003
ガサゴソ、ガサゴソ
(え、え、ぇぇぇぇぇぇぇーーーー、な、な、な、なんでーーーー?、ひ、膝枕されてるの?)
少女は戸惑っていた。何故なら、膝枕をされたからだった。そして、驚くべきことに、英雄の仮面をつけているひとにだ。少女は、何故この状態になったのか、少し目をつぶり考えにふけっていた。
(私は、ギルドに依頼を受けに行った。するとギルド掲示板には、大きな紙がはってあり、下級の魔物が大量発生といい、報酬がかなり良くて、浮かれながら、受付嬢に依頼を頼み、森に入ってモンスターを探していると、突然でかいモンスターの怒号が鳴り響き、金属音を奏で始め、それを、遠くから見ていると、一人の男が剣を弾かれ、死にそうになるのが耐えれなくなり、飛び込み魔法を放ち、戦っていたが、徐々に押され始めそして・・・・・そうだ、あの人達は)
少女は、英雄の仮面をつけた人に気づかれないように、目を先程まで戦っていたところに向けた。
「え、え。何これ?」
少女は今の光景が全く信じられなかった。
目の前に広がる光景は、朝起きたときの太陽をみた、清々しい気持ちが吹き飛ぶような景色だった。そこには、少女と同じ様に下級の魔物討伐しようとしていた人達が、無残な形とかわり、地面には血でいっぱいでまるで、血の海だった。
そこでやっと。自分もあの様な状態でそして、今目の前にいる人に助けられたのだと分かった。
「起きたんだね。よかったよ息があって。」
「えゃーーー」
少女は、急に声を掛けられたことによって、素っ頓狂な声を上げてしまった。そして、少女は、直ぐに頭をどかそうと、踏ん張り、立ち上がる。
「助けていただきありがとうございました。」
「いや、大丈夫だよ。」
モモは魔力を広げて、下級の魔物を探す。
(危ない、このままじゃ、村に進入してしまう。)
「ここから。村に転移します。僕の体に触れておいてください。ここにいるのは危ないので。」
「は、はい。」
「では行きます。」
★
モモは瞬間転移して、村に到着した。間一髪だった。もう少し遅れていれば、下級の魔物が大軍で襲いかかっていただろう。
「もう大丈夫ですよ。」
モモは、少女に応える。少女は、目を瞑っていて、目の前の光景に驚いていた。先程まで、森の中でいたのに、今は村の塀の中にいた。
「は、はい。」
少女は、唖然としていた。何故ならばやはり、英雄の凄さに驚いていた。瞬間転移など、神級魔法だからだ。
これは、ごくありふれた能力ではないのに、それを当たり前のようにつかう。
(もしあの場所に、英雄様が通っていなければ、あの場所で死んでいたんだ。やはり本当に英雄様なんだ。)
「ありがとうございます。英雄様。」
「さっきも言っているように、大丈夫だよ。」
そして、モモは集まってきた村の人達に、目を向ける。
「村の皆さん、下級の魔物が大量発生して、ここに向かってきています。女の人や子供は直ぐに、安全な場所に避難させて下さい。」
村の人達は動揺するが、意識を切り替え、すぐさま、男の人が防具をつけて、槍を持ってくる。そして、女の人や子供は1つの避難所の建物の中に全員入る。
「では、共に戦いましょう。男の人達は、避難所の周りにいて、もし、取り逃がしてしまったり、塀の中に入ってきた場合、魔物を討伐して下さい。」
モモの声は、村人に喝を入れた。魔法をかける。
「白魔法 精神向上」
これは精神力をあげる。少しでも不安になることを無くすためだ。
村の男たちに向けて唱えた。
モモは、村の人達に背中を向けて、下級の魔物がいる方へ歩いていく。少女は、英雄についていく。
「私も戦います。」
一人くらい大丈夫だろう。
モモと少女は二人並んで村の外に目をやった。