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突然ですが、我々には部費がない  作者: 小鳥遊七海
生徒会の野良アプリ対策開発
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鬼は外から帰ってくる

 藤田姪がコンピュータ同好会の部室に来るようになって何日間経った頃、我孫子が来た。


「藤田姪、これが我孫子だ」


「これが、我孫子先輩」


 勉強を教えるようになってから、この学園のことも少しずつ教えている。藤田姪は頭がよく、かなり吸収力がある。


 勉強ができないといっていたのは、やる気の問題もあるが、教え方の問題もあると感じた。


 詰め込み型が肌に合う生徒なら松林原学園もいいのだろう。しかし、頭のよさにも色々ある。プログラムなんか、記憶力だけ良くても全然作れないからな。


「ちなみに名字は常磐だ」


「常磐線!」


 流石に藤田家の血筋だ。理解が早い!


「そうだ。だが、本人の前でいうなよ、怒るから」


 そして、一応忠告しておいてやろう。


「僕はここにいるが?」


 我孫子は意外にも怒っていないようだ。俺が常磐線と呼ぶと凄い起こるくせに完全に人種差別である。


 それとも初等部萌えなのだろうか。危ないやつである。


「見ない顔だな……新入部員か?」


 我孫子の問いに藤田姪が青くなる。


 マンモス学園なんだから、しれっと「そうでーす」とでも言えば誤魔化せるものを。


「これから入るかどうか決めるところだよ」


「なるほど。コンピュータ同好会は歴史ある部活動だ。それに先輩たちもやさしいから是非入るとよい」


 なんか生徒会長を兼務するようになって、偉そうなしゃべり方になったな。我孫子のくせに。


「なあ、生徒会長選挙っていつだ?」


 我孫子だって何時までも代理をしていられないだろう。


「何をいってる? 先週終わったばかりだぞ」


「え?」


「え?」


 先週は確かに忙しかったが、学校には来ていた。生徒会長選挙なんて巨大なイベントを見逃すはずがない。


「無投票だったから知らないのも無理はないが」


「じゃあ、我孫子が生徒会長なのか? ツインテールじゃないのに?」


 生徒会長といえば紀子のイメージが強いため、俺に限らず生徒会長はツインテールのイメージなのではないだろうか。


「いや、僕ではない」


「よくわからん。俺にわかるように説明してくれ」


 バカにもわかるように説明するのは頭のいいやつの義務だと思うんだよな。たまに「説明責任なんてない!」と言う人がいるが、バカにも理解できるように説明しないから問題が拗れるんだよ。


「龍ヶ崎先輩が残りの期間を勤めることになった。風紀部は成田が部長だ」


 俺は嫌な予感しかしなかった。


 成田は俺を攻撃するだろう。今までそれを止めていた龍ヶ崎がいないからな。


 そして、龍ヶ崎は生徒会長として、成田から俺を守るだろう。おねいちゃんとしてな。


 それを恩に着せるような奴とは思いたくないが、龍ヶ崎には悪知恵しかない使用人がたくさんいる。龍ヶ崎がそれに毒されている可能性は高い。


「我孫子は何をしている?」


「今は副会長だ。一年下の後輩に会計は引き継ぐ」


 我孫子が会計をやめるだと……?


「その後輩は賄賂とか必要悪とか肯定する方か?」


「そんなのが生徒会に入ってくるわけないだろう」


 どう考えても我孫子はそういうのを肯定していると思っていたが、本人の認識と周囲の認識は往々にしてずれるものだ。


「名は?」


「名前は確か宗川彩さんだったかな」


 はん?


「今、彩と言わなかったか?」


「言った」


「そいつは俺の妹だぞ?」


「なるほど、それで同じ名字だったのか」


「なんでそいつが桜千住学園にいる?」


 フランスに行っていたはずだ。そして、まだフランスに留学が続いているはずだった。


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