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突然ですが、我々には部費がない  作者: 小鳥遊七海
生徒会の野良アプリ対策開発
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部長の妹がこんなにかわいいわけがない!

 次に話に行こうと思ったのは部長の妹の平川まりなだ。


 何より、部長の妹なので話しやすいと考えたからだ。きつねの話ではモデルをしていると言うが、所詮初等部。その辺の商店街でおばちゃんがやっているようなブティックのモデルだろう。


 さきに部長に話を通してあり、待ち合わせ場所に向かう途中だった。


「待ち合わせ場所に、噴水前とか初等部らしいな」


 桜千住学園の近くには大きな公園があり、噴水は待ち合わせスポットとして有名だった。


 俺は噴水の縁に腰かけると、連絡が来てないか確認するためにスマホを取り出す。


 通知領域にはチャットのマークがついていた。


「もうついているのかな?」


 チャットアプリを開くと、ハナ様からのメッセージだった。


『ヤバい、エロゲ見つけた』


 というメッセージとともにリンクボタンがついている。


「どう見てもスパムじゃねーか」


 ハナ様はエロゲを作っている最中である。こんなメッセージを送ってくることはない。


『ハナ様のスマホは何者かに乗っ取られたようだ。スパムを送信している』


 と返しておいた。まあ、暇があったら見てくれるだろう。


 部長経由でお互いの連絡先を交換しているのまが、連絡が遅いな。待ち合わせの時間の5分前になっても来ないとは。


「一度、チャットを送ってみるか」


 いや、相手は初等部のガキとはいえモデルの仕事をしているということだし、もしかしたら仕事が長引いているのかもしれないな。


 こういう待ち合わせに来ない人をどうやって呼び出すのかすごい神経を使う。待ち合わせ時刻に間に合わないとわかったら保険の意味でも事前に連絡をいれるべきだろう。


 それに待ち合わせ時刻に来なかったら何かあったかも知れないと心配させることになるではないか。


 オタクのオフ会は待ち合わせに来ないやつもいるが、連絡が来ないやつは精神的に来れないと判断して容易に切り捨てられるが、モデルとかリア充的な仕事をしているやつに対してはどうしたらいいのかわからん。


「すみません、待ちましたか?」


 俺が悶々と考えていると、目の前に俺と同じぐらいの背丈の女の子が立っていた。


 俺の身長は175センチぐらいなので、かなり高身長だ。


「え? 誰かと間違ってませんか?」


 ゆるふわウェーブのロングで、ちょっとボーイッシュな格好が似合ってないように感じるが、かなりの美少女である。


 たぶん、読モとかしている口に違いない。あれか? モテない童貞を誘って脱童貞を期待させて笑い者にするというどっきりネタなのか?


「えーと?」


 美少女はスマホを取り出して電話をかけ始めた。


「もしもしお兄ちゃん? 写真違うの送ってないよね?」


 俺の方をチラチラ見ながらお兄さんと電話……? いったい、どんな演出なんだろ?


「ちょっと代わってもらえます?」


 美少女はスマホを差し出してくる。


 俺は不思議に思いながらもスマホを手に取り耳に当てた。


『宗川くん、某だ』


 なんだ? 某某詐欺?


『平川松本だ。宗川保くん』


「え? 部長!?」


 美少女が部長お知り合いとは世の中不思議でいっぱいだ。


『そこにおるバカデカイ女が某の妹である。話をするんだろう?』


「マジかー」


 薄々気がついてはいたが認めたくなかった。部長と血が繋がっているとは思えない。


「保先輩、スタバにでも行きましょう!」


 このリア充と二人でスタバとか何の罰ゲームだよ。


「断る」


「え? じゃあ、どこで話するんですか……?」


「チャットでお願いします」


「それじゃ待ち合わせした意味ないですよー」


 と言って、強引に手を掴む。


 初等部のくせに力強い。俺が非力なのか……。


「スタバが嫌ならまりなオススメの喫茶店にしましょう」


 もう逃げるのは無理そうだった。

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