006
(凄いね。いくら媚薬を飲んでも、火炎竜巻をあそこまでの規模でできるなんて。もしかしたら、化けるかもしれないね。)
モモは、少女の事について考えていた。
普通の、黒魔法:火炎竜巻は、イメージするのが難しく、維持することも難しい。
それを、乱れないようにおさえつけ、また、威力もたかめていた。
(あの子は、今からが楽しみだ。)
モモはそんな事を考えながら、オーガの死体の周りに、いた。
モモは白い剣に、黒魔法:零度をまとい、横に一線しただけで、オーガは凍りつきバラバラになり、絶命していた。
(もう少し観戦してみようかな。)
★
「黒魔法:風切」
「はぁ、はぁ、はぁ、」
(キリがない。魔力もかなり、消費が、、、)
少女は片膝をつき、肩でいきをしていた。
「大丈夫?」
少女の前にはモモが立っていた。
「よくやったね。ひとりなのに、かなりいい筋行くと思うよ。」
モモはそれだけをいい放つと、魔法を唱えた。
「黒魔法:水龍」
水で作られた龍は、生命があるかのようにうごき、ゴブリン達を一線した。
「よし、終わったね。」
モモは、少女を抱えて、村の囲いの中に入っていた。
★
「もう大丈夫です。魔物達は、全て倒しましたので、安心してください。」
モモの元に集まった、村人は、歓喜に満ちていた。
★
「さっき、秘薬を飲んだから、すぐに回復すると思うよ。それと名前を教えてもらってもいいかな?」
モモは、少女を英雄亭の医務室に運んで、ベッドで横たわっている、少女と話をしていた。
「私の名前は、エン=アルセウスです。」
「領主の娘かな?」
「い、いえ、そんなことはないです。私は農民の娘です。畑を耕していたのですが、魔物に襲われ、畑が荒らされ、お金に困ったので、ギルドに入りました。」
「そうか、話してくれてありがとう。辛かっただろうね、すまない、こんな事を聞いて。。。」
「い、いえ、大丈夫です。」
モモと、少女の間には、気まずい空気が流れたが、モモは、少女にもう一度向き直った。
少女はキョトンとしていたが、それもまた可愛い。少女は、黒髮が綺麗で、男達は、その容姿をみたら、十中八九見とれるような顔立ちをしていた。
「もしよければ、僕のギルドに入らないか?」
「え、えーーーーーー」
「嫌なら、それでも構わない。しかし、多分エンさん、君は化けると思う。かなりいい筋だ。勿論、それなりの金額や、それ相応の物も払うつもりです。」
「も、勿論、行かしてください。むしろいいのですか?」
「実力は申し分ないよ。今は、魔力量の大きくなる時なので、修行をすれば、色々な魔法も、問題なく、使えるようになると思うよ。」
「ありがとうございます。」
すこし、照れた表情を見せた。
「そう。わかった。エンさんのギルドはどこかな?」
「梅雨の帽子亭です。それと、エンで結構です。英雄様。」
「わかった。エン、それで僕なんだが、、、」
モモは。魔力探知を広げて、誰もいないことを確認すると仮面をとる。
「モモ=サイシスです。こ、これから、よ、よろしく」
モモの姿は、誰もを魅了する魅力があった。それに魅了された一人がエン=アルセウスだった。
「か、あの、恥ずかしいのですが、」
モモは、照れた表情をする。先程の頼りになる感じとは一変し、顔を赤くした。
そして、その行動にまたもや、心を奪われたエンは、胸に矢がささったように、目をハートマークにさせていた。
モモは仮面をかぶりなおし、少女と向きなおる。
「大丈夫?」
「えっ、は、はい。あ、あの、素顔を見せて大丈夫なんですか?」
「ギルドの人には秘密にしていませんよ。戦っている時に仮面が外れて、亡くなってしまったとき、誰か、わからないので。」
「あと、今は、仮面をつけているので、大丈夫ですが、ビビリなので、慣れてくれると助かります。」
英雄と少女の物語が始まった。