017
都市ザライヤの都市ギルド。
ギルドザライヤ、これは、都市のギルドである。各都市にギルドが存在しているため、6つある。
ギルドの権力でいうと、英雄亭がトップの権力を持っていて、その下が都市ギルド。更に下が、民営ギルドである。
帝達が所属しているのが都市ギルドだ。エンは、民営ギルドの出身だ。
そして、5つある都市にはそれぞれの帝たちがいるギルドがある。王が滞在しているのが、王都だ。王都には英雄亭があり、王を守っている。いや、正しくは市民を守っている。
「ここが都市ギルドだよ。」
そこにそびえ立つのは、英雄亭よりも5倍近く大きいもので、英雄亭もかなりデカイのだが、やはり、都市ギルドだけあって、おおきい。
都市ギルドには、貴族や、都市や、国の依頼が多い。
都市ギルドのギルドに入りたいたなら、民営ギルドで実績を残し、更に試験を超えないといけない。
実践と言うのは、○○○○を討伐しました、とかではなく、ただ単に、3ヶ月の期間と、依頼の数、信用だ。
民営のギルドは、小さな村からの依頼などの報酬が高くはないが、来てくれたら嬉しいみたいなものだ。
村の存在が危ういと言うときは、本当に危険なので、都市ギルド、さらに上の英雄亭が対処にむかう。
そして、都市ギルドでは、依頼を受けてくれない物が回ってくる。
加入条件は優しく、誰でもだ。ただ、例外は含む。
ま犯罪を犯して逃げたものだ。つまり、盗賊と言われる者たちである。
どう判断するかと言うと、都市ギルドにある、ギルドカード発行所で判断される。
ギルドカードは本当に便利で、ランクだけだと、思われがちだが、今まで討伐した内容、得意魔法。更にはランクを読み取ることもできる。
しっかりと公正して、檻から出られた者は入れる。
「かなりデカイですね。」
「まぁ、都市ギルドだからね。」
「行くよ、エン」
モモはエンが都市ギルドを眺めていて、ぼーっとしていたため呼びかけた。
「はい。」
エンは、少し顔がほころんでいた。
そして、都市ギルドに入ったものが入りたがるのは英雄亭で、英雄亭の冒険者になりたいものは、取り敢えず、都市ギルドに憧れを抱く。
そして、エンはつい最近まで、都市ギルドに入る事が夢だったのだ。そのため、嬉しさで、少しぼーっとしてしまっていた。
エンとモモは、2人でギルドの前まで歩いて行く。
すれ違い、通り過ぎて行く人は、驚きを隠せないでいた。
★
そして、両開きの扉を開ける。
冒険者達はエンとモモに気づいていない。
それはそうだ、ここには沢山の冒険者で溢れかえっている。
民営ギルドは数多く、500近くある。そのため、試験を合格すればするほど、毎年のギルド加入者は増える。
混雑していて、人の事を見ている人は少なく、依頼の内容などに真剣に自分のために考えている人の方が多い、人の事なんてかまっていられないのが現実だった。
そして真ん中まで歩いて行った時、慌ててギルドの受付嬢が走ってきた。
受付嬢が走っている姿があまりにも焦っていたため、その周りに居た人は、受付嬢が行く先に視線を移す。
「申し訳ありません」
受付嬢がそう言ったことにより、更に視線が集まる。受付嬢が頭を下げるのが珍しく、貴族にどんだけ文句を言われても、反撃をして、相手を黙らせるからだ。
それなのに、受付嬢が謝ったため、更に視線が濃くなる。
「大丈夫だよ。挨拶に来たんだんだけどいるかい?」
「はい。今はギルド室です。すぐに案内します。」
周りの視線は好意の目にかわり、更に、今まで、もぬけの殻だったもの達が、モモに熱い視線を送り、筋肉の自慢を始める。
エンは、仮面の中で、苦笑いをしていた。