血のつながっている妹に価値はない
「なぁ、兄貴。数学教えてくれよ」
ノックもなしに俺の部屋に入ってくる彩はタンクトップにホットパンツという部屋着だ。風呂上がりらしく髪の毛が少し湿っていた。
しかし、年頃の娘ならもう少し恥じらいってものを持ってほしい。乳首の形がはっきりとわかってしまうぞ!
「数学を俺に聞いてどうする」
自慢ではないが数学は得意ではない。そりゃ、藤田姪に教えるぐらいならできるだろう。中学生だからな。しかし、彩は高校生である。俺が教えることができる範囲は超えている。
「昔は得意だったじゃんか」
そうか。彩はフランス留学する前の俺をイメージしているのだ。あの頃の俺はコンピュータ同好会に入っていなかった。つまり、人生の大部分は暇であり、暇だったからこそ勉強などできていたわけだ。忙しいやつは勉強などできぬものだ。それは俺が証明している!
「一応、見せてみろ」
「ここなんだけどさ、なんでxとyを因数分解できるんだ?」
「公式だからだろ?」
「いや、それが証明しろって宿題でさ……」
綾の持ってきたのは高等部に入ってすぐに習う因数分解の公式の1つを証明しろというものだった。
x^2 - y^2 = (x + y)(x - y)
証明も何もないと思うのは俺だけなのか? 宿題は何を言いたいんだ?
「(x + y)(x - y) = x^2 + xy - xy - y^2 = x^2 - y^2 だろ。途中の式を書けばいいだけだろ」
彩が大きな目を見開いて俺を見る。とても驚いているようだ。
「やっぱり兄貴は天才だな……」
こういう簡単な問題で「天才」とか言われると逆にバカにされているように感じるのだが、彩のことだ。深い考えもなく本当に「天才」だと思ったんだろう。
「それで、途中の式がどうしてこうなるのか教えてほしいんだけど」
これからエロゲをやろうと思って精神統一をしていたところなので、俺は少しイライラした。
「教えてやらんでもないが、何かくれ」
「うーん? おっぱい触らせるとか?」
「はい?!」
ちょっと声が裏がってしまったではないか。血のつながっている妹のおっぱいを揉んで何がうれしいというのだ。
いや、おっぱいに貴賤はないのだから、血がつながっていようといまいとおっぱいの揉み心地はかわらないのだろうが……。
「あはは。悩むことか?」
くそっ! 揶揄われたのか。幼気な童貞の心を弄びやがって!
「もう教える気は失せた。自分の部屋へ帰れ」
「ごめんごめん。兄貴ならいつでも触っていいってことを言いたかったんだよ」
嘘ばっかり! 俺はこういうリア充的な反応が嫌いなんだ。他人を試すようなことばかり言って、自分は試されると怒るくせにな。
俺は綾の胸を思いっきり揉んでやった。こんなことをハナ様あたりにやったら、たぬきに殺されるだろうが、彩は家族なので殺されるまではいかないだろう。せいぜい半殺しぐらいだ。
もにゅもにゅ。もにゅもにゅ。
俺はいつ鉄拳が飛んできてもいいように身構えながら彩の胸を揉む。体を鍛えて筋肉だらけだろうに胸はちゃんとやわらないんだな~と思った。
もにゅもにゅ。もにゅもにゅ。
なかなか鉄拳は飛んでこない。
おかしいと思って綾の顔を見ると、羞恥で真っ赤になっていた。
「あ、ごめん」
素で謝って手を離した。
「い、いいんだよ。そういう約束だし……。ちゃんと勉強教えてくれるんでしょ?」
「お、おう」
思っていたのと違う。彩はいったい何があったというのだ。
「じゃ、じゃあ、教えてよ」
真っ赤になっている綾の顔を見ていると、何かいけないことでも教えるような気分になってくる。
だが、実際に教えるのは数学だ。
「あのな、たすき掛けの公式っているのがまずあってな」
真面目に因数分解の公式を解説する。因数分解は1つの公式を使えば、忘れてもあとで導き出せる。ちょっと難しいのは計算結果で「項」が消滅するケースだ。これさえ見分けることができれば因数分解は対して難しくない。
その辺を丁寧に彩に説明すると、次第に顔の赤さは取れていった。最後には「わかった! ありがとう」と言って俺の部屋から出ていった。
彩がいなくなると、俺はマウスに右手を置く。その形がちょうど綾乃胸のカーブと同じで先ほどのことを思い出してしまった。
今までハナ様の胸が二の腕に当たるなどのラッキースケベ的なおっぽいとの接触はあったが、こんなに長い間触っていたことは初めてだ。
なんだか、俺は道を踏み外してしまったような、気持ちになってエロゲをやろうという気分になれなかった。
近親相姦ものではありません




