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幼馴染み♂「今からQ極TSカプセルで♀になりマース♪」  作者: 山紫朗
【裏話】湖宵とホモる (ド直球) 高校生活
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裏31話 思い出の文化祭⑮ お礼をするわヨ♡  高二 二学期

 「三五っ! わたしが一番に三五とフォークダンスするんだからね! 順番飛ばししちゃダメよ! また焼きもち妬いちゃうよ!」


 「フフフ。わかってるって~! いつだって湖宵が一番サ☆」


 湖宵がご機嫌を直してくれて良かった~! これで心置きなくお姉さん達に会いに行けるね。



 総勢九名のお姉さん達はグラウンドの端っこに集合していた。


 「お兄ちゃみゃ~っ!」


 オレの姿を見付けるなり、そ~にゃちゃんが仔猫みたいに飛びついてきた。


 「そ~にゃちゃん、さっきは応援してくれてありがとうね。でもお店は良かったの?」


 もしかしてオレがミスコンに出るなんてSNSで呟いたせいでお店をサボらせてしまった? だとしたら罪悪感を感じてしまうな……。


 「大丈夫みゃ~。テンチョーからちゃんと許可をもらってここに来たみゃ」


 「お兄みゃみたいな面白い人からエンタメの極意を学んできなさいって言われたにゃ♪」


 「ゴロゴロ……にゃ♪ もっとなでなでして欲しいの……にゃ♪」


 なるほどね~。オレの花魁芸がネコメイド喫茶で役に立つのなら良かった。



 「むむむぅ~……まさかそ~にゃさんがあんなに甘えんぼさんにゃんこだったなんてぇ~……」


 おおっと! そ~にゃちゃんのノドをゴロゴロしていたら、またもや湖宵のほっぺがプクッと膨らんできた!


 だがオレは慌てない。

 何故ならそ~にゃちゃんに穏便に離れてもらう為のアイテムを持っているからだ。

 オレは花魁グッズ · ちりめん柄トートバッグからアイテムを取り出し、そ~にゃちゃんの小っちゃなお手々に乗っけてあげる。


 「そ~にゃちゃん、これは今日のお礼だよ」


 「わっ! わっ! お、お兄ちゃみゃ、そ~にゃにプレゼントくれるのっ!? あ、あ、ありがとう……にゃ♪ わぁ~可愛い巾着……にゃ? 中に何か入ってる? わぁぁ~っ♡ も~っと可愛い白ネコちゃんが入ってたのっ♡ ……にゃっ♡ う~れ~し~い~の~♡ ……にゃっ♡」


 フフフ。実はお姉さん達へのお土産に手芸部さんであみぐるみを買ってきていたのだ。

 手頃なお値段の割にハイクオリティなあみぐるみちゃんにそ~にゃちゃんは夢中になっている。


 「あ~♪ 羨ましいみゃ~♪ 私もお兄さみゃを応援したんだけどみゃ~?」


 「ぼくもにゃ~♪ いっぱい応援したにゃ~♪」


 うわっと! 今度はみ~にゃさんとし~にゃさんに左右から抱き着かれた!

 湖宵がジト目でこっちを見てる! これはイカン。


 「もちろん二人の分もあるよ。ハイどうぞ」


 み~にゃさんにはキュートな三毛ネコちゃんを。し~にゃさんには元気で明るいイメージの茶トラネコちゃんを選んでみた。


 「わぁぁ~♡ ありがとみゃ~♡ このコめちゃカワみゃぁぁ~♡」


 「嬉しいにゃ~♡ このトラちゃん、何かぼくに似てるのにゃ~♡」


 気に入ってくれたみたいで何より。

 ネコちゃん三人組が自分のネコちゃんを見せ合いっこしていて微笑ましいね。



 「うぎぎぎ……羨ましい……」


 「ひぐぅぅぅ……三五しゃまぁぁ……」


 「わ、私もこの手に栄光(ネコ)をっ……!」


 「ダッ、ダメよぉ! 欲しがりさんは嫌われちゃうわぁっ!」


 キャッキャするネコさん達を見て、オレF(ファン)C(クラブ)のお姉さん達が唇を噛んでおられる!

 早くあみぐるみちゃんを渡してあげねば唇から血が吹き出すやも知れぬ。


 「も、もちろん全員の分あるからねっ! ホラ、手を出してっ!」


 お姉さん達一人一人の手を取ってお土産のあみぐるみちゃんを渡して差し上げる。


 「ふ、ふわぁぁぁん! う、嬉しいィィ! ありがとうございますぅぅん! ひ、ひっく! ひっくぅ! わぁぁ~んっ!」


 「ひぅぅぅ~! か、家宝にしましゅぅぅ~っ! ひぅぅぅん! 神棚に飾りましゅぅぅ~っ!」


 「わ、私の手に栄光(ネコ)がっ! ああ~! 今日ここに来れて良かったぁ! 課題早めに終わらせといて本当に良かったぁぁぁ!」


 「私もぉぉ! 早めにお仕事終わらせといて良かったぁぁぁん! ああっ! こんなに素晴らしい贈り物をもらえるなんてぇぇん! うわああああぁぁん! (三五)様ぁぁん!」


 号泣してはる!? え!? これ喜んでもらえてるんだよね!? スッゲ~不安になってきたぞ!


 「あ、あのっ! 一応オレなりに一生懸命選んでみたんですけど! お姉さん達のことを考えてどのネコちゃんが似てるかなって! ダ、ダメでしたか?」


 「「「「はぁぁ! ふわぁぁぁん!」」」」


 ウッワ~! お姉さん達の瞳からドバッと涙が溢れだしたぁぁ!

 

 「わ、私のネコちゃんはソマリ!? こんなに可愛いネコちゃんに似てるって三五さまに思われているの……!? ひ、ひぐぅ! ひぐぅぅぅぅ!」


 「この美猫なシャム猫ちゃんが私に……!?」


 「ぺ、ペルシャ猫……!? 私が……!? うぅっ、あっあ~! 今までの人生であった辛かった事が全部帳消しになったわ! 本気で!」


 「マンチカン……。え? 私って今日、死ぬの? ああ、そうなのね。この幸せな気持ち……。私、今日を迎える為に産まれてきたのね! あぁ~っ!」


 あああああ。背中をさすっても肩をポンポン叩いても泣き止んでくれない。

 それどころか逆効果でワンワンと泣き声が大きくなってしまう有り様だ。


 「大丈夫ですよ、三五さん♪ 皆、男の子からの初めてのプレセントに感激してるだけですから♪ しかもこんなにお上品で可愛いネコちゃんに似てるって思われてるのがわかったんですもの♪ 泣いちゃっても仕方無いですよ♪」


 アンお姉さんからのフォロー!

 オレF(ファン)C(クラブ)のお姉さん達は大学生だったり社会人だったりするから実はほのかに憧れている。

 だからお姉さん達のイメージに合うネコちゃんにはちょっと高級感があるのだ。

 でもそれくらいでこんなに感激されてしまうと恐縮しちゃうなあ。お姉さん達にはお世話になりっぱなしでお返しなんてキチンと出来てないのに……。



 「むふふふ♪ ねえ三五ちゃん。お姉ちゃんにはどんなネコちゃんを選んでくれたのかしら~♪」


 「もぉ~♪ メイったらぁ~♪ ちょっと図々しいわよぉ♪ もうプレゼントもらった気でいるなんてぇ♪」


 もちろん特にお世話になっているお姉さん達にお土産を用意しない道理は無い。

 メイお姉さんとアンお姉さんの手を取り綺麗な巾着を乗せてあげる。


 オレがメイお姉さんに選んだのは黒ネコちゃん。お耳がピーンと立っているスマートな美猫さんだ。我ながらGood Choice !


 「あら~♪ カワイイじゃな~い♪ 三五ちゃんったらお姉ちゃんのこと大好きね♪」


 アンお姉さんにはスコティッシュフォールドを。お耳がテロ~ンと垂れていて全体的にふくふくしているキュートが過ぎるネコちゃんだ。ふわふわ感がアンお姉さんみあるね。


 「うぅぅ~っ……わ、私がこんなに女の子らしいプレセントをもらう日が来るなんてぇっ……ああっ嬉しぃぃっ!」


 アンお姉さんがポロポロと涙を溢し始めた!


 「みゃ~みゃ~」

 「にゃ~にゃ~」

 「え~んえ~ん……にゃ」


 便乗してネコさん達まで泣き (鳴き) 始めた! これでオレF(ファン)C(クラブ)のお姉さん達をもれなく全員泣かせてしまった事に!


 「アンちゃん何泣いてんのよw 大袈裟ねぇ~w」


 「アンちゃんって呼ばないで! それに全然大袈裟じゃないから! 私達Q極TS女子にとっては夢の一大イベントなの!」


 オレF(ファン)C(クラブ)のお姉さん達はひとしきり泣いた後に満開の花みたいなとびきりの笑顔を浮かべてくれた。いや~、良かった! 一安心だね。



 「ふふ~ん♪ わたしのめしょちゃんが一番カワイイもんねぇ~♪」


 何か張り合いだした湖宵!


 「お姉ちゃんのクロちゃんが一番でしょぉ~♪ だってこのコ、シュッとしててクールだし♪」


 「いやいや、メイ! 私のスコティッシュフォールドちゃんが一番よ! 見てこのふわふわ感! 無限にモフモフできちゃうの♪」


 「そ~にゃのシロちゃんが最きょ~キャワキャワにゃんこだもん! ……にゃっ!」


 「私の!」「私の!」「私の!」「私の!」


 「こ~なったらネコちゃん同士を戦わせるしかないのにゃっ! 譲れない戦いなのにゃ~っ! トラちゃん、君に決めたにゃ!」


 「アピールバトルみゃ♪ ミケちゃんの毛並みの美しさをアピるみゃ~♪」


 女性陣がきゃいきゃい言いながらオレの贈ったあみぐるみちゃんを見せ合っている。

 私のネコちゃんが一番! 私のが一番可愛い! 何て言って嬉しそうにしてくれている姿を見ているとほっこりしてしまうね。


 

 ニコニコしながら皆を眺めている内にグラウンドの中央では焚き火の準備が完了したみたいだ。

 そう! キャンプファイヤーだ!

 

 組んだ木材にファイヤーが着火すると集まっていた皆から大歓声が上がった。

 日の落ちたグラウンドを煌々と照らす炎は見てるとテンションが上がるからね! 仕方無いね!


 さあ! 泣いても笑っても本日最後のイベント! フォークダンスの始まりだぁ!

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