023
「エン。ゲートを開くよ。」
「はい。」
エンとモモは再度、ギルドマスターに挨拶をして出ていく。
★
「やはり、モモちゃんが言っていた通り、何かありそうね。」
ヘスティアは、机に顎を置いて、足をブラブラして、口と鼻の間に羽ペンをはさみ、手を伸ばしダラダラしていた。
「うるせぇぞ、糞ヘスティア。やっと帰って来たのに、茶くらい出せや。」
ルシファーは、ギルドマスターのソファで頭に何かの本を乗せ、ヘスティアに文句を言っていた。
「うるさい。ルシファー口チャックの刑にする。」
ヘスティアは、ルシファーにあっかんべーをする。
それに気づくことがなく、ルシファーはそのまま、眠りにつく。
「アテナー。モモちゃん達をどうしようか。」
ヘスティアは、魔人の動きの結果をみて、モモとエンの最適な配置を考えていた。
「そうですね。あっ。いいことを考えました。」
アテナはヘスティアの耳元で話始める。
「それはナイスアイデアだよ。アテナっち。」
褒められて嬉しいようだったようだが、アテナは最後の言葉に苛立ちを覚えていた。
「だから、その、最後のやつやめて下さいって、何度も教えましたよね。」
アテナは、ヘスティアのこめかみに両こぶしを擦り合わせて。痛みを与えていたが、ヘスティアのニコニコは止まらない。
「よーし。決めたら早速行動だー。」
ヘスティアはアテナの、グリグリを払いのけ、ゲートを開いて、転移魔法を使用する。
「アテナー。あとは任せるねー。」
ヘスティアは、無邪気に笑顔を向けてゲートで転移する。
ゲートが開き終わり、苦笑いで、アテナは、見送る。
「ヘスティアは、モモのことが関わると、人が変わるわね。」
そしてこれは小声で誰にも聞こえないように、呟く。
「私もモモに好きになって貰えるように頑張らないと。」
「グーーーー。グーーーー。」
帰ってくる返事は、ルシファーの寝息だったのだった。
「あれ、リュウは何処へ行ったの。」
さっきまでいたはずの、幼女の姿が見えなくなっていた。
★
「よし、エン依頼の続きに行こうか。」
昨日ミシェルと話をしていた。会議の部屋に転移した。ミシェルが話を通して置いたおかげで、誰も入らないように、処置を取って置いてくれていた。
「行きましょう。」
「行くのだー。」
「あれ。リュウちゃんどうしてここにいるの⁉︎」
エンは、いるはずのない人がついて来た事によって驚いていた。
「暇だからついて来たのだー。」
落ちこぼれの英雄物語
新しく書きました。
是非お読み下さい。