!」

 「野菜の天ぷらもついてんじゃん! へえ~、精進揚げっていうんだ」


 今日の夕飯も美味そうだぁ!

 それでは皆様手を合わせて~!


 「「「「いっただきま~す!」」」」


 まずは良い感じに煮立った湯豆腐を皆に配膳してあげよう。

 土鍋からプルプル絹ごし豆腐と白菜、椎茸、えのきなどなどを器によそってっと。


 「はいよ。熱いから気を付けてな」


 「わかったっキィ。ハフハフ……熱っつうぅぅ!」

 「「人の話聞けやお前!」」


 やれやれ。それじゃオレも食うか。


 豆腐に出汁醤油をチッチッチっとやって、PANSY(パンジー) の二の舞にならないようによ~くフ~フ~して……パクリ。

 

 ううう美ん味ぇぇぇ!

 なんてまろやかな口どけ! 豆腐ってこんなに美味かったんだ!

 出汁醤油の味がよ~く乗って美味い!

 白菜もシャキシャキでほのかに昆布味で美味い。

 それに食べてると身体がポカポカしてきたぞ。今の季節にピッタリだなあ。ありがて~。


 「スーパーの豆腐と全然違うキィ! 大豆の甘みを感じるキィ!」

 「木の芽田楽うま! すっげ~爽やかな味わいだぁ!」

 「サツマイモの天ぷらサクサクで美味いわ~。ナスの天ぷらもよ~く揚がってる。ここで胡麻豆腐を一口パクリ。おお! 口の中がサッパリ! この食い合わせはイリュージョンだぜ!」


 精進料理って美味いんだな。あの和尚、澄ました顔してこんな美味いモン毎日食ってたのか~ってな具合に、男連中で馬鹿話で盛り上がりながら食事をした。

 オレ達は昼間に和尚にシバかれた者同士だからね。そら盛り上がるわな。


 女子達の様子はどうかな?


 「小海ちゃん、あんこ好きだよね? はい、あ~んして♪」

 「あ~ん♪ ん~、ありがと、湖宵。お返しに私の白玉をあげるわ。はいあ~ん♪」

 「あ~ん♪ もちもちんま~♪」

 「湖宵チャンさま! 私のも……って、あ゛~ん! ユイちゃん食べちゃダメですぅぅ!」

 「んま~♪ まめまめは私と食べさせ合いっこするの♪ はいあ~ん♪」


 めっちゃ仲良くなってる!

 デザートの白玉クリームあんみつなんぞを食べさせ合いっこなんてしちゃってるし。

 特に八重津さんなんていつの間にか湖宵の呼び方が 「繊月(せんげつ)さん」 から 「湖宵」 って呼び捨てに変わっているし。


 食べさせ合いっこが終わっても、女の子達の楽しそうなおしゃべりは尽きない。

 その湖宵の笑顔を見ていると、八重津さん達は湖宵にとってかけがえの無い大切な友人になったんだな、としみじみ思う。

 それならばオレにとっても八重津さん達は大切にしなければならない有難い人達だ。


 「ねえ、湖宵」


 「あっ、三五。わっ、もうこんな時間。そろそろお部屋に……」


 「それなんだけどさ、湖宵。今夜は八重津さん達と一緒のお部屋で過ごしたら?」


 「えっええ~っ!?」


 「キ、キャアァァ~ッ♡ う、嬉しいぃ~っ♡ 高波君優しいですっ♡ ありがとぉぉぉ♡」


 「あらら~♪ こよこよとお泊まりだなんてちょ~楽しそ~♪」


 「ふ~む……」


 オレの提案に湖宵は大ビックリ。

 寺崎さんと中野さんは喜んでくれて、八重津さんは顎に手を当てて真剣に検討してくれている。


 「で、でもボクの身体は今……」


 「身体は男の子でもさ。湖宵はQ極TS女子なんだから胸を張っていれば大丈夫だよ!」


 過去にQ極TSした人物は世間では今、 「男子」 ではなく 「Q極TS女子」 と呼ばれている。

 国が定めた数々の条件を満たし、試練を突破したという事実が認められているからだろう。


 だから湖宵は今でも 「女子」 で八重津さん達も 「女子」。

 女子同士が同じ部屋に宿泊して何が悪い! ……とまで言い切ってしまうと少々苦しいけれども、八重津さん達の同意さえあれば何とかゴリ押し出来なくもない。

 デリケートかつファジーな問題だからね。

 「湖宵を女子として認めないつもりか~」 なんて言われたら先生達も困ってしまうだろう。


 「ううぅぅ~……うぅ~ん……」


 めちゃめちゃ歯切れが悪い湖宵。

 悩んでいるね。でも悩んでいるという事は八重津さん達と過ごす事にそれだけ魅力を感じているという証明だ。


 「ホラ、オレ達は明日、ずっと二人きりでいられるし。ちょっと会えない時間を作ったらデートがより盛り上がるかもよ?」


 「う゛っ!? う~……」


 オレの言葉に心揺さぶれるも、未だにウンウン唸っている湖宵。

 

 そんな湖宵にそっと近付き優しく頭を撫でる人がいた。

 中野 ユイさんだ。


 「ふふっ♪ 今日は私達がず~っとこよこよを借りてたんだもんね。大好きなダーリンとラブラブし足りないよね~♪」


 「ううう。も、もっとユイちゃん達と過ごしたいのも本当だよ?」


 「わかってるわよ~♪」


 天真爛漫だけど一番大人な中野さんは湖宵の本音を察して明るく声をかけてくれた。


 そしてマイペースに熟考していた八重津さんも結論を出したようでおもむろに口を開いた。


 「そうね。湖宵の気持ちもそうだけど世間体の問題もあるしね。私達の友情にやましい気持ちなんて無いんだから、Q極TSに無理解な人達の目を盗んでコソコソお泊まり会するなんて何かムカつくわ」


 真っ直ぐな八重津 小海(こみ)さんはルールの隙間を縫う様なマネは良しとしない。

 いつだって正々堂々 ・ 真正面から湖宵と向き合ってくれるのだ。


 「うぅぅ。湖宵チャンさまとお泊まりした~いっ! だ、だけど今日は我慢しますっ! そ、その代わり湖宵チャンさまがQ極TSしたらまた私達と旅行してくれませんか? 一緒にお泊まりしてくれませんか? お願いしますぅぅ!」


 湖宵が大好きな寺崎 だいずさんがとても嬉しい提案をしてくれる。


 「まめまめ、それナイスアイディア♪」


 「うん。それは良いわね、だいず。女の子同士水入らずの旅行なんて楽しみ♪」

  

 皆とても素敵な人達だ。

 いつまでも湖宵と仲良くして欲しい。


 「うん、うん! ボクも皆で旅行したい! 高校卒業してもずっとずっと仲良くして欲しい! 皆大好きぃぃ! ぎゅうぅぅぅ!」


 「キャ~ッ♡ 湖宵チャンさまに抱っこされちゃいましたぁぁ~っ♡」


 「あはは♪ 苦しいよ、こよこよ♪」


 「だいずったら鼻血出てるわよ。ティッシュティッシュ」


 湖宵は大切な友達をぎゅっと抱き締めて長~いお休みの挨拶をした。



 結局、今日も湖宵はオレと一緒の部屋で寝ることになった。


 「湖宵さぁ~、やっぱり八重津さん達と過ごした方が良かったんじゃないの?」


 優しい言葉をかけてくれた八重津さん達をもっと大事にして欲しいと思ったのでちょっとお小言を言う。


 「だ、だってぇ~……」


 「だって?」


 「それだと、三五とお休みのキス出来ないじゃん……」


 !! うわ~! カワイイィ~!

 そして悪いのはオレだったぁ~! 


 「ごめんね、オレ、湖宵の気持ちがわかってなかったね」


 「う、ううん、いいの。でも、その代わり……ね?」


 愛らしい湖宵を抱き締めて、優しくお休みのキスをしてあげる。


 たっぷり可愛がってあげた後は、明日に備えてもう寝てしまおう。


 そう、明日。

 修学旅行4日目は完全自由行動!

 湖宵と二人きりの一日京都デートなのだぁ~!

 楽しみすぎるぅ~!


 と、いうわけで本日はもう寝ます!

 お休みなさ~い!


  

 

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