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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【裏話】湖宵とホモる (ド直球) 高校生活
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裏48話 皆で修学旅行~! ⑥ ! 京都弾丸バスツアー! 高二 二学期

 「お帰りなさ……キャ~ッ! 三五さん達、何でそんなにボロボロになってるんですか!? それに女子の皆さんもクタクタですし……一体何が!?」


 オレの班の男子メンバー + ちょっと煩悩が人より多目の男子達は全員もれなく和尚の怒りを買い、警策でメッタメタに叩かれてしまった。

 叩かれるほどにこちらも意固地になって不埒な妄想で頭の中をパンパンにしていき、更に和尚が逆上。

 

 そんな不毛なバトルを終わらせる為、女子一同が必死に和尚をなだめてくれた。

 その結果、半数以上の男子はボロボロに、女子一同はクタクタに疲れ果ててしまったのだ。


 我々がバスにたどり着いた時には這々の体だったので、出迎えてくれたイコさんを大変驚かせてしまったみたいだ。


 「坐禅体験でこんな風になる生徒さん達は初めてですよ……。で、あの~、次の目的地に向かってもよろしいですか? ちょっと休憩を挟みましょうか?」


 「大丈夫ッスよ! こんなモンでへこたれてたら、あのジジイに負けたみたいで悔しいですからね!」


 「そうっキィ! オレ達はまだまだビンビンキィ!」

 「女子は気疲れしただけですから。むしろ観光して早く忘れ去りたいです」


 「そ、そうですか……では! 気を取り直して参りましょ~! 次に向かうのは 「二条城」 ! 百五十年前に徳川第十五代将軍慶喜が体験で大政奉還を宣言した、日本史を語る上では外せない重要な世界遺産でございま~す♪」


 大政奉還! 教科書に載った図説をきっと誰しも一度は目にした事があるだろう。

 あの場所が二条城だったのか。


 ワクワクしてきたぞ。

 ちょい沈んでいた車内の雰囲気も明るくなり、二条城に到着するのを皆で今か今かと待っていた。



 いざ到着して跳ねるようにバスから降りたオレ達を最初に待っていたのは豪奢な 「唐門」 だった。


 「うわ~! スゲ~カッコ良い!」


 月並みだがそうとしか言いようが無い。

 漆塗りの黒にキラキラの飾金具が映え、渋い檜皮葺の屋根と絶妙にマッチしている。

 施されている極彩色の彫刻も見事の一言で、唐獅子や龍虎などなどの数多くの優美なモチーフが刻まれていてとても賑やかだ。


 今回の旅行だけでも色々な美しい門を見てきたが、オレ的には武家の棟梁 · 徳川家の象徴たる二条城を守護する渋カッコ良いこの唐門こそがベストオブ門だ。

 ただ惜しむらくは人の流れが多いから立ち止まってゆっくり鑑賞することが出来ないんだよな……。

 写真撮影はさせてもらったので後でじっくり見よう。


 そしてそして、いよいよやって来ました二の丸御殿。


 徳川将軍家が京都に上洛した際の宿泊施設であり重要な政治の場というだけはあって、部屋数がとても多く広々とした空間となっている。

 そんな部屋の一つ一つ、空間の隅々にまで丹精を凝らした装飾が施されているのだからとんでもない豪華さだ。

 天井、欄間、散りばめられた飾金具。

 中でも取り分けてインパクトがあるのが、ふすまに描かれた 「障壁画」 だろうか。


 まず、入ってすぐの来客用の控え室のふすまに虎の絵がドドドン。

 威圧感凄い!

 他にも梅、鷹、孔雀、等々の絵がそれぞれの部屋の用途によって描き分けられている。

 将軍様のプライベートスペースには柔らかい水墨画を、といった風にね。


 約三千点の障壁画の中で最も存在感を放つものは何か?

それはもちろん大政奉還宣言の場 · 大広間の一面に描かれた松の障壁画に間違いない。

 将軍様の座る一の間に向かってその枝を伸ばす大きな松の力強さといったら見ごたえ抜群だ。


 大広間の豪華絢爛な空間は侘び寂びというものを一切感じさせない。

 将軍家の威光が今も尚、濃密なエネルギーとなって空間中に渦巻いているかのようでつくづく感心してしまった。


 大広間をでた後は鶯張りの廊下をキュッキュッキュッキュ鳴らしながら二の丸御殿を一回り。

 回り終わった頃にはもう次の場所へ移動するお時間となってしまった。

 もっとじっくり見学して庭園なども見てみたかったが、スケジュールが押しているので致し方無い。


 その代わりと言っちゃあ何だが、オレ達の班は一口城主募金をすることにした。

 この募金は二条城の保存の為に使われるもので、二百円募金すると色々なデザインのバッジが一つもらえるのだ。


 「オレは湖宵と一緒のにしようかな。どれが良い?」

 「え~嬉しい~♡ じゃあ金色の牡丹の絵柄が良いかな~♡」

 「私は断然徳川家の家紋ね」

 「何でよこみこみw でも私もお揃いにしちゃおっと」

 「私は湖宵チャンさまとお揃い~♡」

 「オレは虎の絵っキィ! 自分の内にある獣をバッジに封印したいキィ!」

 「おお! 若干成長したな! ならばオレもそれに乗るぜ!」

 「オレもだ!」


 皆で仲良くバッジをカバンに付けてニッコリ。


 さあ、次行ってみよう!



 「皆さん、朝から人混みにもみくちゃにされて疲れていませんか? 今から向かう 「京都御苑」 は紅葉を始めとした豊かな自然がいっぱいののヒーリングスポット♪ た~っぷり癒されてきて下さい♪」


 明治維新以前の皇居であった京都御所をスルーして、あえてその周りを囲む公園に向かうのか。

 でも確かに今日一日忙しなかったから、ここいらでのんびり紅葉狩りといくのも悪くないね。


 「お~、ここの紅葉も見事なもんだね」


 特に目的も無くダラダラと散策するオレ達。

 奈良公園でも見かけたカエデやイチョウがここでも綺麗に色付いていて目を楽しませてくれる。

 更にこの京都御苑という場所では、その他にも様々な形で秋の息遣いを感じ取ることが出来る。


 「キンモクセイが咲いてるよ。良い香りだなあ」

 「何かちょ~美味しそうな木の実がなってる!」

 「本当ね。勝手にむしって食べたらマズいわよね、やっぱり」

 「こよこよにこみこみw 貴女達、良家のご令嬢的な存在なんじゃないの? ww」

 「ホ、ホラ、湖宵チャンさま~、トンボが飛んでいますよ~。可愛いですね~、アハハハ……」

 「ウキィ!? てかキノコ生えてる!」

 「マジだ! 面白いなここ!」

 「あっ! 皆、見てみ! 野鳥が飛んでる!」


 うう~む。ただ歩いているだけでこんなにも発見があるとは。

 耳を澄ませば虫の音が聞こえ、池を覗いてみれば魚が泳いでいる姿が見られる。

 春に来てお花見なんてしたら凄く楽しめること請け合いだ。

 う~ん、Good Park !


 豊かな自然とまったり触れ合い、気持ちスッキリリフレッシュ。

 爽やかな心持ちでオレ達はバスへと戻るのだった。



 「皆さん休憩出来ました? それではお待ちかね! 縁結びの超パワースポット! 「下鴨神社」 に向かいまぁぁす! ここホントご利益が凄いんですよ! だって私、三五さんに出会えましたし♡」


 「ちょっと! 三五はボクのだから!」


 イコさんの言葉に多感な少年少女達は俄に色めきだす。


 スケジュールギッチギチの京都バスツアーはまだまだ終わらない。

 次回へ続く!


 

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