ともさんとのコラボ!
内容に関しては、反省はしているが後悔はしていない!
ともさんありがとうございました!
「え? ってうわァァァァァ!!」
「じゃねー。楽しんでおいで」
僕は突然、背後から巨大な気配と共に、この世界の創造神を名乗るルカに、何やら穴のような物に突き落とされた。
見た目だけで言えば……ドラ○もんのタイムマシンみたいだ。
「さてさて……私も行くかな」
ルカはそう言うと僕が落ちた穴に、自分を落として、穴を閉じた。
「いったい……この先に、何が待ち構えているんだろう……?」
僕が疑問の声を上げると、僕に追いついたルカが答える。
「この先は『東方遊楽調』っていう創作物の世界なんだ。まあ、これも1つの修行だと思ってついてきてね」
ルカはそう言って、俺の手をギュッと握りしめた。
ほんのり温かいその温もりに、僕は思わず様々なことを思い出してしまいそうになるのを、頭をブンブンとふって忘れる。今は、目の前のことに集中だ。
「さあ、見えてきたよ」
ルカはそう言うと、この不思議な穴の終着点へと辿り着いた。
「うわー……! っていつもの博麗神社じゃん!!」
僕がツッコむも、ルカは冷静に歩みを進めた。
僕も急いでルカについていく。
「あっ♡ んんっ♡」
何やら喘ぎ声のような物が聞こえた気もしたが、そんなわけがない。気のせいということにしておき、僕は無視して進むルカについていった。
◇◆◇◆◇
喘ぎ声が聞こえてから少し経って。
博麗神社の僕でも知らないような森の奥に行くと、そこには2人の男の人が待っていた。
しかも、2人とも……驚くくらい、物腰が鋭い。
片方に関しては、酷い三白眼と、見るもの全てを射抜き殺すかのような視線の鋭さまで兼ね備えている。
「やあ、お待たせ」
「おう。ちょっと待ったな」
ルカが親しげに優しそうな顔をした男性と話すけど……この人、誰だろう?
「こちらはリク。今回修行させて欲しい子だよ」
「えっと……リクと言います。よろしくお願いしますね」
僕がぺこりとお辞儀すると、優しそうな顔の人は満足そうに頷いた。
「ああ。俺は博麗 霊斗。よろしくな」
差し出された手に対して、握手をする。
すると、ちょっと顔が怖い方の人は、さらに顔を顰めた。
「なぁ、霊斗……本当にやるのか……? せめて、この世界じゃないどこかとか……」
「そうだな。被害が出るのも嫌だし。宇宙空間で修行にするか」
「いやいや、宇宙空間? 僕、流石に宇宙空間では何もできないですよ?」
僕の言葉に、男性2人は「え?」という顔をした。
「え? ルカ、宇宙で戦えないやつ連れてきたの? 宇宙人が攻めてきたらどうするんだよ」
いやいや、宇宙人なんているわけがないだろう。何を言っているのだろうか、この人たちは?
「霊斗、1300銀河系に、廃れた星があったろ? そこじゃあ駄目なのか?」
「うーん……まあ、良いか。観客の居ないステージも、それはそれで練習になるしな」
この人たちはそう言うと、唐突に僕らの周囲の景色が一変した。
「よし。じゃあ、やるか」
「え? な、何を?」
「「「何って……戦争だよ」」」
当たり前のように三人は言うと、僕は突然霊斗さんじゃない方の男性と共に、強化アクリルのようなドームに閉じ込められていた。
「さあ、見てろ。あそこがお前の目指す場所になるからな。ああ、自己紹介が遅れた。俺の名は龍崎 神斗。よろしく」
「え? えぇ……」
僕は突然、男性……神斗さんに自己紹介され、ただ頷くことしかできなかった。
◇◆◇◆◇
「ルールはどうする?」
「互いの気が済むまで、殺りあっておしまいでいいだろ」
俺は適当にそう言い、今回のゲスト……ルカとやらをじっと見つめる。
ルカはそれを受けて、こちらを見つめ返した。
今回の事の始まりはなんだったか……ルカが突然、世界の壁を突き破って話しかけてきたんだったな。
俺のことが気になったとか、そんなことを言っていたが……。まあ、本題はリクの修行だ。こっちはほどほどでいい。
「……始まる」
龍牙がそう言った瞬間、一気に異常な量の弾幕がルカの周囲に配置された。
「覚悟!」
その弾幕は、一斉に俺に対して発射され……ることなく、消えた。
「へ?」
「何やってんだ、次だよ次」
「あ、うん……」
ルカは呆気にとられながら、こちらに対して一瞬で転移し、俺に対して拳を放った。
俺は余興試しとして、それをわざと受けてみせる。
すると、体が爆散するほどの威力があったらしく、俺の体はバラバラの肉片となって星の彼方へと消えていった。
「なぁんだ……つまんないの」
「へぇ、そりゃ最高じゃねぇか。つまんないって感じるってことは、過去に楽しいと感じたことがあるんだろ?」
「っ……!」
俺の声が聞こえたのか、ルカは振り向いた。
しかし、当然そこには俺は居ない。
「気のせい……だよね」
ルカはそう自己完結したのか、ため息をひとつ吐いて顔を元に戻す。
その途端、ルカの首は真っ二つに裂かれ、体と頭が離れた。
俺の攻撃を受けて飛んだ頭は、正面にいた俺を見て絶句した。
「な……! なんで生きてるの!?」
「なんでって……そりゃあ、俺が普通じゃないから、だろ」
「いや、当たり前のように言われても」
「要するに、お前と同じってことだ」
「なんだ、それなら簡潔でいいね」
ルカはそう言うと、俺に対して二本の短刀で斬りつけてきた。俺はそれをかわし、口を開く。
「お前にかかったあらゆる矛盾、俺が教えてやる。それはつまり……お前があくまで作られたものであるってことを」
「何わけわかんないこと言ってんの!?」
動揺するルカに対し、俺は追い立てるように口を開く。
「ひとつ、無気力なのに武術を極めるなんて、そんなことができるわけがない。時間の有無は関係なく、それは極めるじゃなくて『やる』と『やらない』の差があるから。やらない奴に極めるなんてできるわけがない」
「ひとつ、そもそも創造神だろうがなんだろうが、1京歳なんて単位は宇宙において存在しない。なぜなら、宇宙が138億歳だからだ。それに、1京年を時間渡航で生きたとして創造した世界はどうなる? そもそも、なぜ最初からできるのに創造してない?」
「黙れ!!」
「ひとつ。お前は俺の世界に来てなお、創造神を名乗るが、それは間違いだ。なぜなら、ウチには既に創造神がいるからな」
「黙れと言っているの!!」
「最後にひとつ。設定を弄りまわすようなことはやめろ。それが例え『俺の世界以外』の創造神であってもな。というか、人の世界に勝手に設定を加えるな!! 創造神なんて、『なろう運営』とそれを使用した『ユーザー』や『ユーザーによって設定された人物』以外の誰でもないからなァ!!!!」
「何言ってんの!? なんかメタいし大人気ない!!」
「ということで……お前は創造神でもなんでもない」
「黙れ! 狂月の永遠『ーインフィニティルナティックー』」
おっとっと。ちょっと精神攻撃が過ぎたかな。
俺は周囲を巻き込みながら増えていくルカの弾幕に対して、剣を構えた。
◇◆◇◆◇
「ハァー……」
「龍牙さん、どうしたの?」
「いや、なんでもない」
俺はまた何か言われそうだな、と頭を抱えながらそう呟いた。マジで霊斗(の闇)、何してくれてんの!? 責任とるの俺達なんだけど!?
純真無垢なこの少年に少しでも残酷な現実を見せないように、俺は星を転移した。
◇◆◇◆◇
ふぅ……今日は視点がコロコロ変わるな。まあ、良いんだけど。
本来の次元の定義ってのは、簡単に言えば空間の広がり方だ。それはまあ、一億の次元ともなれば、とりあえず広い空間であることは確かだろう。だが、空間の広さとしては未知数だ。
次元を数学的に表すなら、立体が三次元。二次元と三次元の違いなんて、平面か立体かの違いだから、そこまで大きな物ではない。
まあ、次元と言ったって、転用して世界と置き換えられることもあるわけだから、一概には言えない。
そんなどうでも良いことをだらだらと考えているうちに、ルカのチャージが完了したようだった。
ルカから放たれる巨大なエネルギー砲は、まさしく星を一億でも壊せそうな勢いだろう。だがまあ、そんなことされると困るのは俺だ。
俺は一つの盾を装備する。それは、アイギスの盾。神話通り石化の能力を持つこの盾は、俺によって全ての直接攻撃以外を弾くという効果も付与されている。
そして、それは能力を乗り越えるとか、超越とかそういった話ではなく、まさしくそういう性質を持つや、歴史を作る道具、というのが一番正しい。それに、俺が保護をかければ歴史が変に改変されることはない。つまり、上書きされることもないのだ。
そんなこんなで、凄まじいエネルギーは全て俺のアイギスに弾かれた。
「な……!」
「さぁて……今度はこっちから行くか」
「ヒッ……! 来ないで!!!!」
「俺のラストスペル、教えてやる。天滅奥義『我が剣はこの点を利用し、ただ斬るのみ』」
俺はそう宣言して、逃げようとして腰を抜かした可哀想な(見た目は)少女に、剣を抜いた。
刹那。
俺がルカすらも気づかないほど早く通った跡に、剣閃が迸る。それを起点に、巨大なブラックホールが展開され……ルカはあえなく、飲み込まれた。
ブラックホールに飲み込まれた場合、体が原子レベルで分解されると言われている。だから、ブラックホールに飲み込まれても、復活するのは新しい体を使うことが可能だ。
では、体(依り代)がある状態で死んだらどうなるのか。あるいは、凍死。あるいは、出血死。あるいは、呼吸困難。
そんな時は、体を持ってして人の世に再臨することは叶わない。体が残ってしまっているからだ。
そんな『死体』に魂が付与される哀れな復活は、俺はあまりさせたくない。
というか、して欲しくない。俺だって、Sじゃないからな。
そんなどうでも良いことを考えている間にも、ルカは体を失ったことで復活を果たした。
「……まだやるか?」
「当たり前だね」
「……お前の魂を死体に縛ったまま帰ることもできるけど?」
「……っ」
さっき言った、死体を残したままの死について、危険性を知っているのだろう。
ルカは少し顔をしかめ……それでもなお、戦意は失っていなかった。
ていうかもう、俺はうんざりしてるんだけど。
そろそろ、霊夢の所に戻りたい。
「じゃあ、僕の最後の一撃を小細工なしで受けてみてよ。『聖魔融合・カオスワールド』」
ルカがそう唱えると、夢想封印のおよそ千倍はあろうかという大量の弾幕が出現し、俺に対して一目散に向かってくる。
俺もそれに対して、愛剣である龍神王部を構えた。
光速を超えるスピードで向かってくる弾幕を、俺の動きを光速より早くし、全て斬り捨てた。
「な……! あの量の、あのスピードの弾幕を全て捌いたというの!?」
「これで、もう良いだろ。そうだ……本家夢想封印の、最後の姿を見せてやるよ」
俺はそう言って、スペルカードを掲げる。
「神符『夢想封印・終』」
そこから夢想封印の帯のような弾幕を放つ力が無数に現れ、ルカの周囲の空間を何重にも埋め尽くした。
直後、ルカの断末魔がこの星に響き渡った。
◇◆◇◆◇
「龍牙さん、何をするんですか?」
「さぁね……俺はなんとなくあいつらの戦闘を見たくなかっただけだから」
正確には、見せたくなかったんだけどな。
まあ、そんなことはどうだって良い。
「弾幕を扱えない少年か……俺を思い出すな」
俺はそう言って少年、リクに剣を構えさせる。
「一本、弾幕なしで勝負といこうじゃないか」
刹那。リクはかなり速いスピードで俺に対して斜めに斬りつけてきたが、俺の籠手に張った障壁魔法によってそれは防がれる。
「障壁魔法ってズルくない!?」
「弾幕なしとは言ったが、バリア無しとは言ってないからな」
俺はそう言いながら、驚いたリクに右手で鳩尾に拳を叩き込む。
「うぐっ……」
「これで一勝。どんな時も、あらゆる可能性を考えて行動しろ。さっきの攻撃も、かわされてたら左脚が叩き込まれただろう。死なないからと言って、勝てるわけじゃないことを覚えておけ」
「……わ、わかりました……」
「なら、良い。先に帰ってるか」
俺は腹を抱えて悶絶しているリクを担ぎ上げ、幻想郷へと一足先に帰ることにした。
◇◆◇◆◇
「あら、おかえりなさい……小さなお客様ね。いらっしゃい、ゆっくりしていくといいわ」
「お、お邪魔します……」
リクはリクの世界の霊夢より、少し大人びた霊夢に驚いたのか、それとも恐縮したのか、縮こまってしまった。
「あの霊夢が、あんなになるのか……」
まあ、確かにリクの世界の霊夢……つまり、昔の霊夢とは姿も全然違うからな。
髪も長くなったし、胸だってデカい。身長も初めて会った時より、だいぶ高くなったかな?
俺はそんな霊夢の成長を実感しながら、霊夢の作ってくれた飯を机の上に配置する。
「「いただきますっ」」
「いっぱい食べてね、霊斗」
「もちろんだ霊夢」
俺は霊夢とイチャイチャしながら、ゆっくり味わいながら飯を食うのだった。
◇◆◇◆◇
「そろそろ、帰ろうか」
「……ああ、そうだな」
俺はリクやルカの帰り道となる穴を作り出す。
「おう、また来い」
「絶対来たくない!!」
俺の言葉に反感するようにルカはそう言うと、穴に飛び込んでいった。
「それじゃあ……また」
「ああ、今度は俺とも戦おうな。強くなったらまた来い、楽しみに待ってるぜ」
俺はそう言って、リクを見送った。
……さて。
「れーいむーー!!!!」
俺はルカのせいで不足し、補充したりない霊夢成分を補充するために、博麗神社へと駆けていくのだった。
東方遊楽調×東方亜幻空.fin......