プロローグ
「てな訳で俺の手違いできみ死んじゃったのさ」
こんな訳も分からないことを言っているのは自称神様だ
「ほんとめんごめんご! 君には悪いことしたね」
神様がこんなチャラいとは思わないが今俺と自称神様が座っているところは雲の上だ。にわかには信じがたいがきっとこのチャラい人は神様なのだろう。
それに俺は自分が死んだことを知っていた。大学の帰り道いつも通る橋の上で携帯ゲームをしていると俺の立っている真上だけに真っ黒の雲がぷかぷか浮いていることに気付いた。すると突然真っ黒の雲から黒い稲妻が落ちてきて俺の頭に直撃した。そして目が覚めるとチャラ神がいて今に至る
「はぁ、それで俺はこれからどうなるんですか?」
まぁ、当然の質問だろう誰しも死んだら自分がどうなるかわからないのだから
それに俺の場合手違いで殺されたのにはい残念でしたねで終われるわけがない
「大丈夫大丈夫! 安心して! 元の世界で生き返れるようにするよでも死者を元いた世界に生き返らせるのは少しだけ時間がかかるんだけどいいかな?」
この言葉を聞いて心底安心した。死人の俺が言うのもなんだが俺は死にたくない、それは俺だけじゃなくだれしも死にたくないと思うだろう
「全然大丈夫です! あ、それで生き返るまでにどれくらいかかるんですか?」
「まぁ軽く1年くらいかな」
この言葉を聞いて俺はチャラ神のチャラさ加減といい加減さに急に怒りがこみ上げてきて目の前に置いてあるテーブルを両手で叩きつけそれと同時に立ちあがった。
「1年!? 少しって言ったじゃないですか! それに何で生き返るのにそんなに時間かかるんですか! 大体1年もの間俺はどうすればいいんですか!」
俺は腹が立っていた。いや、腹が立たないほうがおかしいだろう。見ず知らずのチャラ神に大学帰りに勝手に殺されあげ句の果てには生き返れるのは1年後だと……腹が立たないわけがない。
「まぁまぁ、落ち着いて落ち着いてそんなに怒らなくてもいいじゃんかぁ」
「落ち着けるわけないだろ! 生き返るのが1年後だぞ!俺が生き返る頃にはもう俺は忘れ去られた行方不明者じゃねえか! それに大学だって1年も行かなかったら留年に決まってるだろ! お前バカか? バカ神なのか!?」
俺は腹が立ちすぎてこのチャラ神に敬語を使うのを忘れていた。
「ごめんてごめんて! てかさ隆盛っち神に向かってバカはひどくない? それにさぁ神がそんな問題解決できないわけないでしょ。隆盛っちのが生き返るまでいた世界の時間を止めておくからいいでしょ?」
「いいわけないだろ! 第一、俺は生き返るまでの間どうすればいいんだよ?」
この時点で俺の怒りはピークに達していた。なぜならこのチャラ神がさっきからずっとニタニタしてるし謝る気がまるで感じられない、おそらく次のチャラ神の発言で手が出ることは間違いないだろう
「あ~、それもそうだね、じゃあ異世界に行って時間つぶす?」
俺は拳を握りこみ大きく振りかぶった。
「バカ野郎!それj……ん? 異世界? 異世界ってあのラノベとか、漫画ととかであるようなあの異世界?」
俺は大きく振りかぶっていた拳をおさめて話を聞くことにした。い、いや別に異世界に興味あるとかじゃないよ? 異世界行ってチートスキルで無双してハーレムを作りたいとか思ってないよ? 本当だよ? まぁでもチャラ神も少しは反省しているようだし殴るのはやめてやることにした。
「それで、チートスキルはもらえるんですか?」
「欲しいのならいくらでもあげれるよ~てか、隆盛っち異世界に興味しんしんすぎない?」
「興味なんて全然ねーし! 異世界とかマジつまらなさそうじゃん!」
そんな返答とは裏腹に俺は心の中で雄叫びをあげていた。
(異世界行きて~~~~!!!!)
「あ?そう?じゃあ別のせk……」
「いや!異世界で大丈夫です!」
その時の俺はかつてないほどにいい返事をしたという……。
「おっけ~じゃあ今から転送するね?」
チャラ神がそう言うと俺の周りが光りだした。
「じゃあ異世界楽しんできてね~隆盛っちが生き返れる準備できたら隆盛っちの迎えに行くからね~あ、それとチートスキルだけど――」
「え?最後何言って……」
チャラ神に最後何言ってるか聞こうとしたがそこにはもうチャラ神はいなかった。
俺の目の前に広がっていたものは……見たこともない光景だった。
「異世界きたぁああああああああああああ」
それが異世界最初の一言だった。