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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【裏話】湖宵とホモる (ド直球) 高校生活
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裏37話 ドキドキ♡修学旅行~! (以下、ドキ♡修) ① ! ワクワクの理由  高二 二学期

 衝撃の事実! 

 湖宵が修学旅行で楽しみにしていたのは、ホテルだった!


 いやいや、何でだよ。

 このホテルは世界遺産でも重要文化財でもないよ? 高級感があって素敵な佇まいではあるけれども。

 今日はもうくつろぐだけだよ? イベントとか無いよ? 

 乙女心は複雑怪奇だなぁ……。



 ロビーで軽く先生のお話を聞いてホテルの人達にご挨拶をしたら、皆それぞれの部屋に移動する。


 「さ、さあっ! 三五! 行こう! ボク達の! ボク達だけのお部屋にいぃっ♡♡」


 ワクワクモードの湖宵に急かされる。

 そう。オレと湖宵はツインの二人部屋に泊まるのだ。

 ちなみに他の生徒達は修学旅行のグループ毎に固まって、大体四~五人で一部屋を使う。


 どうしてオレ達だけ特別扱い特別扱いなのか? というと、繊月(せんげつ)家の権力が働いたから。っていうのは冗談。 (半分くらい)

 本当は湖宵がQ極TS女子である事が周知の事実になったからだ。


 カミングアウト(ボクは女だ発言)以降、クラスメイト達はぎこちないながらも湖宵を女子として扱ってくれるようになった。

 そんな湖宵がオレ以外の男子生徒と一つの部屋で寝泊まりなんて出来るハズもないだろう? 気まずいなんてレベルじゃないし。

 まさか女子部屋に入れるわけにもいかないし。


 そういった理由でオレと湖宵は二人部屋になったのだ。

 もちろん大浴場にも入らずにオレ達は部屋に備え付けのお風呂に入る。



 「さあ早くぅぅ♡ さぁぁんんごぉぉ♡」


 そんなに引っ張らなくてもついて行くから!

 つ~か湖宵、力強ぇ!


 「ヤ、ヤダ♡ 湖宵チャン積極的♡」

 「お、お耽美すぎりゅ♡」

 「リ、リアルBLね♡ 凄い時代ね♡」

 「こ、湖宵さまがぁ……うううぅ~」


 何か女子生徒達にお見送りされてしまった。

 逆に男子生徒は顔を背けて視線を合わせてくれない……。何故?

 まあいいや。疲れたしとっとと部屋に行こう。


 オレ達の部屋は皆とは違う階にある。

 特別扱いだからね。フフフ。お得な気分だぜ。



 お部屋に着いて荷物を下ろしたらようやく人心地がついた。

 ご飯までの時間、ま~ったりして過ごそうか。


 「ひ~やっはぁぁ! ここがボク♡と三五♡の愛の巣かぁぁっ! テンションがぁ! アガ ↑ ↑ ってぇぇ~っ! キタアァ~ッ! アア~ッ! キマる~っ! 脳内物質(ドーパミン)キマっちゃううぅ~っ!」


 一ミリもまったりしてない!

 何をそんなに興奮しているんだよ、湖宵は。


 いや、確かにオレも嬉しいよ?

 大好きな湖宵とお泊まり出来るんだから。


 でも実は、高一の夏休みが明けてから今日に至るまで割りと結構な頻度で湖宵とお泊まりしているんだよね。

 去年のクリスマスみたいにドサクサに紛れて一緒に寝たりも何回かした。

 

 でも死ぬ程興奮するくらいのプレミアム感があるか? と問われればう~ん、と唸らざるを得ないね。

 高一の夏休み以前……湖宵のQ極TS以前は、それこそ毎週のようにお互いの家にお泊まりしていたし。

 

 

 「三五っ♪ 三五っ♪ ベランダ見てみて♪ 檜の露天風呂があるよ♪」


 「おお~っ! 豪華~っ! それに風情ある~っ! イイネ~ッ!」


 ベランダの引き戸をカラカラっと開けると、そこには二~三人は余裕を持って入れそうな檜の湯舟がドドーンと! 

 露天風呂からの眺めも最高だ。

 薄闇にライトアップされた紅葉が浮かび上がるという幻想的なGood Location !

 くうぅ~! お風呂に浸かりながら紅葉狩りが楽しめるたぁ、何とも心ニクい演出だぁねぇ~!


 早速お湯張りボタンをON! 

 源泉掛け流しのお湯がドババババッと出てくる。

 よ~し今のうちにお風呂に入る準備をしよう。


 「三五ぉぉっ♡ ボク今、制服脱いでるからぁ♡ 脱いでるトコ見ないでねっ♡ お願いねっ♡」


 「うん、わかったよ」


 オレはズバッと脱いでタオルで前を隠しながら洗い場へと向かった。

 早くお風呂に入りたい気持ちを抑え、シッカリ身体と頭を洗う。

 洗い終わった頃には湯舟にたっぷりお湯が溜まって入り頃だ。


 掛け湯をしてからゆ~っくりとお湯に浸かる。


 「くっはぁ~! 沁みる~っ! 気持ち良いなぁ~!」


 一日の疲れが一瞬で飛んでいってしまった。

 ジ~ンと身体が温まり筋肉のハリが解れていく。

 檜の香りが鼻腔をくすぐり、光に照らされた紅葉は目にも()い。

 大浴場に入るよりも贅沢してないか? 


 これを独り占めするのはもったいないね。


 「湖宵も早くおいでよ~っ!」


 「は、はぁ~いっ!」


 お返事は聞こえたけれどもなかなか入ってくる気配がない。


 「す~は~、す~は~、よ、よしっ!」


 少し間を空けて、バスタオルで身体を隠した湖宵がそろりそろりと入ってくる。

 あら可愛い。


 「し、失礼しま~す……あ、あんまり見ないでね!」


 チャポン……。


 「ンアアァァ~ッ♡ ヤバいぃ~っ♡ アッアッア~ッ♡ 三五と混浴 (精神的に) しちゃってるうゥゥ~ッ♡ しかも修学旅行でぇぇん♡ 背徳感に呑まれて溺死しそおぉぉ♡ サイコロジカル(法を司る)ディストラクション(神は死んだ)~ッッッ♡♡」


 何言ってんの湖宵!?

 紅葉みたいに全身真っ赤になってるし!

 このままお湯の中でバシャバシャ暴れてるとすぐにのぼせちゃうぞ。せっかくの露天風呂がもったいない。


 「湖宵っ! 一旦落ち着こう!? ホラ、深呼吸して!」


 「これが落ち着いていられますかって~! 逆に三五は何でそんなに落ち着いてんのさっ!」


 「い、いや、オレだって久し振りに湖宵とお風呂に入れて嬉しいよ? まったり幸せ~って感じで」


 ハアアアァァ~~…………。


 ジト目の湖宵が重~い溜め息を吐いた。


 「三五ってさぁ~……想像力足りてないよねぇ~……」


 そして突然のdis!

 うわぁ~、ショック~。

 でも湖宵も一緒に冷静になったので、そのご意見に耳を傾けてみるとしよう。


 「まったりってさぁ……。まあ、確かに? ボクの男の子の身体に死ぬ程興奮してもらっても困っちゃうんだけどさぁ。でも思い出して? 三五はボクにとってちょ~ぜつ魅力的な “異性” だってことをぉぉ~っ!」


 ハッとする。

 そうか。イマイチ自覚が無いからすっかり頭から抜け落ちていた。

 湖宵はオレのことをカッコ良いと言ってくれてドキドキしてくれて……い、色んな意味で魅力的だと思ってくれている、と。

 つ、つまり湖宵はっ!?


 「三五の立場に置き換えるとっ! 女の子のボク(こよい)とっ! 同じ湯舟で! 裸のお付き合いをしてる状況なのっ! しかも修学旅行(学校公認)でっ! これヤバいでしょぉぉ!? 想像してみてよぉぉ! この頭のおかしい現実をぉぉ! あ~っ! エッチすぎりゅ~っ!」


 な、何だとおおぉぉ!? じゅ、十七歳の! JKのこよいとっ! 修学旅行の露天風呂で混浴だとぉぉ!!??

 うわあああぁぁぁ~っ!! 

 確かにヤバ過ぎる~!

 現実の出来事とは思えね~っ!


 未だ目にした事が無い一糸纏わぬ姿のこよい……。

 キラキラ美白なプルプル美肌。

 スレンダーでありながら柔らかくて女性らしい丸みを帯びた身体付き。

 そして半端無い存在感を主張する大きなバスト!


 そんな至高の艶美が目の前にあるとしたら……!


 んああぁ~っ! 頭がおかしくなるぅぅ~っ!


 「そりゃ興奮スルワ~ッ! だってオレ的に言えば目の前でこよいの大っきなおムネがお湯にプカプカ浮いてるみたいな状況だろぉぉ!?」


 「本人の目の前でそんなこと堂々と言わないでよぉ! バカバカバカァァン♡」


 ペチペチペチペチペチ!

 肩やら胸やらを叩かれまくる。


 「し ・ か ・ も ・ ! 夜一緒のお部屋で寝るんだよぉ!? 4泊5日もさぁぁ! 毎日一緒にお風呂! 一緒にお休み! ああああぁぁぁぁ! 考えただけでの~のケッカンぶちギレソォォォ!」


 「ず、ずっち~なぁぁソレェェ! 湖宵だけパラダイスじゃん! エッチな修学旅行羨ましい! ずっち~よぉぉ!」


 湖宵の状況が心底羨ましくて吐きそうだ。

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~!


 だけれどようやく湖宵がソワソワしていた理由がわかった。

 オレだって夜にこよい (女の子ver) とのパラダイス♡イチャイチャが待っているとわかってたら昼に観光なんて楽しんでる余裕無いぜ!

 魂で理解したわ。


 そして当たり前かもしれないけれど見落としがちだった事実も再確認出来た。


 卒業まではオレと湖宵の間柄は “友達同士” 。

 でも心の中では湖宵はいつだってオレのことを魅力的だと思っており、特別なスキンシップをしたいと願っている……その事実を。

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