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英雄が怖がりで何が悪い  作者: 水嶋 修司
002章
26/29

026

「ニンゲンガチカクニイル」


オーガキングは、エンのいる方向を見る。


普通に見るだけでは、木が邪魔をして、見る事が出来ないのだが、何せ魔物だ。生まれながら、魔法の才能を持ってきているので、分かったのだろう。



「やはり、気付いちゃいましたか。」


エンは、少し悔しそうな声を出す。


エンは、ある過程を想像していたのだ。


それはエンが、オーガに殺されそうになった場面のところだ。


もし、人質がとられていて、魔法に失敗すると、その人を殺してしまったといっても過言ではない。


エンは改めて、モモの凄さを知ったのだった。


モモはどれだけ人に泣き疲れ、更に、助けても、怒られる無慈悲な状況にずっと耐えてきたのだから。


そしてエンは頭を左右に振って切り替え、仮面越しの目が真剣になる。


「よし、行きます!。」



「何を考えているのだー?」


リュウちゃんは見るだけだと暇なのか、ポテトを薄く切り、油で揚げた食べ物を食べていた。


「多分、悔しかったんじゃないかな。」


モモは、上空からしっかりとエンを観察していた。


「半分だけだからだ?」


「正直わからないね。」


「動き出したみたいなのだー。」



エンは身体強化だけの走りで、木と木の間をすり抜けて、オーガ達のところへ向かっていた。


それは8秒もかからなかった。


エンは剣を抜刀する。


そして、エンは流れるような剣さばきで、五匹ほどのリーフオーガを屠る。


しかし、オーガジェネシスが、斧でエンの攻撃を止める。


オーガジェネシスは、オーガの上位種に値するためか。リーフオーガは、手も足も出ないが、やはり、戦闘の知識の差や、経験の差があるのだろう。


「オマエ、ツヨイナ」


受け止めた、オーガジェネシスではなく、オーガキングが前に出てくる。酷い片言ではあったが、エンに向けて、殺気を飛ばしてくる。


修行する前のエンならば、気絶していただろうが、今のエンでは、余裕で受け流す。


「ヤハリ、キョウジャハ、スバラシイ」


オーガキングは、顔を崩す。それは、笑顔のつもりなのだろうが、人間に向けると、ただの狂気にしか見えない。


「オマエラ、タオセナイダロウガ」


また、顔を変える。


恐らく、皮肉を言っている所から、鼻で笑っているときの顔なんだろう。


すると、怒りを覚えたのか、一匹のオーガジェネシスが指令を出す。


「ヤレ」


その一言で、リーフオーガの生き残り、11匹とオーガジェネシス3匹が一斉に、攻める。


エンは、地面を強く蹴り30メートル程下がる。


そして、すぐさま、氷の魔法を剣に纏わせる。


「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」


オーガ達は一気に押しかける。


「行きます。」


エンは体制を低くして、一気に駆り立てる。


リーフオーガが前に出て、剣でエンを刺し殺そうと試みる。


「こんなのモモと比べたら弱すぎる!!!」


エンは身体強化魔法と剣にまとっている氷の魔法で相手する。


それは、まるで武芸を見ているようにさいなまれる。


リーフオーガ6体がエンに剣を振りおろす。


それを、左右に少し体重を傾けながらしゃがんで、エンは氷の剣を横に一線振る。


すると、リーフオーガの6体が、ずれ落ちて絶命するかと思いきや、氷の剣で切ったため、切れた部分から体中に氷の幕が広がり、綺麗な模型ができた。


そして、それが危険だと感じたリーフオーガと、オーガジェネシスは、距離を取る。





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