016
「流石だね。エン。最初だから、失敗するかと思ったよ。」
「ありがと。けど、やっぱりまだまだです。」
「そうかな、最初の戦いではかなりいいと思うよ。」
実はエンの言った通り、まだまだ磨くところがある。斬撃の装束がまだまだなのだ。魔族落ちは倒せるだろうが、魔人と戦うとなると、未だ不安はよぎる。
魔人はやはり桁違いに強いのだ。特に特有の力には細心の注意を払わないといけない。
特に目は、鋭く、コンマ1秒の隙などを見せてしまうと、致命傷になりかねないくらいだ。
「エン結界を解除するよ?」
「はい。」
モモは三重の結界を解除する。今さっきモモが張っていたのは、
外から視認できない壁と防音にする結界、被害が及ばない結界だ。
本当の三重結界は、被害が及ばないように3枚張ることが普通なのだがモモは、一枚の結界で十分ということを理解して、やっているので、魔力の供給をよく考えているのだ。
そして、これはそこまでむずかしくはない。Aランクの称号をもらっものや、魔法を熟知しているものは。難しくはない。
するとそこには、先程エンが助けた人々が心配そうに集まっていた。
「皆さん心配をさせて申し訳ありません。ただし、危険は去りました。」
モモがそう言うと、波のように伝わり、歓声が大きくなる。
「すげーぞ」
「流石。英雄様」
「私を是非英雄亭に入れてください。」
「先程は申し訳ありませんでした。」
などを口々に喋り始める。
エンにはここまで賞賛されたことがないため、戸惑っていた。
「ありがとうございます。」
エンは素直に礼を述べた。
そしてエンは地面に亀裂が走っている事に気がつく。
「すみません。そこを、どいてもらえますか?」
囲まれた人たちに指示をする。
そして皆から分かるように魔法を唱える。
「黒魔法 砂流」
砂が何処からともなくやってきて、魔法によってきれいに亀裂に入っていく。
「黒魔法 圧縮」
さらにからは見えないが、大気の気圧で圧力をかけて、整備する。
「すげー。」
「ありがとうございます。」
礼やまた賞賛が送られる。
そしてエンとモモは、その場を離れ、門を再度抜け、都市のギルドザライヤに向かう。
少ないので水曜日に更新します。申し訳ありません。